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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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また来たハリー・ケイン!カウンターが冴えたトッテナムがドルトムントに3-1勝利!

昨季のチャンピオンズリーグでは手のうちに入れられなかった聖地ウェンブリーで、トッテナムは難敵相手に勝ち切ることができるでしょうか。ドルトムントをホームに迎えたポチェッティーノ監督は、直近のプレミアリーグと同様に3バックを選択しました。ロリスの前に、アルデルヴァイレルト、ダヴィンソン・サンチェス、フェルトンゲン。WBには好調ベン・デイヴィスとパリから獲得したセルジュ・オーリエが入り、センターにエリック・ダイアーとデンベレ。エリクセンとソン・フンミンの前にハリー・ケインという3-4-2-1は、プレミアリーグファンならよく見る布陣です。出場停止のデル・アリを欠いたチームは、先にゴールを奪って落ち着いて試合を進めたいところでしたが、ゲームは序盤から激しく動きます。

4分、スパーズのカウンターが発動。ハリー・ケインのスルーパスでソン・フンミンが左サイドを疾走します。パパスタソプーロスが追いついたものの、昨季プレミアリーグで14ゴールのアタッカーはマークをものともせず縦にかわして左足でシュート。GKブルキの肩越しに決まった瞬間、ウェンブリーに地鳴りのような歓声が響き渡ります。9分のピシュチェクのアーリークロスは、アルデルヴァイレルトが冷静にカットし、オーバメヤンに打たせません。

レアル・マドリードと同居した両チームにとっては、直接対決の結果が重要です。クリーンシートで逃げ切りたかったスパーズは、11分に手痛いアウェイゴールを喫してしまいます。香川真司のポストプレーでボックスの角に走り込んだヤルモレンコが、左足でカーブをかけて左隅に刺さる見事なダイレクトショット。外から巻いてくる完璧な弾道で、さすがのロリスもノーチャンスでした。プレミアリーグのクラブと久しぶりに戦う香川真司は、DFの間に入る彼らしいポジショニングで幸先よくアシストを記録しました。

ピンチが続いていたスパーズは、15分に貴重な勝ち越しゴールをゲットします。ハーフラインでゴールに背を向けハイボールを競ったハリー・ケインが、振り向きざまにドリブルをスタート。2人をピッチに転がす重戦車のような突進で左からボックスに入ると、ニアポストすれすれを襲う素晴らしい左足シュートがネットに突き刺さります。角度が厳しいときはGKの肩越しに強く打てといわれますが、まさにお手本通りの一撃。2-1とした若いチームは、ようやく落ち着きを取り戻しました。

緑のピッチに映える白い3本のラインは見事に統制が取れており、美しい上下動に目を奪われます。ポチェッティーノ監督が時折大胆な起用を成功させるのは、誰を使っても守備戦術が破綻しないという自信があるからでしょう。27分、シャヒンのロングフィードがゴール前に上がると、飛び込んだヤルモレンコはヘディングを枠に収められません。裏を狙うヤルモレンコ、オーバメヤン、プリシッチは、縦にパスが出そうになるとオフサイドポジションにさせられています。29分にプリシッチが左から突破を図ると、グラウンダーのラストパスはフェルトンゲンがオーバメヤンの手前でクリア。34分に香川真司がオーバメヤンに出したスルーパスは、読んだロリスが余裕を持ってキャッチします。ダヴィンソン・サンチェスは自陣で奪われてはいけません。オーバメヤンが右から仕掛けたカウンターは、アーリークロスに足を伸ばしたプリシッチの弱いシュートが左に切れていきました。

前半は、ドルトムントペースのまま終了。スパーズのカウンターは決まらず、最後は完全に追い込まれていました。ハーフタイムでリフレッシュしたホームチームは、前でボールを奪おうとプレスをかけにいきますが、全体が間延びするとオーバメヤンに裏を狙われるリスクが高まります。50分、エリクセンが右に流れたハリー・ケインにスルーパスを通すも、フィニッシュは枠の上。直後にエリクセンのパスでハリー・ケインが右サイドから抜け出した決定機も、ラストパスを受けて切り返したソン・フンミンのシュートがクロスバーを越えてしまいます。

