マタ&キャリックの見事なパスからPK2発!マンチェスター・ユナイテッドは4-1でEL2連勝!
立ち上がりはイージーなパスミスが目立つマンチェスター・ユナイテッド。ホームゲームにも関わらず押され気味で、10分を過ぎてもシュートレンジでボールを持つことができません。マタのゲームメイクで左右に揺さぶりをかけ、ようやくポグバが左足でシュートを打ったのは14分。守備に人数をかけるフェネルバフチェの中央は堅く、ルーク・ショーとマルシアル、リンガードとダルミアンでサイドを崩す形を創りたいところです。ルーニーは、ボールをおさめられません。全体的にもらいにいく動きが少なく、足元へのパスが多いマンチェスター・ユナイテッド。26分のポグバのロングシュートは、いかにも強引でした。しかし30分、自陣から素晴らしいロングフィードが前線に一発で届きます。出したのはマイケル・キャリック、うまく足元におさめたのはマタ。後ろからのチェックとなったシモン・ケアがたまらずマタを倒してしまい、PK。ポグバが冷静に左隅に沈め、ホームチームが先制です。
1-0としてからわずか3分後、デ・ヘアのキックをルーニーが競ったところまでは何でもないシーンでしたが、こぼれ球をトラップしてマルシアルに通したマタのスルーパスには鳥肌が立ちました。抜け出したマルシアルがシュート態勢に入ったタイミングで、オズバイラクリが足を引っかけてしまい、これもPK。今度はマルシアルが蹴りますが、ポグバと同じ左隅へのキックにデミレルは触れません。2-0とされたフェネルバフチェがチャンスをつかんだのは37分。プレスをかけてキャリックのトラップミスを誘い、左から上がったソウザがバイリーをかわしてシュートを放ちますが、至近距離からの一撃はデ・ヘアが足でクリアします。このままハーフタイムでも充分だった46分、ルーニーが敵陣でインターセプトに成功し、すかさず中にいたリンガードに速いグラウンダー。落としたボールに走り込んで、文句なしのシュートを左隅に叩き込んだのはポグバです。終わってみれば、3-0。ほとんどの時間を静かに過ごしたマンチェスター・ユナイテッドは、花火を3発だけ打ち上げ、前半で勝負を決めてしまいました。
スモーリングは負傷でしょうか。後半のピッチにはマルコス・ロホがいます。48分、この4点めは、3回も相手のパスを引っかけた前線の執拗なプレスと、リンガードのセンスが光ったゴールでした。敵陣でボール奪取に成功し、ヒールでマタに渡した14番はそのまま前線へ。マタ、マルシアル、ポグバ、ルーニーとテンポよくつながり、キャプテンが落としたボールを左隅に蹴り込んだのは、起点となったリンガードでした。55分には、左サイドからポグバが一発で逆サイドのダルミアンに通し、クロスのこぼれ球にルーニーとリンガードが詰めますが、打ちきれません。60分、エメニケの落としをファン・ペルシがカーブをかけて狙ったミドルは、プレミアリーグで大暴れしていた頃を思い出させる美しい弾道でした。ポストすれすれに外れた一撃に、オールド・トラフォードには温かい拍手が起こります。
66分、リンガードが下がり、メンフィス・デパイ。今季プレミアリーグでさっぱりのサイドアタッカーには、こういうチャンスで復活の手がかりをつかんでほしいのですが、ルーニーとマタで創った71分のカウンターのチャンスで、3対2の形からパスミスを犯してしまいます。75分、ポグバを休ませフォス=メンサー。直後、フェネルバフチェはオズバイラクリが入れたクロスをコイバシュがヘッドでコースを変えますが、当たりは悪くなかったものの左に逸れていきました。78分、キャリックの縦パスがデパイにつながり、最高のタイミングで出たスルーパスで飛び出したマタがGKと1対1となるも、右足のシュートはデミラルが足でブロック。終盤はダルミアンとバイリーの守備が緩んでしまい、83分に左からのクロスをファン・ペルシが押し込みますが、もう勝負は決まっています。スタンドで観戦していたサー・アレックス・ファーガソンとサム・アラダイスをはじめ、スタジアム全体がファン・ペルシに厳かな拍手を送っています。マンチェスター・ユナイテッドは最後まで優位にゲームを進め、4-1でタイムアップ。主力を休ませながら気持ちよく勝てればよかったこの試合を、納得の着地で終わらせました。
誰がこのチームの中心なのかがあらためて明確になったゲーム。攻撃的に戦うときは、キャリックが後ろでボールをさばき、マタとポグバが前線を操る形がベストでしょう。リンガードは、インサイドに入ってもウイングに置いても機能すると思います。3点めと4点めのシンプルなプレイは、着実な成長を感じさせてくれました。ルーニーは、要所でいい絡みを見せていたものの、最前線に出るとボールロストが目立ち、シュートが打てません。プレミアリーグでシュート数No.1のズラタンが最前線に構え、ラシュフォード、リンガード、マタ、ポグバがいるチームにおいては、今の出来ではベンチスタートを余儀なくされそうです。
強烈な飛び道具でもぎ取った2つのPKと、的確なプレスとダイレクトパスできれいに決めた2つのゴールは、今後につながる大きな収穫だったと思います。日曜日、スタンフォード・ブリッジで戦うプレミアリーグのチェルシー戦を楽しみにしております。モウリーニョ監督には、今日の30分過ぎから見せてくれたダイレクトとスルーパスを駆使したコレクティブな攻撃を期待しつつ、ゴール前にバスを止めるのは0-0ではなく0-1としてからにしていただければと、切に願います。
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快勝でした。キャリックがいると安定しますが、年齢的にもこのシーズンではいざという時の用心棒として使い、キャリックがいない面子での形を模索し確定させるべきでしょうから悩ましいところです。
プレミアリーグ大好き!さん>
そうですね。現状ではエレーラが定着してくれるのがよさそうなのですが、ベテランのプレイを観たい気分もあり、悩ましいですね。