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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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追いつかれた瞬間、ペップが見せた敗者の表情。最終盤の大逆転で、マン・シティはホームで敗戦!

レイトン・オリエントとのFAカップで大苦戦のマンチェスター・シティと、サンティアゴ・ベルナベウでアトレティコ・マドリードとドローのレアル・マドリード。両者ともに、自信満々のキックオフとはいえなかったのではないでしょうか。チャンピオンズリーグのプレーオフのファーストレグは、シティ・オブ・マンチェスター。ペップの布陣は、いつもと違います。

ナタン・アケ、ルイス・ディアス、ジョン・ストーンズの共存は、イングランド代表がアンカーか。ギュンドアンとコヴァチッチはベンチで、ベルナルド・シウヴァ、デブライネ、ジャック・グリーリッシュと「トレブルを知るメンバー」が前線で起用されています。右サイドはサヴィーニョ、最前線はハーランド。開始3分のセットピースは、シュートに至りませんでした。

対するアンチェロッティ監督は、負傷者続出の最終ラインと前線の守備が課題となっています。ムベッペ、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴの同時起用は、ベリンガムやカマヴィンガの負担が増えるケースが多く、この試合も守備が重要なテーマとなりそうです。アウェイチームの最初の決定機は11分。ヴィニシウス・ジュニオールが右に出したスルーパスは完璧でした。

ボックス右を突破したムバッペのシュートは、エデルソンが右に反応してセーブ。1分後、ロドリゴが左に出した絶妙なスルーパスがフェルラン・メンディに通り、ヴィニシウスとのパス交換でエデルソンをかわしたチャンスは、フェルラン・メンディの右足のシュートにナタン・アケが飛び込んでCKに逃れました。

デブライネが自陣で奪われた14分のピンチは、ドリブルで中央から斬り込んだヴィニシウスをアカンジとナタン・アケで挟んでつぶしています。マンチェスター・シティの先制は19分。グヴァルディオルが左に流れたハーランドにロングフィードを通すと、落としを受けたグリーリッシュがボックス左に浮き球を入れました。

胸で落としたのは、自陣からスプリントしてきたグヴァルディオル。その外にいたハーランドの左足ボレーに、クルトワは触れませんでした。25分にヴィニシウス・ジュニオールが左から放ったコントロールショットは、クロスバーにヒット。右からのCKのこぼれ球を拾って、2人を抜き去ったロドリゴの左足シュートは、アカンジがコースに入ってブロックしています。

29分のダニ・セバージョスのミドルは、クロスバー越え。直後、グリーリッシュがピッチにしゃがみ込んでしまい、フォーデンが呼ばれました。ピッチを離れた10番は股関節を押さえており、しばらく戦線を離脱することになるかもしれません。ナタン・アケのサイドチェンジが右のフォーデンに通ったのは35分。カットインからの強烈な一撃は、クルトワがセーブしました。

37分、左からのCKに先着したアカンジのバックヘッドはバーを直撃。43分のバルベルデのミドルはバーを越え、追加タイム2分のムバッペのシュートはナタン・アケが足に当てています。2分後、ボックス右手前のロドリゴが逆サイドに転がすと、ムバッペはフリー。しかし右足で巻いた一撃は、浮いてしまいました。

前半は1‐0ですが、シュートは6対9。マン・シティは、守りに入らないほうがいいでしょう。ハーフタイムにアカンジが下がり、リコ・ルイス。後半開始直後、デブライネのパスを受けたハーランドのシュートは、クロスバーに阻まれました。レアル・マドリードのプレスは4‐2‐2‐2。中盤のジョン・ストーンズとリコ・ルイスは、ラインの間に入って受ける動きを求められています。

53分、左から仕掛けたヴィニシウスがリコ・ルイスをかわして折り返すと、ベリンガムのヘッドは右にアウト。55分には、右から上がったロドリゴのグラウンダーがニアのムバッペに通り、ダイレクトショットが右隅を襲いますが、エデルソンが冷静に対応してリードを守りました。このままロドリゴとヴィニシウスを自由にさせれば、いずれ逆転されてしまうでしょう。

同点ゴールは60分。FKからのバルベルデのシュートが壁に当たり、拾ったダニ・セバージョスがラインの裏に浮かすと、走り込んだムバッペのミスタッチが右隅に落ちる幸運なゴールとなりました。1‐1となった直後、ナタン・アケに代えてコヴァチッチ。65分にバルベルデのアーリークロスでエデルソンと1対1になったベリンガムは、左足のシュートを足で止められています。

劣勢だったマン・シティが勝ち越したのは80分。リコ・ルイスのパスを右で受けたフォーデンが中に斬り込み、ボックスに入った瞬間、ダニ・セバージョスに膝をぶつけられてPKとなりました。左隅に収めたハーランドは、今季のチャンピオンズリーグで9戦8発です。残り5分までは2‐1。さすがに、逆転負けはないと思っていたのですが…。

86分の自陣でのボールロストは、エデルソンのミスキックがきっかけでした。ベリンガムのパスを右で受けたブラヒム・ディアスは、2分前に入ったばかり。縦パスをダイレクトで叩いたヴィニシウスの一撃をエデルソンが前に弾くと、詰めたブラヒム・ディアスが右足のボレーをファーのサイドネットに決めました。マン・シティから移籍したFWは、25歳になっています。

ベンチの指揮官があれほど意気消沈していれば、選手たちの士気は下がるでしょう。89分には、ジョン・ストーンズが右に出したボールをベリンガムがカット。ベルナルド・シウヴァの背後からのプッシュに笛は鳴らず、何とか奪い返しました。これは、負けるかもしれない…そう思った矢先に、コヴァチッチのバックパスミスをヴィニシウスに奪われてしまいました。

エデルソンの前に躍り出た7番は無理をせず、並走していたベリンガムがジョン・ストーンズに競り勝てるエリアに浮かしました。右足でプッシュしたボールが無人のゴールに転がり、2‐3。間もなくタイムアップのホイッスル、シティ・オブ・マンチェスターは沈黙しています。自陣でミスを繰り返し、8回も決定機を許したチームの敗戦は必然だったと受け止めるべきでしょう。

今季のチャンピオンズリーグの9試合で、残り15分から9失点。これほどナーバスなチームが、サンティアゴ・ベルナベウで勝てるとは思えません。やはり気になるのは、追いつかれただけで敗者の顔を見せる指揮官です。5月までは、あの状況からでも再度勝ち越せるチームだったはずです。週末のプレミアリーグはニューカッスル。負けてはいけない戦いが続きます。


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