【現地レポート】アウェイで初のCL観戦…アーセナルサポーター、雨のカンプノウに沈む!
チャンピオンズリーグが開催されている期間にイングランドに滞在しながら、まだ一度も観戦のチャンスに恵まれていなかった筆者。昨年の渡英時にはアウェイのモナコ戦がありましたが、スタッド・ルイ・ドゥ(Stade Louis II)の全部で18000というキャパシティではアウェイ席のチケットなど瞬殺です(ただしサッカーがあまり人気のないモナコのこと、ホームのほうはそれでも余裕があったようで、アウェイ寄りのホーム席を狙って取った友人もいました)。
しかし今回の在英中に組まれた予定は、アウェイとはいえバルセロナ戦。カンプノウはキャパシティ10万という世界最大級のスタジアムです。「前回の対バルセロナアウェイ戦の感触では、レッドメンバー(アーセナルの有料サポートメンバー。所定の年会費さえ払えば誰でもなれる)でも取れるかも?」という情報を聞き付け、試合のチケットが発売されるよりも前に、ロンドンからバルセロナへの航空券を押さえました。試合日程が決まると、チケット以前に航空券の値上がりが激しいという話を聞いていたからです。
しかし、どこにもチケットがなかったかというとそういうわけでもありません。今回、”ticketbis“というチケット売買サイトを教えてもらい、そこでバルセロナVSアーセナルのアウェイ席を見てみると、最低価格33000円ほどでチケットが出品されていて、今回はこれを利用することにしました。ホーム席ならその半額程度でしたが、筆者としてはこれを買うわけにはいきません!(ticketbisは日本語でも閲覧できます。画像は5月に開催されるプレミアリーグ37節、マンチェスター・シティ戦のものですが、アウェイ席はやはり割高です)
ちなみに飛行機は、ロンドンのスタンステッド空港発着のライアンエアー。航空券を確保したときの値段は往復185ポンド、バルセロナまでは2時間半ほどで、新幹線で東京から大阪に移動するような感覚です。多少は観光もできるようにと、試合日を真ん中に2泊3日のスケジュールを取りました。
さて試合前日。陽光まぶしいバルセロナを期待してエル・プラット空港に到着すると……そこにはまるでロンドンかと見まごうばかりの曇り空。飛行機のドアを開けた男性CAさんは、「こんな天気で何かすみません」と客に謝っています。
筆者が着いたのはバルセロナ・エル・プラット空港のターミナル2。日本から直接行くと新しい方のターミナル1に着くようで、こちらからは市内へのシャトルバスなども出ているようですが、今回のターミナル2からは出ていないのでRenfeという特急で市内中心部まで移動しました。ところが、駅でもらった路線図と車内の駅名表示が違っていて大混乱。あとから聞いた話では、スペイン語とカタルーニャ語が混在していたようで、ただでも頭に入りにくいスペイン語の地名がさらなる混乱を招いてしまったようです。移動経路についてはしっかり予習をしてから臨むべきでした。
バルセロナ2日目はいよいよマッチデイ。イギリスならチャンピオンズリーグのキックオフは19時45分ですが、バルセロナはイングランドと1時間の時差があることもあり、20時45分と遅いスタートです。
こうして市内を歩き回っていた日中は、曇り空とはいえ何とか天気はもっていたのですが、いざ試合に向かう頃になると、ついに雨が降ってきました。しかもかなりの本降り。折り畳み傘は持っていましたが、試合中にさすわけにいかないので、フード付きのコートだけが頼りです。そう!カンプノウには、メインスタンドの一部を除いて屋根がないのです!天下のカンプノウがその状態とは……思想の違い、そもそもめったに雨が降らないなど理由はあるのでしょうが、どのスタンドにも屋根があって当たり前のプレミアリーグとは大きな違いがあると感じました。
カンプノウへ向かうには、地下鉄L5線でBadalという駅を利用。市内中心部からは約15分といったところです。Badal駅からは歩いて10分弱でスタジアムが見えてきました。
あとで友人に聞いたところ、ヨーロッパのアウェイ観戦ではこうしたことはよくあることなのだとか。荷物についても、チケットが送られてきたときの同封書類に「小さなもののみ」と書かれていたそうで(筆者のチケットにはその書類が同封されていなかったのもトラブルのもとでした)、過去にはドルトムントなどでは「手ぶらのみ可」という指示があったとのこと。同じヨーロッパのスタジアムとひとくくりにしてはいけないということがよくわかりました。
しかも何だか客席の入りが悪い……雨だからキックオフまでみんな着席しないのかと思っていましたが、試合が始まっても目で見てわかるほどの空席があります。途中、入場者数の発表があり、7万人は超えているとのことでしたが、本当かな?という印象。これは「どうせ勝つ」と思って見に来ていないんじゃないか?…思い出すのは、直前のFAカップのワトフォード戦のこと。ワトフォード戦ではヴェンゲル監督への不満等から試合をボイコットしていたグループがあったそうで、それも「どうせ勝てると思っているからだ」と現地在住の先輩サポさんが言っていました。む!今回バルセロナ側にそういう気の緩みがあるとすれば、今回はわれわれがワトフォードになれるのでは!
