2025.10.22 チャンピオンズリーグ2025-26チャンピオンズリーグ
ケチャップ、出ました!エース連発でシメオネに4発圧勝のアーセナル、真のヒーローは後方の…!

GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、ルイス=スケリー。中盤センターはズビメンディとデクラン・ライス、2列めにサカ、エゼ、マルティネッリ、最前線にギョケレスの4-2-3-1です。開始3分、デクラン・ライスの浮き球で、ボックス右に出たのはティンバー。今季のアーセナルがよく見せる形のひとつですが、折り返しはゴールラインを割ってしまいました。
最初の決定機は4分、ギョケレスのパスを受けたエゼのシュートは、ハンツコの足に当たってクロスバーにヒット。こぼれ球を叩いたデクラン・ライスのボレーは、右に逸れていきました。ズビメンディとデクラン・ライスのポジションは流動的で、サカやティンバーをラインの裏で勝負させようとしています。9分に右から抜けたサカのクロスは、コケが冷静にクリアしました。
ギョケレスは相変わらず、前線でDFを追いかけまわしています。アウェイチームのプレスは淡白で、設定したラインを越えられたらスペースを消すことに専念しているようです。15分に、ティンバーとのパス交換でボックス右に出たサカのシュートはブロックされ、ボックス手前で拾ったエゼが左に転がすと、ルイス=スケリーのシュートはファーに流れていきました。
19分には、エゼの縦のスルーパスでサカがオブラクと1対1。つま先で浮かしたフィニッシュは、GKの肩に当たって先制はなりませんでした。20分を過ぎてもアーセナルが主導権を握っており、カウンター狙いのアトレティコ・マドリードのアタックは単発です。左のセルロートが再三入れるクロスは、すべて中央でクリアされています。
ラヤが左サイドに飛び出し、シメオネと競り合ったのは25分。クリアした後のクイックなスローインから、右サイドのフリアン・アルバレスが無人のゴールに流し込もうとしますが、ボールはファーポストの外を抜けていきました。28分、フリアン・アルバレスが単独で仕掛けたカウンターはガブリエウとサリバがつぶし、右からのクロスにもサリバが対応して打たせませんでした。
36分にズビメンディが敵陣で奪い、ショートカウンターが発動。パスを受けたサカが速いボールをゴール前に入れ、マルティネッリが押し込みますが、オフサイドを示すフラッグが上がっていたようです。45分のフリアン・アルバレスのFKは、右にアウト。追加タイムにズビメンディのクロスがマルティネッリに通りますが、ボールは肩に当たって浮いてしまいました。
前半のポゼッションは55%対45%、シュートは9対3、オンターゲットは2対0。ギョケレスは、ノーチャンスでした。後半の開始直後もアーセナルペース。47分に右からドリブルで仕掛けたティンバーはクロスを入れられず、ヒメネスがクリアしてCKです。49分、左からカットインしたフリアン・アルバレスのミドルはクロスバー直撃。守備陣は、19番にコースを与えてはいけません。
53分、ガブリエウの緩い縦パスがボックス手前のズビメンディへ。ゴールに背を向けたアンカーがつま先でラインの裏に流すと、抜け出したギョケレスのシュートは両手を挙げたオブラクが胸でブロックしました。デクラン・ライスが左からFKを蹴ったのは56分。ゴールに向かうボールを頭で押し込んだのは、やはりガブリエウでした。
1-0となった57分、フリアン・アルバレスの美しいスルーパスでシメオネがボックス右に抜け出しました。すかさず打った右足のシュートは、間に合ったガブリエウがつま先に当ててCK。その後の波状攻撃は、アバウトなクロスをすべて跳ね返されています。62分に右からクロスを上げたのはマルコス・ジョレンテ。走り込んだハンツコのヘッドは枠にいきませんでした。
アウェイチームのテンポが上がり始めた64分。自陣センターサークルでズビメンディのパスを受けたルイス=スケリーがドリブルで3人をかわし、左のマルティネッリに完璧なラストパスを通しました。右隅を狙ったダイレクトショットがオブラクの手を弾いてネットを揺らすと、グーナーは「Who are ya!」。スペインのクラブは、これで集中力が切れてしまったようです。

外にまわり込んで頭に当てたのは、やはりガブリエウ。中央に出たボールをギョケレスが難なく押し込み、10分前には想像できなかった4-0です。こういう展開を見ると、万力込めて蓋を開けた瞬間、ドボッという不吉な音とともにオムライスを台無しにするハインツのケチャップを思い出します。ルート・ファン・ニステルローイはうまいことをいう!と叫びそうになる連発でした。
残り20分で4分差は、モスケラ、ヌワネリ、ノアゴーアをプレイさせる絶好のチャンスです。あるいは、ズビメンディとエゼを休ませるチャンスといってもいいでしょう。先週末のフラム戦で時差ボケに悩まされていたガブリエウも、ここでアウト。韓国と日本への長旅の後に、がんばりすぎると体調を崩してしまいます。
77分のアルマダのシュートは、ラヤがキャッチ。3戦連続でオンターゲットゼロは、難易度の高い記録だったようです。83分にギョケレスとティンバーが下がり、ミケル・メリノとベン・ホワイト。ここからのトピックスは、「72分に前線に入ったグリーズマンはシュート1本のみ」「93分のヌワネリのコントロールショットは、オブラクがキャッチ」の2つで充分でしょう。
アーセナルが4‐0で開幕3連勝。すべてクリーンシートは、インテルと彼らだけです。勝負のターニングポイントは、シメオネがバエナ、ルッジェーリ、コナー・ギャラガーを送り出す3枚代えを敢行した直後でした。エンジンがかかっていなかったコナー・ギャラガーがルイス=スケリーを加速させてしまい、アーセナル戦では絶対に許してはいけない2点めが決まってしまいました。
最大の収穫はギョケレスの2発で、1ゴール1アシストのガブリエウと、2つのセットピースのキッカーだったデクラン・ライスも絶賛されるでしょう。しかし忘れてはならないのは、ルイス・スケリーのドリブル突破とマルティネッリの抜け出しの直前に、ボールを持っていたMFです。周囲を的確に動かすズビメンディは、今や唯一のアンタッチャブルな存在といっていいでしょう。
次節のクリスタル・パレス戦もロンドンで、中4日あれば途中交代の主力はリフレッシュできるでしょう。デクラン・ライスとズビメンディが、これほど後方から前線とSBにパスを通せるなら、ウーデゴーアはギョケレスに近い位置に配したほうがいいのではないでしょうか。新戦力を早期にフィットさせ、多様な布陣で戦えるようにした指揮官を、あらためて称えたいと思います。
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