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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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勝負の決め手はトロサールのピンポイントクロス!パリの前線を封じたアーセナルが今季CL初勝利!

重傷の噂もあったカラフィオーリは、左サイドにいます。チャンピオンズリーグ2024-25シーズン、リーグフェイズ2節。初戦のアタランタ戦をゴールレスのドローで終えたアーセナルにとって、パリとのホームゲームは必勝の一戦です。ミケル・アルテタ監督は、プレミアリーグのレスター戦と同じメンバーをピッチに送り出しています。

GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ、MFトーマス、トロサール、デクラン・ライス、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。開始早々に右サイドを攻め立て、ビルドアップから相手の隙を窺うアーセナルは、順調な立ち上がりといえるでしょう。3分のラヤのフィードで裏に抜け、GKドンナルンマと接触したマルティネッリは無事のようです。

5枚のプレスをかいくぐり、マルティネッリ、カラフィオーリ、サカと右につながった8分の速攻は、左足で巻いたサカのミドルがファーポストの外。13分、ドリブルで上がったティンバーが外にいたサカに預けると、ロングクロスはドンナルンマがキャッチしました。4-4-2、4-3-3、4-2-4と形を変えながらコースを切るアーセナルのプレスを受け、パリは突破口を見出せずにいます。

20分に左から上がったのはトロサール。右足で入れたピンポイントのクロスのタイミングは完璧でした。パチョの背後に走り込んだカイ・ハヴェルツはフリーで、ドンナルンマが触る前に頭に当て、左のサイドネットに収めました。25分、縦のスルーパスでラインの裏に出たバルコラは、ボックス左でティンバーをかわそうとしてカットされています。

28分、左サイドにいたヌーノ・メンデスがバルコラとのワンツーでサカをかわし、左足で打ったミドルはファーポストにヒット。2分後、ドゥエの縦パスで右からスプリントしたハキミが、カラフィオーリとの競り合いを制してニアを狙うも、ラヤが体に当ててCKです。守る時間が長くなっているアーセナル。ガブリエウがゴール裏のグーナーを煽っています。

35分に右サイドからFKを蹴ったのはサカ。ファーにいた5人が一斉に動き出し、ニアに入った絶妙なボールにトーマスのボレーが空を切ると、弾道を見失ったドンナルンマは触れず、スタンドから歓喜の叫びが沸き起こりました。パリの反撃を許さず、冷静にゲームをコントロールしたアーセナルは、2-0のままでハーフタイムを迎えています。

アルテタ監督はハーフタイムにティンバーを下げ、キヴィオル。カラフィオーリは右サイドにまわっています。49分にサカとマルティネッリが仕掛けた速攻は、直前のサカのトラップがハンド。52分にサカ、トロサール、カイ・ハヴェルツと右から浮き球でつないだトリッキーなアタックは、中央に入ったマルティネッリの左足ボレーがGKの正面です。

決まるだろうと思っていたトロサールは、打つ瞬間に両手を挙げていたのですが…。58分には、ラヤの素晴らしいフィードを中央で受けたトロサールが、右のサカに展開。前が詰まると、デクラン・ライスからマルティネッリと逆サイドにまわり、11番のクロスがカイ・ハヴェルツに届きました。フリーのヘッダーはヌーノ・メンデスが足に当て、GKがキャッチしています。

64分にトーマスが下がり…おお、ミケル・メリノ!アーセナルでのデビュー戦となった23番は、デクラン・ライスと並んでCBの前のスペースを埋めています。66分のCKで、ニアに入ったジョアン・ネヴェスの右足アウトのボレーは、バウンドしてクロスバーにヒット。波状攻撃から放ったファビアン・ルイスの左足ミドルは、ラヤの頭上を越えていきました。

さらに68分、イ・ガンインが放ったブレ球のロングシュートは、ラヤが何とかセーブ。アルテタ監督の3枚めは74分、トロサールをジェズスです。カイ・ハヴェルツが敵陣で奪い、中央にジェズスに預けたのは75分。混戦となり、こぼれ球を拾ったサカが左のマルティネッリにパスを通すと、決定的な一撃はドンナルンマのビッグセーブに阻まれました。

60分からの猛攻が実らなかったパリは、残り15分を切るとペースダウン。アーセナルはサイドアタックに冷静に対応しており、クロスがシュートにつながる気配はありません。85分のCKで競り勝ったマルキーニョスのヘッドは、クロスバー越え。90分にサカが下がり、ルイス=スケリーがCLデビューを果たしました。

惜しいシーンはセットピースとミドルシュートのみで、ビッグチャンスを創れなかったパリは、ノーゴールでタイムアップとなりました。負け方を物語るスタッツは前線のシュート数で、ドゥエとバルコラは1本も打てず。イ・ガンインはロングシュート1本のみで、プレミアリーグNo.1の堅守を誇るチームが本領を発揮したゲームといえるでしょう。

それにしても素晴らしかったトロサールのピンポイントクロス。カイ・ハヴェルツは触れて、ドンナルンマは届かない唯一のポイントに上げたボールは、蹴るタイミングも速度計算も完璧でした。両チームでNo.1の12.3kmを走破したデクラン・ライスは、パリの攻撃陣にスペースと時間を与えず、守備のタスクが多かったミケル・メリノはまずまずのスタートです。

次節のプレミアリーグのサウサンプトン戦をクリアし、インターナショナルブレイクが明ければ、ウーデゴーアが戻ってきます。キャプテン不在の6試合を4勝2分は、悪くない戦績といっていいでしょう。カラフィオーリとティンバーが左右のサイドで機能し、ミケル・メリノが始動したチームは、これからが真価を発揮する季節です。


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