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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

42年ぶりのリターンマッチは、またも1-0!ジョン・デュランの1発でヴィラがバイエルンを撃破!

劣勢ながら、残り20分まで0-0。42年ぶりに欧州最高峰の大会に復帰したアストン・ヴィラが、1981-82シーズンのチャンピオンズカップ決勝で戦ったバイエルン・ミュンヘンとのリターンマッチに臨んでいます。ビッグイヤーを争った一戦は、1-0でアストン・ヴィラが勝利。決勝ゴールのピーター・ウィズ、トニー・モーリー、ゴードン・コーワンズ、ガリー・ショー…懐かしい名前です。

ヴィラ・パークに集結したサポーターとともに、思わずテンションが上がったのは、ピッチサイドに彼が立っているのを見たときでした。70分にオリー・ワトキンスと代わったのは、ジョン・デュラン。2023年1月にシカゴ・ファイヤーから移籍してきた20歳のストライカーは、アーリング・ハーランドをしのぐゴール率を誇るスーパーサブです。

昨季プレミアリーグの23試合5ゴールという数字は一見、凡庸です。しかし、絶対的エースのオリー・ワトキンスが君臨しているチームで、先発出場が3回しかなく、5発のうち4つは途中出場であることを押さえておかなければなりません。90分あたりのゴール数は0.97で、0.95のハーランドをかわしてリーグ1位。2024-25シーズンも脅威のオプションとして、異彩を放っています。

これまでの6戦は全試合出場ですが、いずれも出番は残り30分を切ってから。ウェストハム、レスター、エヴァートン、ウルヴスと4試合でゴールを決めており、90分あたりの2.29は、既に10ゴールのハーランドの1.67を大きく上回っています。エヴァートン戦の66分に放ったスーパーミドルは、今季プレミアリーグのゴール・オブ・ザ・シーズンに選ばれるのではないでしょうか。

ウナイ・エメリ監督は、バイエルンの猛攻に耐えている時間帯の交代を避けたのかもしれません。彼の登場は、いつもより遅めでした。チャントのボリュームが上がるヴィラ・パーク。モーガン・ロジャースとともに最前線でパスコースを消していた9番は、エミ・マルティネスのロングフィードで競り勝ったファーストタッチで、フィロジーンのサイドアタックを生み出しました。

76分の2度めの競り合いも勝利。チャンスが巡ってきたのは、78分でした。右からのFKをキャッチしたエミ・マルティネスが左のパウ・トーレスに渡すと、低い弾道のロングフィードがラインの裏に入りました。ボックスから飛び出そうとしたノイアーは踏み止まり、すぐに戻ろうとしたのですが、今でも刹那の判断ミスを悔いているのではないでしょうか。

左に流れたジョン・デュランにはウパメカノが着いており、ニアに打てばノイアーにセーブされていたはずです。コースはGKの頭上のみ。まさかダイレクトでノイアーが挙げた手の先を越すとは…!絶叫するヴィラサポーターは、「Who Are Ya?」の大合唱。スタンドがひとつになった感動的なチャントに、涙腺が緩んでしまいます。

1-0のまま、追加タイムは4分。もうひとりのヒーローは、前半のマイケル・オリースのミドルをビッグセーブでしのいだエミ・マルティネスでした。91分にムシアラが斜めに通した絶妙なスルーパスで、ゴール前に飛び出したサネのタッチを体を張ってブロック。直後、バイエルンがスピーディーなビルドアップから攻めようとすると…。

チームメートに落ち着けと指示していたGKは、突如ハムストリングを押さえてピッチに座り込みました。これぞ、マン・シティVSアーセナルで話題になったダークアート。ゴールキックをゆっくり蹴って時間を遣ったダヴィド・ラヤは狡猾でしたが、ヴィラの守護神はあからさまで、世界中からツッコミが入りそうです。

最後のハイライトは、追加タイムを消化した95分。ショートコーナーからキミッヒがクロスを入れると、シュート1本に抑えられていたハリー・ケインの渾身のヘッダーも、エミ・マルティネスが右に飛んで外に弾き出しました。プレミアリーグ屈指のショットストッパーは、7本のオンターゲットに完璧に対応し、42年前のロッテルダムと同じ1-0の立役者となりました。

バイエルンがCLのグループステージで敗れたのは7年ぶり。2017年9月27日、3-0の完敗はパルク・デ・プランスで、当時のパリの指揮官はウナイ・エメリでした。プレミアリーグの古豪を復活させてドイツの名門を返り討ちにした監督、クラブの歴史に残るあの日の興奮を再現した20歳のストライカー、ビッグセーブ連発でチームを救った守護神に拍手です。素晴らしい!


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