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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

なぜ、あそこで代えたのか?2点リードから逆転されたマン・シティは、敗退ゾーンの25位に転落!

レアル・マドリードは22位、マンチェスター・シティは24位、パリ・サンジェルマンは26位。欧州主要リーグの王者が、リーグフェイズで敗退の危機に陥っています。6月のロンドンでドルトムントを下し、無敗のまま15回めのビッグイヤーを獲得した前年の覇者は、リール、ミラン、リヴァプールに敗れて3勝3敗。残り2試合を連敗すれば、2月を待たずにジ・エンドです。

アブダビとカタールの莫大な資産に支えられたクラブは、いずれも2勝に留まっています。最初の3試合を2勝1分で終えたマンチェスター・シティは、10月に突然崩れ、スポルティングCPに4‐1で完敗。3‐0で勝っていたフェイエノールト戦は、残り15分から追いつかれてしまい、ユヴェントス戦を2‐0で落としてしまいました。

最も厳しい状況に置かれているのはパリで、1勝1敗でも残れない可能性があります。チャンピオンズリーグのリニューアルについて、「ビッグクラブ同士の対戦が増えて競争が激化し、よりエキサイティングになる」と全面的に支持していたナセル・アル・ケライフィ会長は、8月に行われた組み合わせ抽選の会場で、唖然とした表情を撮られています。

自分たちだけが、アーセナル、マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘン、アトレティコ・マドリードという厳しいドローを強いられるとは思っていなかったのでしょう。リーグフェイズだけを切り取れば、興行的には成功ですが、ノックアウトフェイズに辿り着けなければトータルで減収減益になってしまいます。

アウェイのアーセナル戦を2‐0で落とした後、ホームのアトレティコ・マドリード戦は93分の失点で1‐2の敗戦。ミュンヘンではキム・ミンジェに唯一のゴールを決められ、敗退ゾーンの25位をキープ。ジローナとザルツブルグに勝っただけでは、サポーターは納得しないでしょう。7節は24位のマン・シティ、最後は21位のシュツットガルトと、いずれも残留争いの直接対決です。

ペップのチームをパリに招いた注目の一戦の前に、28位のシャフタール・ドネツクが2‐0でブレストを下しました。敗れたチームにとっては、彼らもライバルになる可能性があります。激しい雨が降りしきるパルク・デ・プランスで、前半の主導権を握ったのはホームチームでしたが、0‐0で後半に入ると別なゲームになりました。

右サイドにいたフォーデンが、アカンジに縦パスを通したのは49分。ドリブルでボックス右を崩したCBがニアに折り返し、ベルナルド・シウヴァのシュートをドンナルンマが弾くと、中央にいたグリーリッシュが右足を振り抜いてネットに突き刺しました。リコ・ルイスとともにハーフタイムに入ったばかりだった10番は、今季公式戦で2ゴールめです。

さらに52分、ボックス左でキープしたグリーリッシュのグラウンダーがヴィティーニャに当たり、右のポスト際にいたハーランドの足元に転がりました。ストライカーは、左足で蹴ればOK。今までのマン・シティなら、「勝負を決する追加点」といえたのですが、この展開はドローに持ち込まれたフェイエノールト戦やブレントフォード戦を思い出してしまいます。

2点を先行されたパリは、3分後に1点差に戻しました。左サイドでマテウス・ヌネスを抜き去ったバルコラが、ボックスに持ち込んで中央のウスマン・デンベレにグラウンダー。グヴァルディオルもリコ・ルイスも、ストライカーがもらえる位置で足を止めたのに気づいておらず、フリーの左足シュートがあっさり決まりました。こちらの10番も、ハーフタイムからの出場です。

同点ゴールは4分後、左からのドゥエのコントロールショットがバーにヒットし、落ちてきたボールをバルコラがダイレクトで左隅へ。後半開始5分からの10分で4発という乱打戦は、78分に均衡が崩れました。ペップはなぜ、相手のFKのタイミングで、右SBのマテウス・ヌネスをジョン・ストーンズに代えたのでしょうか。

ヴィティーニャが右からファーに入れたボールは、マテウス・ヌネスの持ち場だったはずのエリアに落下しました。ゴール前に下がった4人は誰も触れず、バウンドしたボールをジョアン・ネヴェスがダイビングヘッド。3‐2となってからも下がらなかったパリは、タイムアップ間際の93分に、空中戦でグヴァルディオルが触ったボールをゴンサロ・ラモスが拾って右隅に収めました。

長時間のVARでオフサイドが取り消され、4‐2となった瞬間にサポーターが絶叫。後半だけでシュート18本を浴びたマン・シティは、守備が機能不全に陥っていました。幸運の連発の後、必然の4発。25位に転落したのは、プレミアリーグ王者のほうでした。とはいえ、パリも最終節はドロー以上が必須で、負ければベンフィカ、スポルティングCP、マン・シティの結果次第となります。

ペップの条件はシンプル。クラブ・ブルッヘに勝てばプレーオプ進出決定で、ドローか敗戦ならアウトです。アストン・ヴィラとユーヴェをノーゴールに抑えたベルギーのクラブは、公式戦で15試合連続無敗を続けており、この間だけで37ゴールをゲットしています。守備を改善できなければ、リーグフェイズ敗退という想定外の結果で終わってしまいそうです。

ボクシングデー以降は4勝2分と改善途上に見えたクラブは、ショッキングな敗戦を引きずることなく、週末のプレミアリーグで…なるほど、クラブ・ブルッヘの前後はチェルシーとアーセナルですね。3連勝ならトレブルの希望がつながり、3連敗ならビッグタイトルをすべて失う可能性が高まる大事な3連戦。予断を排して、ペップの用兵と采配を見続けたいと思います。


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