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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地メディアがいきなり問題提起!「アーセナルがチャンピオンズリーグで勝つチャンスは?」

トランスファーマーケット専門のメディア「デイリー・ブリーフィング」が、いきなりど真ん中に渾身のシュートを打ってきました。「What are Arsenal’s Chances in the UEFA Champions League Looking Like?(アーセナルがCLで勝つチャンスはどのぐらいあるのか?)」。昨シーズンはベスト4。2025-26シーズンは戦力が強化されており、悲願成就の最大のチャンスです。

スタッド・ド・フランスのファイナルで、バルセロナに敗れたのは2005-06シーズン。あれから20年が過ぎようとしています。この間、プレミアリーグのビッグ6でチャンピオンズリーグもヨーロッパリーグも勝っていないのは、アーセナルだけになってしまいました。チェルシーはCL、EL、カンファレンスリーグとクラブワールドカップを足すと、7つのトロフィーを獲得しています。

1998-99シーズンから2016-17シーズンにかけて達成した19年連続のCL出場は、今でもプレミアリーグレコードです。アーセナルはなぜ、勝てずにいるのか。「ヴェンゲルの野心が足りなかった」「アルテタが経験不足だった」といった見方は、妥当ではないでしょう。2018-19シーズンにリヴァプールを頂点に導いたユルゲン・クロップは、ビッグイヤー初制覇でした。

チェルシーで欧州を制した監督はディ・マッテオ、ベニテス、サッリ、トゥヘル、マレスカで、欧州での優勝経験があったのはベニテスのみ。「欧州での勝ち方を知っている」などといえるのは、ベニテスとペップ、サー・アレックス・ファーガソンぐらいでしょう。経験豊富な監督が有利というなら、「2018-19シーズンのELのサッリVSエメリは、逆の結果では?」と思います。

過去を振り返るのはこのぐらいにして、アーセナルの現状と未来に目を向けましょう。ミケル・アルテタの5年めにCLに復帰してから、ガナーズは着実にステップを踏んでいます。2023-24シーズンは、準々決勝でバイエルンに3-2で惜敗。昨季はセミファイナルでパリに3-1で敗れています。今季を含む3シーズン通算で18勝4分6敗。3失点も2点差以上の敗戦も、一度もありません。

「デイリー・ブリーフィング」がアーセナルのCL制覇について記事を配信したのは、「トランスファーマーケットのネタだけでは毎日配信が厳しいから」ではないでしょう。プレミアリーグで8勝2分1敗の首位チームはCLでも好調で、4戦連続クリーンシートで4連勝。アトレティコ・マドリード戦の4発圧勝などで、期待感が高まっているのだと思われます。

興味深いテーマなので一気に読んだのですが、内容はかなりふわっとしていました。「今季のチャンピオンズリーグにおいて、最有力チームのひとつと確信している」と力強く宣言しながら、「優勝候補として真剣に考えるには、11月末のバイエルン戦の結果を待つ必要がある」と保険をかけています。筆者を確認すると、シバウン・アスレットさんという女性でした。

エクセター大学でスポーツ栄養学の学位を取得した後、フットボールの業界に8年間携わってきた方で、「スポーツベッティングのエキスパート」だそうです。なるほど。「ダービーの予想をするなら、皐月賞の結果を見ないと」ということですね。「彼らに賭けない手はない!」という締めのフレーズは、プレミアリーグのOBやデータアナリストからは出てこない言葉です。

金曜日の配信だったのですが、出てくるデータは古く、グーナーのみなさんが読んだら拍子抜けするかもしれません。と、ここで終わったらこの稿にもがっかりされてしまいそうです。既に、乗りかかった船。話を続けます。これまでの結果と戦力からCLを予想するなら、開幕からの16試合を15勝1分でクリアしたバイエルンを優勝候補の筆頭というしかないでしょう。

ジャマル・ムシアラとアルフォンソ・デイヴィスを欠きながらのロケットスタートは、天晴れのひとこと。レロイ・サネとコマンの離脱でサイドの層が薄くなったのですが、ルイス・ディアスが大ヒットで、攻撃力はむしろ高まっています。ホームでチェルシーに完勝した後、敵地でパリを屠っており、月末のアーセナルとのアウェイゲームを制したら大本命といわれるはずです。

対するパリは、リーグアンで8勝3分1敗と取りこぼしが目立ちますが、昨季のCLのリーグフェーズでは1勝1分3敗の敗退寸前(マン・シティが勝っていれば…)から巻き返しており、年明けから調子を上げてくるでしょう。アスレットさんはスペイン勢をスルーしていたのですが、失点が多いバルサより、シャビ・アロンソのレアル・マドリードのほうが要注意です。

アーセナルの強みは、「2024-25シーズンの開幕以降、公式戦で3失点が一度もない」「クラブワールドカップ2025に出ておらず、フルシーズンを戦える準備ができている」「スカッドの層が厚く、特定の選手の離脱で弱体化するリスクが小さい」「昨季からペップとマレスカに無敗で、同国対決を苦にしない」「ギョケレスはCL大好きで11戦8発」といったあたりでしょうか。

来週のバイエルン戦はノースロンドンの直後で、週末のチェルシーとのダービーを見据えた戦い方になるので、主力を温存するでしょう。昨シーズンのルイス・エンリケは、ウスマン・デンベレとクヴァラツヘリアがいないチームで10月のアーセナル戦に臨み、2-0の完敗を喫しています。この時期に勝っても負けても、年明けのノックアウトラウンドは別世界です。

2023-24シーズンのバイエルンとの2試合も、昨季の準決勝のパリも、ファーストレグのホームゲームでキヴィオルを起用していました。ターンオーバーしやすくなった今季は、ベストメンバーで戦えるのではないかと期待しています。私の結論は、「最終ラインがあの4人なら、彼らに賭けない手はない!」です。いかがでしょうか。…そもそも、この時期の予想は無理がありますね。


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