交代カードに疑問あり…痛恨のアウェイゴールを喰らったサウサンプトンがヨーロッパリーグ敗退!
ピュエル監督は、プレミアリーグではフォンテを起用し、ヨーロッパリーグはファン・ダイクと吉田麻也を並べます。SBはセドリク・ソアレスとバートランド。ミドルレンジをロメウがカバーし、左右のインサイドにはホイビュルクとスティ-ブン・デイヴィスです。左ウイングはレドモンド、右には19歳のシムズを抜擢。トップには、今季プレミアリーグ6ゴールのチャーリー・オースティンが張っています。イタリアやチェコのクラブと互角に渡り合ったセインツは、本拠地セント・メアリーズでイスラエルのチームに負けるわけにはいきません。
2分のCK。チャーリー・オースティンのヘディングはジャストミートでしたが、GKゴレシュの正面にいってしまいました。8分に素早い反転でDFをかわしたシムズは、ファーサイドにおもしろいボールを浮かしましたが、チャーリー・オースティンは先に触れません。国内リーグ8連勝で首位独走と波に乗るハポエルの選手たちには自信がみなぎっており、ラディやブザグロはプレミアリーグ屈指のCBといわれるファン・ダイクでも平気で抜きにかかろうとしています。16分、ホイビュルクのミドルのリバウンドをロメウが右に展開し、セドリク・ソアレスがクロスを入れた攻撃は迫力がありました。ホームチームがサイド攻撃、アウェイはカウンター狙いという展開です。
ハポエルが左サイドから攻め上がったのは18分。コレフトのクロスがファーに流れ、フリーだったブザグロの一撃はクロスバーすれすれです。26分、カウンターで右サイドを上がったレドモンドは、逆サイドを走るロメウにラストパスを出せず、ゴールライン際まで持って折り返したボールはロメウが打ちきれません。36分、ホイビュルクのパスをボックス手前で受けたレドモンドが、すかさず右足を振り抜きますが、ゴレシュが左に飛んでセーブ。その2分後、セインツを痛いアクシデントが襲います。ヘディングで競ったチャーリー・オースティンが肩を痛め、リタイア。代わって入ったのはシェーン・ロングです。レドモンドのFKをゴレシュがキャッチすると、間もなくハーフタイム。0-0のまま終われば、セインツの勝ち抜けが決まります。
後半の立ち上がりはハポエルペース。2回のクロスを冷静にクリアした吉田麻也は、縦パスでボックスに侵入したサハルのシュートを足元に入ってブロックします。徐々にセインツは前半の勢いを取り戻し、ホイビュルクやバートランドが積極的にミドルシュートを放ちます。59分、シムズに代わったのは、鼻骨骨折から復帰したタディッチ。63分の波状攻撃は、タディッチのシュートもセドリク・ソアレスの再三のクロスもハポエル守備陣が体を張って防ぎました。今日のレドモンドは、持ちすぎです。ひとりめをかわすところまではいいのですが、中でフリーになった選手に目がいかず、決定的なパスを出せません。68分のCKは、ファン・ダイクのヘッドをゴレシュがセーブ。残り時間は、20分となりました。
ミスがなかったロメウが中途半端なクリアをしてしまったのは、79分。サハルが右のブザグロに展開すると、クロスに放ったシュートはフォースターの手の先を抜けて、サイドネットを揺らします。ああ、こんな時間帯に…激痛の失点!プレミアリーグで1試合あたり1点獲っていないチームが、欧州の修羅場で2ゴールを要求されています。ラスト10分、とにかく上がるしかありません。サイドからクロスを放り込むしかないセインツ。89分には吉田麻也がヘッドで競り勝ちますが、ゴレシュが難なくキャッチします。
追加タイムに入った91分、セインツが追いつきました。左からタディッチが上げたボールをホイビュルクと代わったウォード=プラウズが競ると、裏にいたファン・ダイクの足元にボールがこぼれます。CBの一撃に工夫はなかったものの、相手の足に当たってゴールイン。1-1、まだ2分あります。最後のハイライトは、93分にウォード=プラウズが入れたハイクロスでした。赤白のストライプが頭ひとつ出て、シュート、ポストの脇!吉田麻也は、ピッチを叩いて悔しがっています。間もなく、タイムアップの笛。狂喜する白いシャツとアウェイサポーター。セインツは、一歩及びませんでした。
この試合は、「ピュエル監督が畳み方を間違えた一戦」だったのではないでしょうか。セインツが先制点を奪っても、「1点獲るしかない」ハポエルの状況は変わりません。とにかく避けたかったのは、アウェイゴール。となれば、シムズに代えてピッチに送るべきはクラーシ、ミッションはミドルレンジを埋めることです。さらに最後は、ホイビュルクを残してスティーブン・デイヴィスを下げたほうがよかったかもしれません。セインツは、タディッチの75本を筆頭にプレミアリーグで3番めにクロスの本数が多いチームです。パスワークで崩せないためにゴールが少ないチームが、10分で何とかしようとすれば、放り込みしかありません。吉田麻也とファン・ダイクという「2トップ」を前線に残したとき、おとりになってくれる187センチのホイビュルクは、ハポエルにとって目障りだったでしょう。一発勝負の国内カップなら、タディッチ投入で勝ちにいくのは納得なのですが…。75分までは理想的な展開だっただけに、とにかく残念な敗退劇でした。
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