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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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余剰戦力の売却が終わらなかったチェルシー、30人以上のスカッドからはみ出す選手は…?

トッド・ベーリーとクリアレイク・キャピタルがチェルシーを買収してから3年め。エンツォ・マレスカは、最も幸せなスタートを切った監督でしょう。フィリップ・ヨルゲンセン、デューズバリー=ホール、ペドロ・ネトなど自らの戦術に必要な選手を手に入れており、「Bomb squad(爆弾部隊)」と呼ばれる余剰戦力は隔離されています。

チーム作りに集中したかったトーマス・トゥヘルは、補強に関与するよう要請した経営ボードと信頼関係を築けず。シーズンの序盤に就任したグレアム・ポッターは、冬のマーケットの大量補強で溢れかえったドレッシングルームのマネジメントを強いられました。マウリシオ・ポチェッティーノはスカッドの強化に口を出せず、最初の6試合で1勝という厳しい船出となりました。

過去2年の試行錯誤を経て、クラブ運営のスタイルも改善されたのでしょう。共同SDのスチュワート&ウィンスタンレーと監督の関係も良好になったように感じられます。それでも、この夏のチェルシーの立ち回りは多分にクレイジーでした。クラブの公式サイトに掲載されている選手のリストを見ると、シニアチームには30人が名を連ねています。

新たな戦い方にフィットするタレントを集める一方で、経営的にメリットがあるビッグネームを別途押さえたのが、スカッドがダブついている原因でしょう。2021年にマンチェスター・ユナイテッドが7260万ポンドで獲得したサンチョは、最大2500万ポンドの買取義務付きのローンで手に入るならお買い得と判断され、ゴーサインが出たと伝えられています。

アトレティコ・マドリードが1億1300万ポンドを投じたジョアン・フェリックスも、移籍金4450万ポンドは安いと見做されて成立したディールです。チームの補強と利益を得るための投資が並行して実施され、爆弾部隊の売却が思うように進まなかった結果、スカッドが膨らんだままになっているのが現状です。

これから冬にかけて、主力、サブ、戦力外の色合いはより鮮明になっていくはずです。「アスレティック」のリアム・トゥーミー記者は、「Chelsea squad audit: Analysing the 33-player group and their roles under Enzo Maresca(チェルシーのチーム監査:33人のプレーヤーの分析と、エンツォ・マレスカ監督の下での役割)」と題した記事で、現有戦力を個別に評価しています。

コール・パルマー、ニコラス・ジャクソン、ウェズレイ・フォファナといったアンタッチャブルな選手に関しては、説明不要でしょう。次なる放出候補は、アダラビオヨの入団ではみ出したディサシ、昨季プレミアリーグで9試合出場に留まっているチュクエメカ、サンチョとジョアン・フェリックスの加入で出番が激減しそうなムドリクです。

夏に移籍先が見つからなかったチルウェルとダトロ・フォファナは、次のマーケットを待つだけです。マルク・ギウ、ティリク・ジョージ、デイヴィッド・ワシントン、ジョシュ・アチャンポンらティーンエイジャーは、ヨーロッパカンファレンスリーグやカラバオカップがアピールの場となります。現在は主力でも、立ち位置が微妙になりそうな選手もいます。

負傷の影響でスロースタートとなったデューズバリー=ホールのエンジンが全開になれば、エンソ・フェルナンデスはベンチで戦況を見つめる時間が増えるかもしれません。「ネット・フェリックス」というニックネームが定着しそうなスターが真価を発揮する前に、エンクンクは目に見える結果を出さなければなりません。

夏の収支が7200万ポンドの赤字だったチェルシーは、冬のマーケットでプラスマイナスゼロにしようとしているそうです。その際には、利益を出しやすいユース出身者や若手と、高額の移籍金を請求しなくていい選手が優先されるでしょう。結果を出さなければならないディサシやチュクエメカは、そもそも出番を得られるのか? まずは、今後のマレスカ采配に注目しましょう。(エンツォ・マレスカ 写真著作者/Timfilbert)


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