2024.12.14 チャンピオンズリーグ2024-25チャンピオンズリーグ
「緊張感がない」「突破条件が緩い」と不評のCLとEL。新システムで恩恵を受けたクラブとは…?
悪戦苦闘のプレミアリーグで、必死のチャントを続けるグーナーのみなさんは、2ヵ月半前のパリ戦の完勝を覚えているでしょうか。リヴァプールのサポーターたちは、アンフィールドのレアル・マドリード戦の感想を求められたら、スラスラ答えられるでしょうか。アストン・ヴィラがバイエルンに勝ったといわれても、ずいぶん昔の話のように感じる方もいるでしょう。
チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのリーグフェイズは、6節が終了しました。プレミアリーグを愛する者として、6チーム中5チームがTOP8に残れそうな現状は、喜ばしい限りです。欧州で唯一全勝のリヴァプールは、ノックアウトラウンドのストレートインがほぼ確定で、年明けのリール戦とPSV戦は若手に経験を積ませる場として使えます。
4勝1分1敗のアーセナルは3位、同じ戦績ながら得失点差で劣るアストン・ヴィラは5位。ライバルたちの残り試合を見ると、ブレストとリールはレアル・マドリードとリヴァプールが待っており、レヴァークーゼンはアトレティコ・マドリードとの直接対決があります。7節でアーセナルがザグレブを下し、ヴィラがモナコで勝てば、プレーオフをスキップできそうです。
ヨーロッパリーグのマンチェスター・ユナイテッドは7位、トッテナムは9位と微妙なポジションですが、最後の2つはちゃんとやれば勝てそうな相手です。マン・ユナイテッドはレンジャースとFCSB。不振のスパーズでも、26位のホッフェンハイムと24位のエルフスボリなら連勝を狙えるでしょう。サポーターたちは、前後のプレミアリーグのほうが気になるのではないでしょうか。
リヴァプール、アーセナル、アストン・ヴィラが欧州の強豪を撃破した試合は、それぞれ盛り上がったのですが、今までのCLより印象が弱いのは、倒した相手と順位を争っているわけではないからでしょう。「アスレティック」のロリー・スミス記者は、緊張感がない試合が増えただけと嘆いています。
「CLの無秩序な新フォーマットは、絶え間なく流れていく試合と曖昧な境界線、簡単に増やせる空白のページなどによって、最もリスペクトされているクラブの戦いを貧弱なニセモノの大会に変えてしまった。マンチェスター・シティはインテルやフェイエノールトとホームで引き分け、スポルティングCPやユヴェントスに敗れたのに、リーグフェイズ突破の可能性は充分にある」
そうなんです。マン・シティがパリとクラブ・ブルッヘの2試合をドローで終えれば、「28位のスパルタ・プラハと35位のスロヴァンに勝っただけでプレーオフ進出」となる可能性があるのです。5ヵ月で8試合をこなす長丁場なのに、よほど負け続けなければ次に進める緩い条件のラウンドは、労力に対して勝者が得られる果実が少ないといわざるをえません。
現在のCLの順位テーブルは、3層に分かれています。14位までは欧州5大リーグが独占。15位以下はポルトガル、オランダ、ベルギーなどの強豪クラブと不振の名門クラブ。27位からは、1勝以下のアウトサイダーです。上位のクラブには「盛り上がらない試合が増えた」「スケジュールがきつい」と不評の新システムですが、中小国のクラブの視点で見るとよりエキサイティングです。
スポルティングCPに2-1で競り勝ち、3勝2分1敗で19位に浮上したクラブ・ブルッヘの選手とサポーターは、ビッグイヤーを獲得したかのような熱狂に包まれていました。2000年以降、20回連続でグループステージ敗退だったディナモ・ザグレブは、突破圏内の24位で踏ん張っています。1階と2階の間にできたプレーオフという名のロフトは、彼らの誇りになりえる空間です。
