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ベーリーとエグバリの関係は破綻?現地メディアが報じた「チェルシーの経営ボードの深刻な確執」

「チェルシー最大のストーリーがついに明るみになった。制裁お受けたロシアのオリガルヒ、ロマン・アブラモヴィッチから23億ポンドでクラブを買収してから2年余り、筆頭株主のクリアレイク・キャピタルと共同オーナーのトッド・ベーリーの結婚生活は破綻している」(「アスレティック」リアム・トゥーミー&サイモン・ジョンソン)

チェルシーの経営ボードの確執は、以前から噂になっていたものの、その都度否定されてきました。既に修復不可能な状態になっていると初めて報じたのは、ビジネス系ニュースメディアの「ブルームバーグ」でした。7日に配信された記事によると、両者ともに相手の持ち株を買収する手立てを模索しているそうです。

クリアレイク・キャピタルを共同で創設したベハダ・エグバリとトッド・ベーリーの関係が怪しくなったきっかけは、多額の資金を投じたクラブが、ピッチで成功をもたらさなかったことです。記事に登場する関係者は、彼らの意見が相違したテーマとして「選手の獲得方針」「不振の理由」「新スタジアム建設の遅延」を挙げています。

このニュースを受けて、「アスレティック」のリアム・トゥーミー記者のチームが総力取材を敢行。ESPN時代から10年に渡って、チェルシーウォッチャーとして活躍してきた記者は、匿名を条件に話してくれる関係者をかき集めて、現状に至るまでのエピソードを紹介しています。記事をひととおり読みましたが…これはもう、何というか、泥沼としかいいようがありません

掘り出し物の豪華タワマンがあると聞いた2人が、結婚すれば買えると盛り上がって籍を入れたものの、お互いについて理解する時間が足りなかったため、相手のやり方がいちいち癇に障るようになってしまったという「離婚あるある」。早期に話し合えばよかったのかもしれませんが、トッド・ベイリーが軋轢を避けて黙ったことで、亀裂が深まってしまったようです。

最初の軋みは、2023年1月。買収直後からスポーツディレクターを兼任していたトッド・ベーリーが日常業務から離れると表明し、ポール・ウィンスタンレーとローレンス・スチュワートが共同SDに就任しました。正式発表は2月でしたが、彼らはその手前から動いており、サラリーを安く抑えられる若手と長期契約を結ぶという戦略にシフトしています。

専門家をアサインして任すスタイルのトッド・ベーリーは、ウィンスタンレー&スチュワートと一緒に動くエグバリをうとましく感じたようですが、逆サイドの主張は「エグバリは、財政面のアドバイスという形で共同SDをサポートしてただけ」。こういう認識の相違は、コミュニケーションがなければ広がっていくのが世の常です。

次の夏に行なわれたクリバリとオーバメヤンの売却は、SDとしてのトッド・ベーリーの失敗を咎めるようでした。チェルシーの重要な決定は、彼らとホセ・E・フェリシアーノの承認が必要ですが、トッド・ベーリーが選手の売買に拒否権を発動したことは一度もなかったようです。2022-23シーズンのプレミアリーグを8位で終えたチームは、昨季も6位に留まっています。

確執が決定的になった事件が起こったのは、2024年5月。マウリシオ・ポチェッティーノ監督を留任させたかったトッド・ベイリーがプライベートのディナーに招待したとき、既にエグバリと話し合っていたウィンスタンリーとスチュワートは、解任の意向を伝えていたといいます。このときもトッド・ベイリーは、「エグバリは短期だから」といって、拒否しなかったそうです。

これに対して、エグバリ率いるクリアレイク・キャピタルは、「2人でディナーというパフォーマンスで、ウィンスタンリーとスチュワートのシーズン終了後のレビューに圧力をかけた」と見做しているとのこと。彼らの確執は、アールズ・コートの展示センター跡地に建設する予定だった新スタジアムの話に飛び火してしまい、2030年オープンのプランは白紙になろうとしています。

「先月の会議で、ベーリーとエグバリは、クリアレイクとの関係が破綻したことをふまえて、買収の可能性を探ることで合意した。この件に関するベーリーの考え方をよく知る人々は、2ヵ月以内に方向性が明確に示されるだろうと見ている。しかしそれは、何を意味するのだろうか?」(リアム・トゥーミー&サイモン・ジョンソン)

父と母が壮絶な離婚訴訟に突入すると、困るのは子どもたちとご近所のお友達…つまり選手とサポーターです。対岸から眺めている外野としては、現状のクリアレイク主導のチーム作りは、SDの選手の目利きがダメなら破綻すると思うのですが…。サポーターの最大の希望は「実はマレスカは、ペップに勝るとも劣らない名将だった!」というハッピーエンドです。


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