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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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アルメニアのクラブに8発圧勝!明らかに場違いなチェルシーは、ECLを本気で獲りにいくのか?

ヘントに4-2、パナシナイコスに1-4。ヨーロッパカンファレンスリーグで猛威を振るうチェルシーは、アルメニアのFCノアに8-0で圧勝しました。前半で6発は、ホラーを越えてコメディ。さらに後半の2発は、コメディを突き抜けて哀しみを感じさせる展開でした。「ナゼ、ワタシタチハ、ココデタタカワナケレバナラナイノダ?」。さっそく、怒涛の8発を追いかけてみましょう。

最前線にマルク・ギウ、その後ろにムドリク、ジョアン・フェリックス、エンクンク、タイリーク・ジョージ。18歳が2人もいる前線は、タイリーク・ジョージ以外の全員が決めています。ゴールショーの幕開けは12分、右からのCK。中央で体を屈めて頭に当て、左隅にコントロールしたのはアダラビオヨでした。

1-0のキックオフから10秒も経たないうちに、勝負を決する2点めが決まります。ビルドアップのミスパスをさらい、GKの前で右に流し込んだのはマルク・ギウ。初めての先発だった18歳は、チェルシーでの初ゴールです。3点めは18分、またも右からのCK。ディサシのヘッダーは、入ったエリアも体勢もコースも6分前のトシンと同じで、突如リプレーが流されたのかと思いました。

さらに21分、ビルドアップでドリブルを始めたCBゴンサロ・シウヴァから、マルク・ギウがスライディングで奪い、エンソ・フェルナンデスの縦のスルーパスが左から上がったジョアン・フェリックスへ。GKと1対1になった14番は、足元に飛び込んできたタイミングで軽く浮かし、緩いボールがネットに転がり込みました。

39分には、右サイドをスプリントしたエンクンクがボックス手前のムドリクにパスを送り、右足のコントロールショットが右隅に決まって5-0。呆然として空を見上げるGKオグニェン・チャンチャレヴィッチは、足をつりそうになっているようです。41分の6点めは、自陣ボックスの前で奪ったトシンが、ドリブルでバイタルエリアまで持ち込んだカウンターでした。

左でパスをもらったジョアン・フェリックスが、ゴンサロ・シウヴァをあっさりかわして右足一閃。マルク・ギウとエンソ・フェルナンデスはハーフタイムでお役御免となり、デューズバリー=ホールとカザデイがピッチに入っています。後半のチェルシーは攻め疲れたわけではなく、ポゼッション63%とシュート16本は前半を上回っています。

2点に留まったのは、開き直ったアウェイチームがイージーなミスをしなくなったからです。エンクンクが7点めを決めたのは68分。前線で縦パスを受けたデューズバリー=ホールがジョアン・フェリックスに預けると、左から中央に入ってきたエンクンクに絶妙なラストパスが通り、GKと1対1からの最初のシュートはセーブされるも、浮いたボールを右足のボレーで押し込みました。

最後のゴールは76分。GKが弾いたボールに突っ込んだデューズバリー=ホールが転倒し、VARで得たPKです。ど真ん中に思い切り蹴ったエンクンクは、プレミアリーグは9試合1ゴールですが、ECLとカラバオカップを足すと7試合9ゴール。ニコラス・ジャクソンが離脱しても、彼とコール・パルマー、ジョアン・フェリックスがいれば問題ないでしょう。

今後の3試合は、ハイデンハイム、アスタナ、シャムロック・ローヴァーズ。最大の懸念はアスタナで、年末のタイトなスケジュールのなかでのカザフスタン遠征です。とはいえ、選手層が厚いチェルシーは、サブの選手のコンディショニングと若手の成長を促す場として有効活用できるものと思われます。

むしろ問題は、年明けのノックアウトラウンドなのかもしれません。プレミアリーグとFAカップで激戦を続けるなかで、「史上初となる国内・欧州の全タイトル制覇」はモチベーションになりえるのでしょうか。今の彼らのレベルなら、明らかに場違いなECLは「誇らしき欧州のステージ」か、あるいは「哀しき罰ゲーム」か。タイトルを獲ってほしいとは思うのですが…。


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