参加クラブの増加によるレベルダウンと、直接対決がないクラブが順位を争う違和感を拭えないレギュレーション。負傷者が多いクラブのサポーターは、勝敗よりピッチに転がる選手に気を取られてしまうこともあるでしょう。何かと微妙なCLとELですが、欧州主要リーグに苦しめられてきた中小国の名門クラブと、マッチデー収入が増えるオーナーは大歓迎でしょう。
今季からのレギュレーション変更で、もうひとつ発見がありました。プレミアリーグのクラブにとって木曜日開催のヨーロッパリーグは、格下が相手となることが多いとはいえ、主力の大半を休ませる大胆なターンオーバーはしにくい大会です。ELで目いっぱい戦った後、週末のプレミアリーグで負けると、「木曜日の罰ゲームの影響」と揶揄されることもありました。
まあまあ強いチームと戦うELは負担になりますが、ヨーロッパカンファレンスリーグまでレベルが下がると、「若手の経験値UPとサブのガス抜きができる最高の環境」に激変するようです。今季のチェルシーは、アリに囲まれた場違いな象。充実度が高すぎるスカッドを率いるマレスカ監督は、就任初年度のチーム構築を支援してくれる極上のインフラを手に入れたように見えます。
ECLにおけるチェルシーのゴールランキングをチェックしてみましょう、プレミアリーグで出番が少ないエンクンクが5ゴール、入団以来フィット感がなかったムドリクが3ゴール、18歳のマルク・ギウも3ゴール。新進気鋭のレナト・ヴェイガと本領を発揮できていないジョアン・フェリックスが2ゴールで、新戦力のデューズバリー=ホールとアダラビオヨも決めています。
チャンピオンシップやリーグ1のクラブがガツガツ体を当ててくるカラバオカップより、こちらのほうが戦いやすそうです。カザフスタンへの長距離移動を気にする人には、「ペドロ・ネト以外の主力は全員、ロンドンで休んでました」と伝えてあげましょう。ECLのリーグフェイズは6試合で終わりですが、今のチェルシーなら2試合増えてもOKでしょう。
モヤモヤ感がある欧州も、ノックアウトラウンドからは無心に楽しめるはずです。それまでガマン…いや、CL7節のパリVSマン・シティは、22位と25位の残留バトル。パリが負けて、26位のシュツットガルトがスロヴァンに勝てば、最終節のシュツットガルトVSパリは負けたらアウトのマジバトルになる可能性があります。こういうのがおもしろいんですよね、グループステージは!
チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのリーグフェイズは、6節が終了しました。プレミアリーグを愛する者として、6チーム中5チームがTOP8に残れそうな現状は、喜ばしい限りです。欧州で唯一全勝のリヴァプールは、ノックアウトラウンドのストレートインがほぼ確定で、年明けのリール戦とPSV戦は若手に経験を積ませる場として使えます。
4勝1分1敗のアーセナルは3位、同じ戦績ながら得失点差で劣るアストン・ヴィラは5位。ライバルたちの残り試合を見ると、ブレストとリールはレアル・マドリードとリヴァプールが待っており、レヴァークーゼンはアトレティコ・マドリードとの直接対決があります。7節でアーセナルがザグレブを下し、ヴィラがモナコで勝てば、プレーオフをスキップできそうです。
ヨーロッパリーグのマンチェスター・ユナイテッドは7位、トッテナムは9位と微妙なポジションですが、最後の2つはちゃんとやれば勝てそうな相手です。マン・ユナイテッドはレンジャースとFCSB。不振のスパーズでも、26位のホッフェンハイムと24位のエルフスボリなら連勝を狙えるでしょう。サポーターたちは、前後のプレミアリーグのほうが気になるのではないでしょうか。
リヴァプール、アーセナル、アストン・ヴィラが欧州の強豪を撃破した試合は、それぞれ盛り上がったのですが、今までのCLより印象が弱いのは、倒した相手と順位を争っているわけではないからでしょう。「アスレティック」のロリー・スミス記者は、緊張感がない試合が増えただけと嘆いています。
