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ラスト10分、痛恨のシュートミスと失点…ウェストハムはドロー決着もEL本大会へ前進!

ウェストハムが、ヨーロッパリーグ本大会出場まであと1歩というところまできました。プレーオフファーストレグ、対戦相手は瀬戸貴幸が中盤でプレイするルーマニアのアストラ。昨季はEL予選3回戦で対戦し、ホームでのドローが尾を引いて2試合トータル4-3で敗れた相手です。プレミアリーグ開幕戦ではチェルシーに惜敗したものの、内容は悪くなかったハマーズですが、ビリッチ監督は週末のボーンマス戦をにらんで大幅にメンバーを変えてきました。

GKバートン、最終ラインのバイラム、オグボンナ、リース・オックスフォード、バークはチェルシー戦から総入れ替え。プレミアリーグの初戦を最後までベンチで過ごしたオビアング、新加入のカジェリとギョクハン・トレが入り、2戦連続先発はエネル・バレンシア、マイケル・アントニオ、主将のノーブルだけです。選手層が厚くなった今季のウェストハムは、1年前の借りを返して欧州のステージで暴れてくれるのではないでしょうか。キックオフからしばらくは、アストラペース。いつもとはメンバーが違うからか、プレミアリーグとは打って変わってウェストハムは慎重な対応を見せており、いけそうな状況でも無理に当たりにいきません。

9分、ハマーズに最初のチャンス。左からのクロスをカジェリがうまく体に当ててポストすれすれに流しますが、GKルングがコースを塞いで先制を許しません。その2分後、右からのCKをマイケル・アントニオがフリーでプッシュ。枠を捉えていた一撃は、ポスト脇に立っていたテイシェイラがカットし、こぼれ球を冷静にクリアします。直後、ギョクハン・トゥレが縦に抜けて浮かしたクロスにエネル・バレンシアがフリーでしたが、ヘディングはうまく当たらずバーの上にアウト。アストラも負けじと15分、CKをニアに入れてテイシェイラが左から突破。渾身のシュートはGKバートンが弾き、転々とするボールにもハマーズが先着して均衡は崩れません。

マイケル・アントニオやギョクハン・トレがサイドで拠点を作り、SBのフォローを受けて縦に突破しようとするハマーズですが、アストラ守備陣の寄せが速く、効果的なクロスを入れられません。31分、中央からのアストラのFKは、イオニタのキックがアドリアンの正面。攻めあぐんでいたウェストハムは40分、長い縦パスに反応したエネル・バレンシアが先に触ればゴールというチャンスを迎えるものの、DFに体を入れられて打てず。このCKをカジェリがヘッドで狙い、左隅に飛んだボールはルングの素晴らしい反応に阻まれます。このまま終わるかと思われた前半終了間際、サプナルがCKを手ではたいてハマーズがPKをゲット。GKの動きを見たノーブルが落ち着いて正面やや左に蹴り込み、アウェイチームのリードでハーフタイムを迎えます。攻撃陣には不満がありそうなビリッチ監督も、0-1というスコアには納得でしょう。

アストラの猛攻で始まったセカンドハーフ。右サイドからの2本のグラウンダーは、ポジショニングが的確だったハマーズ守備陣がはね返しますが、49分の3発めは決定的でした。高く上がったボールをファーポストまで走ったジェラルド・アウベスが折り返すと、ゴール前3メートルでフリーだったサプナルが足で触りながらも後ろに逸らしてしまいました。命拾いしたハマーズは、堅く守って速攻という自分たちのペースをつかみつつあります。ギョクハン・トレが右から斬り込みマイケル・アントニオに打たせたシーンや、エネル・バレンシアが裏に抜けてシュート寸前でGKルングにクリアされたチャンスは、いずれも縦に長いボールを入れて前線のアタッカーに勝負させるシンプルな形でした。

64分、ビリッチ監督は2枚代えを敢行。カジェリとエネル・バレンシアが下がり、コリンズとアンディ・キャロルを投入したのは中央の守備に厚みを持たせる意図でしょうか。72分に縦パスで裏を突かれ、コリンズがアリベックに置いていかれたシーンはヒヤリとしましたが、シュートは力なくバートンが落ち着いてキャッチ。74分にはハマーズが逆襲を仕掛け、ギョクハン・トレが見事なドリブルで右サイドをえぐるも、ラストパスをノーブルが足に当てられません。75分にギョクハン・トレがマーカス・ブラウンに後を譲ると、そのブラウンが81分に絶好機を演出します。鋭いダッシュでアストラの最終ラインをぶっちぎり、ハーフラインからひとり旅。GKと向き合ったブラウンは、右から走り込んだマイケル・アントニオにラストパスを流しますが、必死に戻ってきたDFを気にしたのか30番がポストの脇に外してしまい、勝負を決めるチャンスをつぶしてしまいました。

ピンチの後にチャンスありとは、よくいったものです。0-2を覚悟したカウンターから2分も経たないうちに、アストラが同点に追いつきます。CKをニアで受けたのはアリベック。背後についたコリンズはまたも10番に軽くあしらわれてしまいました。至近距離で簡単に振り向かせて、GKの弱点である肩口を抜く強いシュートを打たれれば、バートンを責めるわけにはいきません。0-2で畳んでいれば、来週のセカンドレグはメンバーを落としてプレミアリーグ優先のフォーメーションを組めましたが、1-1ではホームゲームを勝ちにいかなければなりません。80分までうまく進めていたゲームだっただけに、ラスト10分からの2つのミスが残念でした。

バイラムとリース・オックフフォードに出たイエローカードはフェアなタックルだったのに対して、アストラの3枚はCKをハンドでブロックした先制シーンと、キャロルの独走を手で止めた決定機阻止、マイケル・アントニオに対する羽交い絞め。厳しいレフェリーならホームチームは10人になっていたかもしれず、逆にいえば、プロフェッショナルファールに泣いたアウェイゲームを1-1は悪くない結果ではあります。収穫は、リース・オックスフォードとオグボンナのCBコンビが安定していたことと、バイラムがケアする右サイドを自由にさせなかったこと。左は多少綻びを見せましたが、マスアクが戻ってくるプレミアリーグでは再び締まるでしょう。

試合後の「BT Sport」は、マイケル・アントニオのシュートミスとコリンズがかわされたシーンを執拗にリプレイし、解説を重ねています。うーん、やはり見れば見るほどもったいない。次のオリンピックスタジアムでは、今日の悔しさを忘れさせてくれるような完勝を期待します。(マーク・ノーブル 写真著作者/joshjdss マイケル・アントニオ 写真著作者/Egghead06)

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“ラスト10分、痛恨のシュートミスと失点…ウェストハムはドロー決着もEL本大会へ前進!” への2件のフィードバック

  1. おはむ より:

    ウェストハムはフレンドリーマッチのようなサッカーをしてしました。相手は必死になってファールして、ボールを追っか回してましたが笑
    オックスフォードのロングフィードはお見事、バークも昨シーズンレンタル先でチームMVPを取っただけある落ち着き。カジェリも時差ぼけが直らない中での、まぁまぁな活躍、久しぶりのアントニオのウイングなど、試験的なスタメンで勝ち点1、クレスウェル、アユ、フェグーリ、クヤテ、ノルトヴェイト、パイエが怪我の中、これ以上怪我人が出なかったことは勝ち点1以上の収穫です。

  2. makoto より:

    おはむさん>
    コリンズを入れて最低でも0-1、あわよくば0-2をめざしてのに、勝ちきれなかったのが残念です。セカンドレグの起用と戦術を難しくしてしまいました。

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