偏愛的プレミアリーグ見聞録

チャンピオンズリーグ2022-23シーズンが、いよいよ開幕。プレミアリーグで好対照のスタートを切ったチェルシーとマンチェスター・シティは、欧州のステージでも明暗が分かれました。

プレミアリーグで3勝1分2敗の6位と波に乗れないチェルシーは、ディナモ・ザグレブの本拠地スタディオン・マクシミールで1-0の敗戦。4勝2分で2位のマンチェスター・シティは、セヴィージャとのアウェイゲームを0-4で圧勝です。

最前線にオーバメヤン、最後方にケパを配したブルーズは、6分にボックス右でパスを受けたオーバメヤンが打たず、グラウンダーをもらったスターリングのシュートはリストフスキーがブロック。8分にスターリングの縦パスで左から抜けたカイ・ハヴェルツのグラウンダーは、オーバメヤンの前を横切っていきました。

ピンチをしのいだザグレブは、13分にカウンターからあっさり先制。自陣ボックス左にいたリュビチッチからのフィードを、ハーフライン手前のペトコヴィッチが頭で落とすと、さらったオリシッチがフォファナとの駆けっこに勝ち、ケパをあざ笑うかのような緩いシュートがゴール右に転がりました。

チェルシーはすかさず反撃。17分のメイソン・マウントの左足ミドルはDFにヒットし、左に流れていきます。29分、オリシッチが縦に蹴ったFKをペトコヴィッチがボックス左でキープ。ニアに走り込んだオリシッチは、右足のワンタッチを浮かしてしまいました。

30分には左からミシッチ、アデミとつながり、右足で打った強烈なミドルはケパがビッグセーブ。42分にはスターリングのクロスが右のオーバメヤンに通りますが、マークしていたペリッチがヘディングのコースを塞ぎました。

45分には左からスターリングがカットイン。強引な突破を止められた後、左からのクロスがオーバメヤンに入るも、トラップをミスしてシュートを打てずに終わりました。前半は0-0。ハーフタイムにツィエクが入り、攻勢に転じたチェルシーは、56分にリストフスキーが放った強烈なミドルで肝を冷やしました。

ケパが弾き、クロスバーにヒットしてゴールならず。59分にオーバメヤンとコヴァチッチが下がり、アルマンド・ブロヤとジョルジーニョが加わりますが、これといったチャンスを創れないまま終盤に突入しました。86分にリース・ジェームズがニアを狙った左足シュートは、ポストを直撃。メイソン・マウントの強烈なボレーは、GKリヴァコヴィッチが素晴らしい反応でストップしました。

痛い敗戦の感想は、「ザグレブの戦術は明快だった」「チェルシーは作り直しの最中」「ケパ、よくやった！」です。中盤から前線に出るボールのクオリティが上がれば、おのずとオンターゲットは増えるのではないでしょうか。実力的には、グループEのなかで頭ひとつ抜けているので、次戦以降の巻き返しに期待しましょう。

一方、マンチェスター・シティは、相変わらずのハーランド＆デブライネショー。プレミアリーグで6戦10発のモンスターと稀代のプレーメイカーは、予告編を流すかのように、序盤からきわどいシーンを作っていました。先制は20分。フォーデンがボックス右に入れた縦パスで、デブライネがフリー。高速クロスを押し込んだスライディングボレーは、見た目よりも難しいプレイです。

デブライネからハーランドのホットラインは、既に5発め。後半開始直後の48分には、デブライネ、ハーランド、デブライネのカウンターで、GKと1対1のチャンスを創りました。プレーメイカーのフィニッシュは、GKブヌが触って左にアウト。新しいコンビは、「ハーランドじゃないほう」がラストパスを出す役割に徹するとうまくいくようです。

2点めが決まったのは58分。ベルナルド・シウヴァのロングフィードを右で受けたフォーデンが、ジョアン・カンセロとのパス交換でボックスに入り、グデリのマークを外して右隅に収めました。3点めは67分、またもハーランド。ドリブルでカウンターを仕掛け、フォーデンに預けた9番は、レフティが右隅を狙ったシュートをGKが左手で弾くと読んでいました。

足を合わせて難なく流し込んだエースは、イメージ通りのゴールに笑いが止まらなかったのではないでしょうか。0-3で追加タイムに入り、ショートコーナーからジョアン・カンセロのグラウンダーをルベン・ディアスが押し込んで終了。4発圧勝、シュート数6対24、オンターゲット1対10は、よく見る「ペップのスタッツ」です。

チェルシーは、次節でザルツブルグに勝てば問題なし。優勝候補のマン・シティの興味は、「いつ首位通過を決めるか」です。やっぱりテンションが上がるチャンピオンズリーグ。開幕節の2日めは、リヴァプールとトッテナムが登場します。