…なんてことも思いましたが、結果はすでにみなさんご存じの通り。アグリゲート・スコアの関係で、最初の1点は取られても取られなくても一緒と大きな気持ちでいることができ(大雨と寒さでちょっと頭のネジが外れてたのかもしれませんけどね)、さらに追加点を入れられる前に追いついた!しかもエルネニーさんの気持ちいい初得点!と案外ウキウキ見ていたんですが、そこまででしたね。MSNにキッチリ1点ずつ取られて、アーセナルのチャンピオンズリーグは今年も「予定通り」ラウンド16で終了いたしました。
カンプノウといえば、試合後、アウェイサポーターを「閉じ込める」ことでも有名です。ホームサポが全部外に出るのを待って、その後にアウェイサポーターを帰らせることになっているようなんですね。経験者によると、チャンピオンズリーグの試合後、2時間閉じ込められ(ということは余裕で日付が変わっている)、地下鉄の終電がなくなることもザラにあるんだそう。ところがこの日はやはりホーム席の人が少なかったのか、席からコンコースにはすぐに出してもらうことができました。とりあえず雨がしのげる!しかし、その先はなかなか進まず、立ちっぱなしで30分ほど待たされたでしょうか。サポーターは退屈しのぎに、ありとあらゆるチャントを歌います。
こうしてギリギリ地下鉄の終電に間に合い、ホテルの最寄駅までは無理だったものの市内中心部までは戻れた筆者と友人たち。結局、ホテルに戻るまで雨は降り続け、最終日に飛行機に乗り込むまで太陽の顔を見ることはできませんでしたが、初のヨーロッパ遠征はそれなりに思い出深いものになったのでした。
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更新ご苦労様です。
カンプノウ遠征記楽しく拝読しました。バルセロナの食事は美味しそうなものが多そうですね。朝読んでいるのですが、食べたくなりました(笑)
バルサのサッカーはペップ時代とは変わったと言われてますよね。CLの時くらいしかバルサは観ませんが、つまらないサッカーでもまあ強いですよね。
いつの日かプレミア勢がバルサを破るのを観たいものです。ちなみにスペインでもチャントってあるんですか?
次回のレポ楽しみにしております。
Mackiさん>
ありがとうございます。「バルサ イムノ」で検索すると、応援歌の記事が出たりします。レポートは4回ぐらい載る予定ですので、ご期待ください。
Mackiさん、チャントは聞こえないことはなかったのですが、この日は一部ゴール裏のサポーターが盛り上がっているだけという感じでちょっと寂しい雰囲気でした。ゴール裏には太鼓も持ちこまれていて、イングランド式の歌だけのチャントとは趣が違うようです。
「寂しかった」と言いましたが、同行の先輩グーナーによると、満席のときはやはりすごい迫力だそうです。そういう日にも行ってみたいものですね!