2025.05.03 チャンピオンズリーグ2024-25チャンピオンズリーグ
戦績を見ると納得…!チェルシーのカンファレンスリーグ参加は、負担ではなくプラスだった説。

優勝賞金は600万ポンド、リーグフェーズを全勝しても獲得賞金総額は1600万ポンド。夏のトランスファーマーケットで投じた額の1/10にも満たないインセンティブで、シーズンの半分以上の木曜日を差し出す大会は、罰ゲームと揶揄されても致し方ないでしょう。しかし今季のチェルシーにとって、カンファレンスリーグ参加はプラスだったといえるのかもしれません。
フツーの優勝候補なら、プレミアリーグとの両立で苦しいやりくりを強いられそうですが、あまりにも実力差が大きければ、サブの選手のガス抜きや不振の選手の自信回復に活用できます。「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者が、興味深いデータを紹介しています。マレスカ監督の初年度は、木曜日の大会がある時期のほうが戦績がよかったようです。
プレーオフからリーグフェーズ終了までの4ヵ月は、プレミアリーグ16試合で10勝5分1敗。唯一の敗戦はアンフィールドのリヴァプール戦ですが、ポゼッション42%のホームチームはシュート数9対12と押し込まれていました。リーグフェーズが終わってからノックアウトフェーズが始まるまでの2ヵ月半は、10試合で3勝2分5敗。2位だったチームは、5位に転落しています。
コペンハーゲンとのアウェイゲームを1-2で勝ち切ったのは3月6日。ここからの7試合は4勝2分1敗で、アーセナル戦はCKからミケル・メリノが決めたバックヘッドのみの惜敗でした。カンファレンスリーグで8試合以上出場した選手のリストを見ると、プレミアリーグへの悪影響がなかったのは一目瞭然です。
デューズバリー=ホール、ヨルゲンセン、トシン、バディアシル、エンクンク、ディサシ、レナト・ヴェイガ、タイリーク・ジョージ、マルク・ギウ。3ゴール以上をゲットしたのはエンクンク、マルク・ギウ、ノニ・マドゥエケ、ジョアン・フェリックス、デューズバリー=ホール、ムドリクで、主力といえるのは11番だけです。
木曜日の準決勝ファーストレグ、1-4で快勝したユールゴーデン戦も有意義なゲームでした。先制は12分、右から上がったエンソ・フェルナンデスが逆サイドにクロスを通すと、トラップでもたついたサンチョのノーステップのフィニッシュがダニエルソンに当たってゴールへ。43分の2点めのアシストも、デューズバリー=ホールのパスを中央で受けた8番でした。
外からボックス右に走り込んできたノニ・マドゥエケに優しいボールが転がり、左足のダイレクトショットがニアに決まって0-2。後半の収穫は、プレミアリーグでゴールを量産してほしいエースが2発ゲットでテンションを高めたことです。59分に左サイドから上がったのはコール・パルマー。縦パスを追ったニコラス・ジャクソンは、ダニエルソンに体を入れられてしまいました。
ストライカーをガードしたDFがGKに捕らせようとすると、グローブがボールに触れる寸前に右足の裏が届きました。足を引いて奪い、無人のゴールに流し込んで0-3。65分の4点めは、敵陣ボックス手前でパスをカットしたカイセドに拍手です。こぼれ球を拾ったエースは、右足で左に流したボールを左足で引っかけて右隅に決めたのですが、余裕がなければできないプレイです。
いい雰囲気でウェストロンドンに戻ってきた選手たちは、日曜日のスタンフォード・ブリッジで優勝を決めたチームに勝ち切ってしまうかもしれません。ユールゴーデンとのセカンドレグは、週末のニューカッスルとの決戦を見据えたコンディショニングに活用できます。しかし…。マレスカ監督の悩みは、ECLでの戦い方をサポーターに理解してもらえていないことでしょう。
元凶はスパーズです。チェルシーがラウンド16から3つ連続でファーストレグがアウェイなのは、ヨーロッパリーグの準々決勝と準決勝で初戦がホームとなったスパーズと同じ日に、ロンドン開催にならないよう調整が入ったからです。敵地で完勝したら、セカンドレグのクルージングは常套手段ですが、サポーターにしてみれば「ECLのホームゲームはいつも苦戦」となります。
準々決勝のレギア・ワルシャワ戦を1-2で落としたときは、スタンフォード・ブリッジは大ブーイングでした。直前のイプスウィッチ戦が2-2のドローでなければ、叩かれなかったのかもしれませんが、現場としては「0-3で勝った後だし」といいたくなるところです。リヴァプールに勝った後なら、負けても気持ちよくセント・ジェームズ・パークに送り出してもらえるのでしょうか。
プレミアリーグでTOP5をめざすマレスカ監督としては、次のECLは僅差の負けならOKで、前後の2試合を万力込めて勝ちにいかなければなりません。欧州のファイナルは、リーグの最終節が終わった後です。来季CLの出場権を確保したうえで、ポーランドでタイトルを獲得できれば、悪くないシーズンといえるでしょう。指揮官の起用法と采配に、最後まで注目しましょう。
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