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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ナポリ戦で超絶ゴール&アシスト!絶好調のドク&フォーデンはアルテタの堅陣を崩せるのか?

キックオフから18分。ジョバンニ・ディ・ロレンツォのスライディングほど、致命的という表現がぴったりはまるプレイはなかなかないでしょう。ドンナルンマのロングフィードが前線に届き、ハーランドに着いていたベウケマが倒れ込みながら頭に当てると、拾ったフォーデンが最終ラインの裏にスルーパスを入れました。

ディ・ロレンツォの外にまわったハーランドが足を引っかけられ、転倒。レフェリーのフェリックス・ツヴァイヤーがファールはないと手を振ると、ストライカーはカードをかざすジェスチャーでアピールしています。VARの提言でゲームはストップ。オンフィールドレビューとなれば、フルバックが伸ばした足に触れたのはボールではなくハーランドだったことが明確になります。

チェックにはさほど時間がかからず、決定機阻止で1発レッド。ザンボ・アンギッサ、デブライネ、マクトミネイと中盤にプレミアリーグ経験者を揃えていたアントニオ・コンテ監督は、5月までエティハドの英雄だったプレーメイカーを26分で下げるという苦い選択を強いられました。ここからのシュート数は19対0。スコアは2-0ながら、ナポリは惨敗と記すべきでしょう。

プレミアリーグの開幕戦でウルヴスを0‐4で下したマンチェスター・シティは、スパーズとブライトンに連敗し、厳しい状況に追い込まれました。早々に優勝争いから脱落するかと思いきや、マンチェスターダービーは3-0で完勝。チャンピオンズリーグの初戦も、17分のCKで競り勝ったベウケマのヘッドをドンナルンマが弾いたシーン以外に、ピンチはありませんでした。

連敗からの巻き返しのキーマンとして、3人を挙げたいと思います。完全復活の予感漂うフィル・フォーデン、突破力と流動性でビッグチャンスを生み出すジェレミー・ドク、右サイドに安定をもたらしたアブドゥコディル・フサノフ。ナポリ戦でディ・ロレンツォをドレッシングルームに送り込んだフォーデンは、56分の先制ゴールの素晴らしいアシストも印象的です。

ペナルティアークに入ってロドリの縦パスを呼び込むと、左足のつま先で軽く浮かして前にいたハーランドの頭に合わせました。コンマ数秒の判断で、GKミリンコヴィッチ==サヴィッチが触れないコースに浮かしたエースも見事。中央に流れてきた47番を自由にしたらどうなるかは、マンチェスターダービーでブルーノ・フェルナンデスが実演してくれています。

マン・ユナイテッド戦で2アシストのジェレミー・ドクは、ナポリ戦でも右サイドやセンターにポジションを移し、ロドリやレインダースの選択肢を増やそうとしていました。圧巻だったのは、65分の追加点。ロドリ、ニコ・オライリー、レインダースとパスがまわっているときは、センターで歩いていたウインガーは、レインダースからもらうといきなりギアをトップに入れました。

美しいスラロームで一気に3人をかわし、GKとの1対1で股間を抜くまで推定4秒のショータイム。ダービーとチャンピオンズリーグでフォーデンが記録したチャンスクリエイトは9回で、ジェレミー・ドクは8回です。ポゼッションをゴールにつなげられず、2つ取りこぼしてしまった元王者は、ストライカー、ウインガー、プレーメイカーのコンビネーションで復活を遂げました。

守備時のポジショニングがアバウトなチームや、10人で引きまくるチームは彼らを止められないということがわかりましたが、日曜日にエミレーツでぶつかるアーセナルは別格なのでしょうか。ガブリエウとハーランド、モスケラとジェレミー・ドク、ズビメンディとフォーデンなど、いくつかのマッチアップに興味が湧きます。

左サイドのマルティネッリとカラフィオーリは、アマド・ディアロとパトリック・ドルグよりアイデアが豊富なコンビです。ベルナルド・シウヴァとフサノフが押し込まれると、ドクやフォーデンへのフィードが減ってしまうでしょう。こちらは中2日、あちらは4日でバッテリーの残量も気になります。早い時間に2点以上リードして、スローな展開に持ち込めればいけそうですが…。

マルムシュとシェルキが負傷しており、前線のオプションがサヴィーニョとオスカー・ボブしかないのも懸念材料です。戦績、スカッド、コンディションを見るとホームチームが有利に見えますが、頻繁にポジションを変えてスペースとコースを創ろうとする2列めは、アルテタの堅陣を崩せるのか。無から歓喜を生み出すドクと、ティンバー&モスケラのバトルが今から楽しみです。(ジェレミー・ドク 写真著作者/Steffen Prößdorf)


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