55分に右サイドのダフートがファーにいたオーバメヤンにクロスを通し、エースのボレーが右隅に決まりますが、ジャッジはオフサイド。ラインが見えていたストライカーは苦笑しており、フェルトンゲンが残っていたのをわかっていたのではないでしょうか。命拾いしたトッテナムは、60分に貴重なゴールを奪いました。デンベレの縦パスをポストに入ってさばいたベン・デイヴィスが、中に入って左を空けたのがファインプレー。落としをもらったエリクセンが一瞬フリーになったハリー・ケインにラストパスを通すと、昨季プレミアリーグ得点王はピシュチェクの股間を抜くシュートを左のサイドネットに叩き込みました。

66分に香川真司が下がり、ゲッツェが登場。エリクセンのクロスに左足を振り抜いたベン・デイヴィスのボレーは、ブルギが左に飛んでセーブします。70分のドルトムントのCKは、ファーでノーマークになったトリアンのボレーをロリスが足でブロックするビッグセーブ。直後にハリー・ケインがソン・フンミンを走らせたカウンターは、7番のシュートをトリアンが滑ってブロックします。ボス監督は、72分にダフートをカストロ。76分、右サイドからハリー・ケインが上がり、ニアのエリクセンに折り返すも、プレーメイカーの左足のシュートは抑えが効きませんでした。トプラクがザガドゥに代わった後、ポチェッティーノ監督はようやく最初のカードを切りました。ソン・フンミンをシソコ。フランス代表MFの役割は、ボールをキープして味方を楽にさせることでしょう。

87分、ハリー・ケインがお役御免でフェルナンド・ジョレンテが初出場。ベテランストライカーの投入は、今後のプレミアリーグもにらんだ采配ではないでしょうか。追加タイムに入り、フェルトンゲンがゲッツェの顔をはたいて2枚めのイエローで退場。体を抑えるために出した手が、想定外のところにヒットしてしまったのでしょう。94分に完全なオフサイドポジションにいたシソコが取られず、ゴール前に持ち込んで放ったシュートが右に外れると、早く終われというブーイングのなか、2分後に笛が鳴りました。トッテナムは、本拠地ウェンブリーで今季初勝利。2点差は、決勝トーナメント進出に向けて大きなアドバンテージです。

サッカーに起こりえるイベントがすべて詰まっていたようなエキサイティングな試合でした。トッテナムの不運なジャッジはゴールから遠く、ドルトムントのそれはゴールに直結したという面はありましたが、クオリティの高い3発のシュートを決めたプレミアリーグ2位チームをリスペクトしたいと思います。ラインを下げ過ぎないようにハーフタイムに指示したであろうポチェッティーノ采配は見事。敵地シグナル・イドゥナ・パークでライバルからアウェイゴールを奪えれば、決勝トーナメントに進出できる可能性が高まります。スパーズには、次節のアポエル・ニコシア戦を順当に勝っていただき、デル・アリの出場停止が明けるホームのレアル・マドリード戦の快挙を期待したいと思います。

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“また来たハリー・ケイン!カウンターが冴えたトッテナムがドルトムントに3-1勝利!” への3件のフィードバック

  1. ホタ より:

    5バックに近い守備的な3バックでしたが、CL仕様の戦い方を見せてもらいポチェ監督の柔軟性をまた実感しました。
    実質、2位通過を狙ったドルトムントとのホーム&アウェーゲームを、ウェンブリーで、しかもケインが2発も決めたというのは勝ち点3以上に大きいと思います。また、加入して間もないオーリエも動きが良く、期待を持たせてくました。

    判定に若干味方された側面もありますが、全体的にはクオリティの高いカウンターを決めたスパーズが3ptsに相応しかったと思います。次のAPOEL戦は必勝です。

  2. yuto より:

    カウンターの質は高く、ソンフンミン、ケインの両者ともニアにぶち込む気持ちのいいお見事なゴールでした。
    特に2点目のケインのゴールでの2人の当たりをものともせずに突破した姿はこれぞプレミアリーグを代表するストライカーの一発だなと心強く見ていられました。
    判定であーだこーだもあるでしょうがスパーズにとって重要な勝ち点3ですね。開幕節はプレミア勢が軒並み好調な結果に終わってホッとしています。

  3. makoto より:

    ホタさん>
    見事な3バックとカウンターサッカーでした。大きな1勝ですね!

    yutoさん>
    ハリー・ケイン、ものすごかったですね。第1節はこの試合がいちばん盛り上がりました。

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