イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

チェルシー売却を決意したロマン・アブラモヴィッチ氏のメッセージを紹介します。

「数日の間にメディアで報道された、チェルシーFCのオーナーシップに関する憶測に対応したいと思います。以前より明言しているように、私はいつも、心の中にあるクラブのベストを優先してきました。現状においては、クラブ、ファン、従業員、スポンサーやパートナーにとって最大の利益はクラブの売却であると考えるに至り、決断しました」

「売却は急がず、正当な手続きを踏んで進められます。クラブに支払った融資の返済は求めません。私にとっては、ビジネスでもお金のためでもなく、ゲームとクラブに対する純粋な情熱のためだったからです。チームには、売却益をすべて寄付する慈善財団を設立するよう指示しました。この財団は、ウクライナの戦争における犠牲者のためのものです。これには、被災者の緊急なニーズに対する資金や、復興のための長期的なサポートも含まれます」

「決断は非常に難しく、このような形でクラブとお別れするのは心苦しいのですが、ご理解いただければ幸いです。これがクラブにとって最大の利益であると信じています」

「最後にもう一度、スタンフォード・ブリッジを訪れ、皆さんに直接、お別れの言葉を伝えられればと思います。チェルシーの一員だったことは、一生に一度の特権です。ともに達成したすべての業績を誇らしく感じています。チェルシー・フットボール・クラブとそのサポーターは、いつも私の心の中にいることでしょう」

ロマン・アブラモヴィッチオーナーが、チェルシーを売却すると宣言しました。買収したのは、2003年7月。1982年に破産寸前だったクラブを1ポンドで手に入れたケン・ベイツ氏は、多額の負債を肩代わりするというロシア人のオファーを断れませんでした。以来、19年。プレミアリーグとFAカップの優勝5回、リーグカップ3回、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグが2回ずつで、今年に入ってから悲願のクラブワールドカップ制覇を果たしました。

素晴らしい戦績を残し、今もなお発展し続けているクラブを手離す理由については、ここでは触れないでおきたいと思います。FAカップのルートン戦を控えたプレスカンファレンスで、「その話はやめてほしい。私は政治家ではない」と気色ばんだトゥヘル監督に共感します。ウクライナで、起きてはならないことが起こった。それ以上のことは、事実をベースに解説できるプロフェッショナルに委ねたほうがいいでしょう。

それでも私がこの稿を書いたのは、彼の言葉を伝えたかったからです。今、いえるのは、「近年のプレミアリーグの発展に寄与したオーナーだった」「このメッセージを言葉どおりに受け止め、彼がこれからやろうとしていることを支持したい」ということだけです。いつかどこかで、彼の足跡について、あらためて書ける機会があればと願っています。プレミアリーグとチェルシーを愛し続けた、ひとりのオーナーとして。

ルートンの本拠地ケニルワース・ロードに乗り込んだブルーズは、開始2分のセットピースでいきなり失点を喫する大苦戦。チャンピオンシップ8位に2度もリードを許すも、サウール・ニゲスとヴェルナーの同点ゴール、ルカクの決勝ゴールでベスト8進出を果たしました。試合に集中するのが難しい状況のなかで、しっかり勝ち切った指揮官とスタッフ、選手たちに多大なる敬意を表します


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“チェルシー売却を決意したロマン・アブラモヴィッチ氏のメッセージを紹介します。” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    色々あったオーナーですが、フットボールを愛しチームを愛した人だったと思います。チェルシーをここまで大きくした功績は忘れられないでしょう。

  2. n より:

    クラブにどんな未来が訪れるのか不安の方が多いですが、この20年近く、大いなる夢を見させてくれたオーナーには感謝です。

  3. アイク より:

    心のこもった記事をありがとうございます。
    複雑な状況下で、心ない声も聞こえてきますが、トロフィーはお金だけでは買えません。
    監督交代という補強を絶えず厳しく繰り返し結果を出し続けてきた功績、欧州最強の下部組織を作り上げた育成の功績、どちらも真似のできない偉業と思っています。

Macki へ返信するコメントをキャンセル