イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

指揮官の怒り、クラブの迅速な対応…自ら道を閉ざしたラヒム・スターリング、激情の代償。

「ラヒムはとてもいいヤツだ。長い間、一緒に仕事してきたけど、大好きだ。今回は、自分のために反撃したんだろうけど、ギャラガーに代わって殴り返したのかもしれないし、育成チームにいるチャロバーのためかもしれない。ここで何が起こっているのか、アラートを鳴らすべきと思ったのではないか。その唯一の方法は、自分自身の状況を伝えることだ」(ガリー・ネビル)

「チームのためでも、ドレッシングルームのためでもないだろう。彼は自分のことしか考えていない。チェルシーで、クラブのことを気にかけていたジョン・テリーやフランク・ランパードとは違う。PRチームか代理人か知らないけど、彼はミスをした。監督に謝罪して、トレーニングに取りかかるべきだ。他人のことなど気にしてないと思うよ」(ジェイミー・ギャラガー)

開幕戦のキックオフの1時間前に、プレスルームを騒然とさせる声明を発表したラヒム・スターリングについて、「マンデーナイト・フットボール」に出演していた解説者たちの間で議論が勃発しました。「あんな声明には賛成できない。チームメイトをリスペクトすべき」と前置きしたガリー・ネビルは、ベンチから外されたウインガーの気持ちを慮っていました。

これに対して、かつてリヴァプールを退団したときの振る舞いを見てきたジェイミー・ギャラガーは、「他人のことを考えられる人間はあんなことはしない」と切り捨てています。「誰よりもトレーニングに励み、監督ともいい関係を築いてきたのになぜベンチに入れないのか」…その問いは、試合前のしかるべきタイミングで指揮官に直接聞けばいいことです。

このとき、「スカイスポーツ」でプレミアリーグについて語り続けてきた2人は、「突然のベンチ外通告に、ウインガーは困惑していた」と受け取っていたはずです。しかし、エンツォ・マレスカ監督の新たなコメントによって、スターリングには24時間前に戦力外通告がなされていたことが発覚しました。

「シティ戦の前日にラヒムと1対1で話し、状況を正確に説明した。試合後は会っていない。私がいった通り、彼は別なグループでトレーニングしている。もし、ラヒムと話す場を設けるというなら、既に告げたことと全く同じ内容を正確に繰り返すつもりだ。彼に新たにいうべきことは何もない。かなり明確に伝えたからね」

「私はただ、正直にいおうと努めているだけだ。ラヒムには、われわれとともに出場時間を得るのは難しいだろうと伝えた。チリー(チルウェル)も、ここにいれば苦労する。ラヒムがいい選手ではないといっているわけではない。私は違うタイプのウインガーを好む。単純な話だ」(エンツォ・マレスカ)

指揮官の言い分が事実であれば、スターリングの「状況を明確にしてほしい」というオーダーには応えていたはずです。「構想外と通告された選手が、わざわざプレスが集まっている時間帯を狙って公開質問状を叩きつけた」のなら、それは私怨による報復行為と取られるでしょう。ネビルとギャラガーは、チームにダメージを与えるつもりはなかったと信じていたようですが…。

マレスカ監督を支持するチェルシーの対応は迅速でした。スターリングの背番号7は、顔幕戦で19番を着けていたペドロ・ネトへ。火曜日と水曜日に与えられた休暇は、完全移籍での退団に集中してほしいというメッセージです。このタイミングで、トレヴォ・チャロバーの14番もジョアン・フェリックスに渡されています。

一連の経緯をレポートした「テレグラフ」のマイク・マクグラス記者とサム・ディーン記者によると、イングランド代表として復活を遂げたいスターリングは、サウジプロリーグには難色を示しているとのこと。であればなおさら、プレミアリーグのクラブをドン引きさせるメッセージはNGだったといわざるをえません。

チェルシーとの契約は残り3年、サラリーは高額、デッドラインデーは昨年より2日早い8月30日。スターリングの希望を引き受けるクラブは、現れるのでしょうか。刹那の激情にかられ、自らの選択肢を狭めるような策を講じてしまったウインガーは、サポーターに惜しまれてクラブを去るという経験なきままにキャリアを終えるのかもしれません。

「チェルシーのみなさん、夢を叶えてくれてありがとう。あのシャツを着るたびに光栄で、何度もキャプテンを務めることができたのは夢のようでした。すべての瞬間を愛していました。この思い出は、永遠に残るでしょう。ブリッジで自分の名前を聞くのは特別な気分で、ファンのみなさんの愛情とサポートに感謝しています」

「スパーズ戦で、みなさんが掲げてくれたバナーは、僕にとって大きな意味がありました。すべてに感謝しています。クラブの未来が最高なものであるよう祈るとともに、近いうちにスタンフォード・ブリッジでお会いできることを願っています」(コナー・ギャラガー)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す