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圧巻デクラン・ライス、昨季王者を沈黙させる超絶FK連発!中盤を制したアーセナル、3-0完勝!

アルテタ監督の選択は、やはりキヴィオルです。チャンピオンズリーグ準々決勝ファーストレグ、レアル・マドリードとのホームゲーム。アーセナルにとってこの試合は、今季最大の決戦といっていいでしょう。国内でリヴァプールの後塵を拝する現状では、タイトルをめざせる唯一のルートです。

スタンドを埋めたグーナーたちは、好調の両ウイングに期待を寄せているはずです。GKラヤ、DFティンバー、サリバ、キヴィオル、ルイス=スケリー、MFトーマス、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、ミケル・メリノ、マルティネッリ。開始40秒、ムバッペのロングシュートはラヤが落ち着いてキャッチしました。アウェイチームの布陣は、4-4-2です。

右サイドを執拗に攻めるアーセナル。3分に右から蹴ったウーデゴーアの低いFKは、狙った弾道ではないでしょう。グレーのシャツがボールを持つと、唸るようなブーイングが聞こえてきます。リュディガーのクリアがカマヴィンガに当ってポストすれすれを抜けるなど、序盤は不安定だったレアル・マドリードの守備陣は、10分過ぎには普段のペースを取り戻したようです。

13分に左サイドを突破したのは、マルティネッリ。ボックス左からの高速グラウンダーをデクラン・ライスが左足で合わせ、アセンシオに当ってこぼれたボールをミケル・メリノが後ろに流すと、トーマスの強烈なダイレクトショットはクルトワがセーブしました。サカが孤立しがちな右サイドより、ルイス=スケリーとマルティネッリが絡む左サイドのほうが期待できそうです。

ロドリゴ、ムバッペ、ヴィニシウス・ジュニオールと左につながった20分のアタックは、右隅を狙った7番のコントロールショットがポストの外に逸れていきました。キヴィオルのミスパスから、ムバッペに中央を突破された23分のピンチは、オフサイドフラッグに助けられました。足を引きずってピッチの外に出たティンバーは、無事に戻ってきています。

右サイドでティンバーが奪われたのは31分。ベリンガムが縦に通したスルーパスで、左からラインの裏に出たムバッペは、右足のフィニッシュをラヤに止められました。37分にベリンガムをかわしたサカがゴール前に通したグラウンダーは、誰も触れず。ウーデゴーアとのワンツーで抜けた39分も、リュディガーに触れたグラウンダーがマルティネッリの後ろに出てしまいました。

44分に右から浮かしたティンバーのクロスは、デクラン・ライスの頭にぴったりでしたが、叩きつけたヘッダーはクルトワのビッグセーブに阻まれ、フォローしたマルティネッリのボレーも外に弾き出されました。前半のポゼッションは55%対45%、シュートは4対6、オンターゲットは3対2。決定機の数は、アーセナルが上回っています。

後半の立ち上がりも、アーセナルのポゼッション。レアル・マドリードの4-4-2の中盤はフラットで、縦のパスコースをケアしています。リュディガーが斜めに出したパスが、前線のベリンガムに入ったのは51分。ダイレクトのパスをボックス左で受けたムバッペは、左足のシュートがニアに外れました

58分に中央で得たFKのキッカーは、デクラン・ライス。右足で巻いたボールが外から右ポストをかすめ、ネットに突き刺さりました。リードされたアウェイチームは、ギアを上げてくるはずです。ガナーズの4バックは、ラインの裏に出てくるボールをケアしなければなりません。時間が経つにつれて、アーセナルの重心は後方にシフトしています。

ルイス=スケリーの絶妙な縦パスが、ゴールの左にいたマルティネッリに通ったのは66分。左足のシュートをクルトワが左に弾くと、ミケル・メリノの1発目のボレーはゴールライン上でアラバがストップし、2発めはクルトワがバーの上に押し出しました。1分後、CKのクリアを胸でトラップしたデクラン・ライスのボレーも、ベリンガムがライン上でクリアしています。

サカがボックス手前で倒されたのは69分。10分前に初めてFKを決めたばかりのデクラン・ライスが、今回も蹴るようです。壁の前に立っていたキヴィオル、マルティネッリ、ミケル・メリノが左右によけると、ボールは空いたスペースを抜けて右のサイドネットに突き刺さりました。グーナーを熱狂させる超絶スーパーショット2連発。さすがのクルトワも、ノーチャンスです。

2つのFKを獲得したサカは、74分に足を気にしながらピッチを離れました。代わって入ったのはトロサール。2-0になってからしばらくは、背筋の震えが止まりませんでした。1分後、左からドリブルで上がったデクラン・ライスが外のトロサールに預け、後ろでもらったルイス=スケリーが右に流すと、ミケル・メリノの完璧なダイレクトショットが左隅に決まりました。

殊勲のデクラン・ライスが座り込んだのは79分。ティアニーと代わった後、ボスと話す余裕があり、大きな問題はなさそうです。3-0となってからのアウェイチームのシュートは、90分のヴィニシウスのみ。ブロックしたティンバーは足をつったようで、ベン・ホワイトが呼ばれています。カマヴィンガが2枚めのイエローをもらってすぐに、タイムアップを告げる笛が鳴り響きました。

「もともとは、リバースのクロスみたいに蹴るつもりだった。でもブカヨが『いい感覚があるなら打とう』というので、『やってみるよ』と答えたんだ。そしてボールがゴールに入って…その瞬間は、よくわからない感覚だった。あのアングルからクロスを入れる意味はなかった。彼らはハイラインで、チップキックのような繊細なパスが必要だったので、よし、いってみようと思った」(デクラン・ライス)

アーセナル、3‐0完勝!今日はとにかくデクラン・ライスですが、2度の決定的なチャンスを創ったルイス=スケリー、中盤を的確にコントロールしたトーマスも大いに称えたい一戦でした。アーセナルの経営ボードがすぐにやるべきことは、入団以来最高のパフォーマンスを披露しているアンカーの新たな契約書の準備ではないでしょうか。

オンターゲット11対3という数字が、優劣を的確に表現しています。11本のうち、クルトワのビッグセーブが4本で、DFのゴールライン上のクリアが2本。5-0でもおかしくない一戦でした。次戦でカマヴィンガを起用できないアンチェロッティ監督は、不発の前線と大混乱の最終ラインを立て直すことができるでしょうか。今季、アーセナルが3失点を喫した試合はひとつもありません。


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“圧巻デクラン・ライス、昨季王者を沈黙させる超絶FK連発!中盤を制したアーセナル、3-0完勝!” への1件のコメント

  1. ケイスケ より:

    5点欲しかった
    2dレグはレアルのホームなので何がおこるかわからないので
    ただここを超えれば悲願のビッグイヤー獲得に届くかもしれない

    決勝ではバイエルンかバルセロナにあたりたくないけど

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