イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

何とかズラタン…マンチェスター・ユナイテッドは辛勝で今季ヨーロッパリーグ初勝利!

プレミアリーグのレスター戦から最終ラインを変えてきたモウリーニョ監督は、ポグバにどこをまかせるのでしょうか。オールド・トラフォードにウクライナのゾリャ・ルハーンシクを迎えたヨーロッパリーググループステージ第2節。GKロメロ、DFフォス=メンサー、スモーリング、バイリー、ロホ。ポグバとフェライニは中央で並ぶのか、フェライニがアンカーでポグバがインサイドMFか。リンガード、マタ、ラシュフォードの2列めに、トップはイブラヒモヴィッチです。前でプレイする時間が増えたポグバが存在感を発揮し始めている一方で、プレミアリーグ開幕からゴールを重ねていたズラタンの当たりが止まっています。ポグバが前線の選手を動かすパスをどれだけ入れられるか、ズラタンが前を向いて打てるボールが入るかどうかが、マンチェスター・ユナイテッドの攻撃のポイントとなりそうです。

立ち上がりから積極的にシュートを狙うのはゾリャのリュベノヴィッチ。5分にペドリャクのグラウンダーをダイレクトで叩いたシーンはフリーでしたが、ボールはロメロの頭上を越えていきます。5分を過ぎると、ポゼッションは徐々にマンチェスター・ユナイテッドへ。8分のCKはフェライニのヘッドが左にアウト。アウェイのゾリャはカウンターに徹しており、カラバイエフとペトリャクのサイドアタックには気をつけないといけません。サイドチェンジを駆使するホームチームの攻撃は、中に入ってくるボールに工夫がなく、なかなかフィニッシュに至りません。19分、ようやくイブラヒモヴィッチがボックスの外からミドルを放ちますが、DFに当たってCKです。21分、CKをニアのポグバが後ろに逸らすと、空いていたラシュフォードの強烈なシュートはクロスバー!マタの浮き球から前線に出たリンガードは、ドリブルをカットされてチャンスを活かせません。

31分、中央やや左で倒されたイブラヒモヴィッチが自ら蹴ったFKは、壁に阻まれます。攻めあぐんでいたマンチェスター・ユナイテッドが唯一可能性を感じさせたのは、右にまわったポグバがピンポイントでマタの頭に合わせた38分のクロスぐらいです。しかし、最後の5分でホームチームは怒涛のアタックに入ります。40分、ポグバが前線に浮かせたボールをズラタンが競り勝って落とすもリンガードは空振り。直後、ロホが左から持ち込み、折り返しにリンガードがフリーでしたが、ヘディングシュートはラファエウに当たりました。CKを頭で叩いたフェライニの一撃は、GKの前で大きく弾んでバーの上へ。前半は0-0。ポゼッション70%のホームチームは、終盤の攻勢をそのまま後半に持ち込みたいところです。

後半開始当初は、ゾリャのサイド攻撃をさばく時間が多かったマンチェスター・ユナイテッドですが、50分を過ぎると前半同様に中盤を支配します。ラシュフォードが再三入れるクロスは届かず、ポグバがラシュフォードを狙ったスルーパスは通らず。66分、FKのクリアを拾ったゾリャは、パウリーニョが右隅を狙った強烈なシュート。ロメロが飛んで左に弾きますが、危ないシーンでした。67分、リンガードに代えてルーニーです。プレミアリーグでも控えにまわっていたキャプテンは、枠内シュートゼロのチームを救えるでしょうか。

先制は、10番が入って1分でした。マタが右から縦に入れたスルーパスでフォス=メンサーが完全に抜け出し、ゴールラインからの折り返しがフリーのルーニーへ。キャプテンのボレーは当たり損ねで左のポスト際に浮きますが、これをズラタンがヘッドで押し込みました。モウリーニョ監督は74分にマタをアシュリー・ヤング、フォス=メンサーをマルシアル。プレミアリーグでノーゴールのマルシアルは、復活の手がかりをつかめるでしょうか。79分、ゾリャのリパルティアの直接FKはうまく落とせず、ロメロが挙げた手のはるか上。84分にポグバ、ズラタンとつながったカウンターは、ルーニーのパスがラシュフォードに合わず、通ればGKと1対1というチャンスを逃します。89分のズラタンのFKは枠を捉えてはいたものの、スピードが足りず、GKシェフチェンコがキャッチ。追加タイムは、ゾリャのアタックが淡泊で助かりました。静かなオールド・トラフォードで、マン・ユナイテッドが今季ヨーロッパリーグ初勝利を手にしました。

攻めの狙いが不明確だったこと、フィニッシュの精度の低さ、積極的にシュートを打つ姿勢に欠けたこと、クロスが入ったときの中央の薄さ。ポゼッション72%と圧倒的にボールを支配したチームの苦戦の理由は、こんなところではないでしょうか。ポグバとマタにシュートがなかったのが、攻めあぐんだゲームを象徴しています。ラシュフォードとイブラヒモヴィッチの個人力担保だったマンチェスター・ユナイテッドは、攻撃の形を早期に築けなければ、プレミアリーグでも下位相手にたびたび取りこぼすのではないかと思います。モウリーニョ監督に、プランはあるのでしょうか。スペインで鎬を削ったペップのチームと比べると、「スペシャル・ワン」と自らを形容した指揮官のチームはあまりにも不安定で、ワールドクラスの選手まかせです。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“何とかズラタン…マンチェスター・ユナイテッドは辛勝で今季ヨーロッパリーグ初勝利!” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    メンバーをあまり落とさなかったですからね
    もう少し点が欲しいでしょうしチームとして良い形をもっと作らないと
    フォスメンサーが結構良かったと思います
    ラッシュフォードなど下部上がりが活躍しそうで羨ましいです

    —–
    モウリーニョのサッカーが時代についてこなくなってきましたね。

    —–
    モウリーニョの「攻撃は個人力担保」サッカーは中々変わらないですね。
    チェルシー2年目に変わるかと思ったら結局アザール頼みサッカーに終わりましたしね。
    正直自分もおハムさんのいうようにモウのサッカーは時代に合わなくなってきてるかなと思います、残念だけど…。
    まあマタのトップ下起用をやったことはちょい希望かなとも思いますが…。

    —–
    ポグバは当然として、ラッシュフォード、リンガード、メンサーが皆先発という若手積極起用は意外でありうれしいことでもあります。モウリーニョがどうもファンファールの戦術の癖の払拭に苦心しているようなので、これら若手がモウリーニョのやり方に早く染まれば先発常連の道が開けるかもしれません。

  2. makoto より:

    シティふぁんさん>
    運動量が決定的に足りなかったですね。フォス=メンサーには期待してます。

    おハムさん>
    ポチェッティーノ、クロップ、ペップのサッカーを見ていると、そういうことなのかもしれないなと思ったりします。そんななかで、ヴェンゲル監督の普遍性は驚異的です。

    パチさん>
    そうですね。積極的に解決策を探っているのが、唯一の希望です。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    モウリーニョさんへの懸念のなかで、いちばんすっきり裏切ってくれているのが若手起用です。定着し、大化けしてくれればと思います。

コメントを残す