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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

バイエルン戦に続いてジョン・デュラン!ボローニャに勝ったアストン・ヴィラは、ついに暫定首位!

プレミアリーグは5勝2分1敗で、首位リヴァプールに4ポイント差の4位。カラバオカップはウィコムに勝ち、4回戦でクリスタル・パレスと戦います。チャンピオンズリーグはヤングボーイズに3発快勝の後、バイエルンを1-0で下す快挙を成し遂げました。公式戦8勝2分1敗のアストン・ヴィラは順風満帆。CLの3戦めは、ボローニャとのホームゲームです。

ウナイ・エメリ監督の4-2-3-1、あるいは3-2-5の布陣をチェックしておきましょう。GKエミリアーノ・マルティネス、最終ラインはコンサ、ジエゴ・カルロス、パウ・トーレス、マートセン、中盤センターはティーレマンスとオナナ、2列めにマッギン、モーガン・ロジャース、レオン・ベイリー、最前線はバイエルン戦で決勝ゴールのジョン・デュランです。

エメリのフォーメーションは左右不均衡で、プレミアリーグではディーニュがウイングのように左サイドで前線に張り出し、右SBのコンサは3バックのように中に絞っています。指揮官のマートセン起用は、単なるターンオーバーではなく、必死の努力で戦術を体現したディーニュの後継者を育てたいのでしょう。

相手によってはストライカー、2列め、左のフルバックが前線に並んで5トップのようになるヴィラは、ボローニャの速攻を警戒して4-4-2で対応しています。しかし7分、左のエンドイェにサイドチェンジが通り、カットインからボックスにスルーパスが入ると、中央から流れてきたダリンガがフリー。左足の決定的な一撃は、エミ・マルティネスのビッグセーブに阻まれました。

さらに11分、最終ラインからの縦のフィードで抜け出したオルソリーニのシュートは、プレミアリーグ屈指のショットストッパーががっちりキャッチ。ヴィラの最初の決定機は21分、左からのCKを叩いたジョン・デュランの鋭いヘッダーは、GKスコルプスキが触れるコースに飛んでしまいました。2分後、左からドリブルで仕掛けたマートセンの脇にいたのはマッギンです。

右足のコントロールショットは、GKがキャッチ。27分、左サイドのレオン・ベイリーがやらかしたミスパスは、ゴール前に流れる危険なボールでしたが、ダリンガのダイレクトショットはGKの正面です。33分、クロスのクリアをボックスの外で叩いたティーレマンスのボレーは、ルクミがブロック。45分のモーガン・ロジャースの鋭いミドルは、右ポストの脇を抜けていきました。

追加タイム1分、速攻からレオン・ベイリーのパスを中央で受けたモーガン・ロジャースは、右に進路を変えてひとりかわし、スコルプスキと1対1。右足のフィニッシュはGKが足でブロックし、ハーフタイムを0-0で迎えています。ポゼッション63%、シュート9対5と主導権を握っていたヴィラは、後半に入ってもゲームをコントロールしています。

47分のFKからボックスで競り合いとなり、こぼれたボールにレオン・ベイリーが右足を振り抜くと、惜しくも左ポストの外。ヴィラが先制したのは55分でした。右サイドでFKを蹴ったのは、ジョン・マッギン。中央で先に触ろうとした選手たちの頭上を越えたボールは、GKの手前でバウンドし、そのまま左のサイドネットに吸い込まれました。

セーブできなかったスコルプスキは怒りを隠せず、ボールを思い切り蹴り上げています。勝負を決する追加点は64分。ジエゴ・カルロスがラインの裏に出したボールをモーガン・ロジャースがトラップミスしたときは、何でもないシーンに見えたのですが…。拾いにいったトップ下はボックス左でキープし、意を決したように中央のジョン・デュランの足元に出しました。

ストライカーに着いていたルクミは、想定外のシュートで足元を抜かれ、がっくりと膝を落としています。完璧だった左足のスライディングボレーは、バイエルン戦に続くCL2発め。公式戦12試合7ゴールで、途中出場で5ゴールを決めている20歳の点取り屋は、ビッグ6でもエースとして結果を残せるのではないでしょうか。

この日のヴィラは安全重視で、マートセンの戻りの速さも印象的でした。2-0となってからタイムアップまでの決定的なシュートは、86分のCKからポストに当てたベウケマのヘッダーのみ。2点のリードをキープしたヴィラは、3連勝で暫定TOPに躍り出ました。「BBC」のニール・ジョンストン記者は、「magical Champions League journey」という表現で快挙を称えています。

ゴールゲッター、快足ウイング、ドリブラー、テクニシャン…今のヴィラは、「多様性」という言葉がぴったりのタレント集団です。中盤センターも、フィジカルに立てた守備的MF、堅実なパサー、攻め上がりを武器とする馬車馬、前線を動かすプレーメイカーが揃っており、相手を見ながら戦い方を変えることができます。

スティーヴン・ジェラードの解任からちょうど2年。たった1日かもしれませんが、アストン・ヴィラはチャンピオンズリーグに参加する32チームの頂点に立っています。今後の対戦相手は、クラブ・ブルッヘ、ユヴェントス、ライプツィヒ、モナコ、セルティック。イタリアの名門に勝てれば、ストレートインでノックアウトラウンドに進出できるのではないかと期待してしまいます。

タイロン・ミングスとブバカル・カマラが復帰し、34歳のGKロビン・オルセン以外は全員がプレイできる状態です。プレミアリーグのTOP4とCLの上位進出をめざす古豪は、サポーターの一生の思い出となる旅路の途中にいるのではないでしょうか。プレミアリーグはボーンマス、トッテナム、リヴァプールと厳しい相手が続きますが、臆せず戦ってもらえればと思います。


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