イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ファイナル独占!欧州プレミアリーグ対決を展望!(2)EL決勝・アーセナルVSチェルシー

今季限りで引退するロンドンのレジェンド、ペトル・チェフにとって最高の舞台が整いました。プレミアリーグ勢がファイナルの椅子を独占した今季の欧州ファイナルは、CLがレッズVSスパーズ、ELはアーセナルとチェルシーのビッグロンドンダービーです。プレミアリーグではベルント・レノにポジションを明け渡しながらも、ヨーロッパリーグのゴールマウスに君臨し続けたチェフは、古巣のサポーターとグーナーの前で最後のビッグセーブを披露することになります。来季は母国フランスでプレイすると噂されているオリヴィエ・ジルーもまた、愛するファンに別れを告げる場と決めているかもしれません。来季のCL出場権を賭ける大事な試合に挑むアーセナルに、感傷に浸る余裕はありませんが、両チームのサポーターにとってはハイテンションとせつなさが交互に去来する味わい深いビッグマッチとなるのではないでしょうか。

さて、ここまでの両者の戦績を振り返ってみましょう。プレミアリーグでは苦労したチェルシーは、11勝3分で無敗優勝にリーチ。アーセナルは11勝1分2敗とライバルに劣りますが、戦ってきた相手とスコアを見れば、ノースロンドンを優勝候補筆頭に推したくなります。グループステージは両者とも5勝1分。マルモとディナモ・キエフに連勝してベスト8に進出したチェルシーは、セヴィージャを倒したスラヴィア・プラハにアウェイ0-1、ホーム4-3で6連勝。準決勝で当たったのは、ベンフィカに競り勝ったアイントラハト・フランクフルトでした。長谷部誠が中盤をコントロールするチームはしぶとく、敵地で1-1の後のスタンフォード・ブリッジでも同じスコアで決着がつかず。PK戦でケパが2発止め、何とか決勝に辿り着きました。

片やガナーズは、BATEボリゾフとレンヌにアウェイで敗れ、セカンドレグのホームゲームで逆転。レンヌ戦は1-3の後に3-0というきわどい勝ち抜けでしたが、ベスト8に進出してからが圧巻でした。相手に恵まれたチェルシーに対して、こちらはナポリ、バレンシアといった難敵を押し付けられる格好となりましたが、イタリアのクラブに2-0、0-1で連勝すると、ラ・リーガ5位とのバトルはホームで3-1、アウェイで2-4と文句なしのダブル。EL3連覇という偉業を成し遂げたエメリ監督率いるチームは、直近のプレミアリーグにおける1勝1分4敗という絶不調が嘘のような快進撃でバクーへのチケットを手に入れています。

スタッツを見ると、楽勝が多かったチェルシーが軒並み上回っています。1試合あたりの失点は両者とも0.6、クロス成功率は41%とイーブンですが、ゴール数は32対29、パス成功率は89%対85%。チェフのセービング28回に対してケパは17回と、難敵続きだったアーセナルのほうがより多く失点の危機に晒されています。プレミアリーグの直接対決は、2節のスタンフォード・ブリッジが3-2、23節のエミレーツは2-0といずれもホームチームが勝利。数字では劣勢のアーセナルですが、さほど大きな差はついておらず、青いシャツを優勢とする決め手は見当たりません

これらのデータに、選手たちのコンディションを重ね合わせれば、むしろ厳しいのはチェルシーのほうでしょう。EL4ゴールコンビのハドソン=オドイとロフタス=チーク、全試合出場のクリステンセン、運動量豊富なエンゴロ・カンテとこの大会で貢献度が高かった選手たちが続々と負傷。アザールは未だノーゴールで、10発を叩き込んで得点王レースのトップに立つジルーと好調ペドロに期待するしかありません。プレミアリーグ最終節が終わった後、アメリカでチャリティーマッチという強行スケジュールは、クラブにとってELのプライオリティが高くない証拠でしょう。

対するアーセナルは、CL出場権獲得という明快なミッションがあります。オーバメヤン&ラカゼットというワールドクラスが13発を記録しており、個人力で決められるストライカー2枚体制は、いかにもノックアウトラウンド向き。前人未到の4回めをめざすウナイ・エメリが本気で勝ちにくるなか、エースのテンションが上がらないチームがあっさり押し切られる可能性は充分です。ペトル・チェフが最後のタイトルを獲得するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。今から涙腺が…とその前に、エメリ監督、GKはチェフですよね!?

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ファイナル独占!欧州プレミアリーグ対決を展望!(2)EL決勝・アーセナルVSチェルシー” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    私もチェルシーの状況を鑑みるとガナーズ優勢ではないかと思います。CL権利獲得という目標が大きいですね。チェフの引退マッチに加えELマイスターがいるのも何とも心強い。

  2. えめりんご より:

    更新ありがとうございます。
    ペトルに有終の美を飾らさせてあげたいですね。
    どーでもいいと言えばどーでもいいんですが、アーセナルvsナポリはホーム2-0アウェイ0-1でアーセナルでしたよ。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    引き出しが多い監督ですよね。いいCBを獲ったらどんなサッカーをするのか観てみたいです。

    えめりんごさん>
    ご指摘さりがとうございます。訂正させていただきました。

  4. B より:

    確かにガナーズ優勢感
    しかしこういう時こそブルーズはやってくれ…ないかな?笑

  5. パチ より:

    チェルシーはカンテが戻ってくれば・・・、って感じですね。
    コバチッチは足元ばかりだし、チークもオフザボールの動き良くなってるとはいえ一試合通じてというレベルにはまだないのでカンテいないと動きがなさすぎ。
    ジョルジーニョ・カンテ・チークの中盤を組めればチェルシーにも可能性あるかな・・・と。

コメントを残す