「CLの無秩序な新フォーマットは、絶え間なく流れていく試合と曖昧な境界線、簡単に増やせる空白のページなどによって、最もリスペクトされているクラブの戦いを貧弱なニセモノの大会に変えてしまった。マンチェスター・シティはインテルやフェイエノールトとホームで引き分け、スポルティングCPやユヴェントスに敗れたのに、リーグフェイズ突破の可能性は充分にある」
そうなんです。マン・シティがパリとクラブ・ブルッヘの2試合をドローで終えれば、「28位のスパルタ・プラハと35位のスロヴァンに勝っただけでプレーオフ進出」となる可能性があるのです。5ヵ月で8試合をこなす長丁場なのに、よほど負け続けなければ次に進める緩い条件のラウンドは、労力に対して勝者が得られる果実が少ないといわざるをえません。
現在のCLの順位テーブルは、3層に分かれています。14位までは欧州5大リーグが独占。15位以下はポルトガル、オランダ、ベルギーなどの強豪クラブと不振の名門クラブ。27位からは、1勝以下のアウトサイダーです。上位のクラブには「盛り上がらない試合が増えた」「スケジュールがきつい」と不評の新システムですが、中小国のクラブの視点で見るとよりエキサイティングです。
スポルティングCPに2-1で競り勝ち、3勝2分1敗で19位に浮上したクラブ・ブルッヘの選手とサポーターは、ビッグイヤーを獲得したかのような熱狂に包まれていました。2000年以降、20回連続でグループステージ敗退だったディナモ・ザグレブは、突破圏内の24位で踏ん張っています。1階と2階の間にできたプレーオフという名のロフトは、彼らの誇りになりえる空間です。
参加クラブの増加によるレベルダウンと、直接対決がないクラブが順位を争う違和感を拭えないレギュレーション。負傷者が多いクラブのサポーターは、勝敗よりピッチに転がる選手に気を取られてしまうこともあるでしょう。何かと微妙なCLとELですが、欧州主要リーグに苦しめられてきた中小国の名門クラブと、マッチデー収入が増えるオーナーは大歓迎でしょう。
今季からのレギュレーション変更で、もうひとつ発見がありました。プレミアリーグのクラブにとって木曜日開催のヨーロッパリーグは、格下が相手となることが多いとはいえ、主力の大半を休ませる大胆なターンオーバーはしにくい大会です。ELで目いっぱい戦った後、週末のプレミアリーグで負けると、「木曜日の罰ゲームの影響」と揶揄されることもありました。
まあまあ強いチームと戦うELは負担になりますが、ヨーロッパカンファレンスリーグまでレベルが下がると、「若手の経験値UPとサブのガス抜きができる最高の環境」に激変するようです。今季のチェルシーは、アリに囲まれた場違いな象。充実度が高すぎるスカッドを率いるマレスカ監督は、就任初年度のチーム構築を支援してくれる極上のインフラを手に入れたように見えます。
ECLにおけるチェルシーのゴールランキングをチェックしてみましょう、プレミアリーグで出番が少ないエンクンクが5ゴール、入団以来フィット感がなかったムドリクが3ゴール、18歳のマルク・ギウも3ゴール。新進気鋭のレナト・ヴェイガと本領を発揮できていないジョアン・フェリックスが2ゴールで、新戦力のデューズバリー=ホールとアダラビオヨも決めています。
チャンピオンシップやリーグ1のクラブがガツガツ体を当ててくるカラバオカップより、こちらのほうが戦いやすそうです。カザフスタンへの長距離移動を気にする人には、「ペドロ・ネト以外の主力は全員、ロンドンで休んでました」と伝えてあげましょう。ECLのリーグフェイズは6試合で終わりですが、今のチェルシーなら2試合増えてもOKでしょう。
モヤモヤ感がある欧州も、ノックアウトラウンドからは無心に楽しめるはずです。それまでガマン…いや、CL7節のパリVSマン・シティは、22位と25位の残留バトル。パリが負けて、26位のシュツットガルトがスロヴァンに勝てば、最終節のシュツットガルトVSパリは負けたらアウトのマジバトルになる可能性があります。こういうのがおもしろいんですよね、グループステージは!
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