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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

今、最もエキサイティングなチームはチェルシー?いつの間にかプレミアリーグ最多ゴール!

ミッドウィークのサウサンプトン戦は、1-5で圧勝。「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者は、「チェルシーはプレミアリーグの偉大なエンターテイナーという新たなステータスを謳歌」と題したレポートを配信しています。「今やプレミアリーグで最も観ていて楽しいチームはチェルシーではないか?」という問いかけに対して、即座に否定する人は多くはないでしょう。

「この議論に、誰もが認める勝者はいない。ライバルクラブのサポーターたちが、わがチームこそが注目に値すると主張するのは当然だ」。チェルシー担当として24年めになるベテラン記者は、読者の心情を慮りつつ、興味深い数字を紹介しています。ヨーロッパカンファレンスリーグの3節、FCノアとのホームゲーム。18本のオンターゲットを浴びせて8-0で圧勝した一戦です。

スコアからはハーフコートマッチを想像しますが、チェルシーはアルメニアのクラブに15本のシュートを許しています。「チェルシーがどんなにいい試合をしていても、必ずピッチの両側で何かが起こる」という事実を根拠に「最もエキサイティング」といわれると、リーグ最少失点のリヴァプールや容赦ない勝利が多いアーセナルのサポーターは、沈黙してしまいそうです。

5発ゲットのセインツ戦も、7分のCKをディサシが頭で合わせて先制した後、4分で追いつかれています。左サイドから仕掛けたのはキャメロン・アーチャー。ボックス左に入ったカイル・ウォーカー=ピータースに斜めのボールが通ると、ドリブルをカットしたエンソ・フェルナンデスの足に当たったボールが、再度SBに渡ってしまいました。

フリーでニアに出したグラウンダーをプッシュしたのはアリボ。1-1としたセインツは、優位な展開に水を差す痛恨のミスで勝ち越しを許しました。GKラムリーは、アリボの背後から詰めてきたノニ・マドゥエケが見えなかったのでしょうか。縦パスをカットされた守護神はあっさり抜かれてしまい、ラストパスを受けたエンクンクが無人のゴールに転がしました。

21分には、右サイドからカットインしたノニ・マドゥエケが自らのシュートのこぼれ球を拾い、ラムリーと1対1。左足の強烈なシュートは、体を張ったGKがストップしました。ジョアン・フェリックスが左からカウンターを仕掛けたのは24分。逆サイドへのロングフィードは絶妙で、コール・パルマ―がフリーで右隅を狙うと、ラムリーが手に当てたボールがポストを叩きました。

直後のCKでヘッダーをバーに当てたアダラビオヨは、53分のCKでも胸トラップからの左足ボレーをポストに阻まれています。チェルシーの3点めは34分。ジョアン・フェリックスのパスをボックス右で受けたノニ・マドゥエケが、マニングをあっさりかわして左隅に突き刺しました。勝負を決する事件が発生したのは39分。ピッチに倒れ込んだのはククレジャです。

髪を引っ張ったジャック・スティーブンスにレッドカード。10人になった最下位チームが、追いつけるとは思えません。後半は完全なるチェルシーペース。ラスト15分からの2発は、いずれも中央突破でした。エンソ・フェルナンデスの縦パスが、最前線のエンクンクに通ったのは75分。右に流れ、切り返しでブリーをかわした18番は、打つ瞬間にマニングと絡んで転倒しました。

こぼれ球を押し込んだのはコール・パルマー。87分に中央からドリブルで上がったマロ・グストは、右から上がったジェイドン・サンチョの足元に流しました。ニアに決まった鋭い一撃は、チェルシーでの初ゴール。この試合で記録したブルーズのxG5.29は、2008-09シーズン以来、プレミアリーグのアウェイチームのレコードだそうです。

公式戦22試合57ゴールは、2位リヴァプールの49を8つも上回るリーグTOP。「場違いなECLで20ゴールも稼いでる」という抗議には、プレミアリーグ最多の31ゴールのほうを出しましょう。1試合あたり2.6ゴールは、クラブレコードペース。エンクンク、ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー、ノニ・マドゥエケ、ジョアン・フェリックスは公式戦トータルで5ゴール以上です。

リヴァプールとの差が5ポイント以内になったら、優勝争いと表現しても違和感はないでしょう。直近の2シーズンは、クレイジーな補強にツッコミが入りまくっていたのですが、いざ強くなってみると、「リヴァプールやアーセナル、マン・シティより主力の負傷に対応できるチーム」と見方が変わってきます。

ウーデゴーア、サカ、ハーランド、ロドリ、サラー、ファン・ダイクを欠くとペースダウン必至のライバルに対して、「コール・パルマ―がいなければエンクンク」「コルウィルを欠いたらトシン」「ウイングは誰でもOK」です。ピッチの両側で何かが起こるチームが、敵陣でのみトピックスがあるチームに変貌を遂げれば、トロフィーに手が届くかもしれません

守備の安定感が課題といわれてますが、リーグで15失点はリヴァプール、アーセナルに次ぐ3位。11月以降の公式戦7試合は4失点で、壮絶なシュート合戦を繰り広げるチームではなくなりつつあります。次節のスパーズ戦をクリアすれば、年末年始のプレミアリーグ7試合は、すべて9位以下のチームです。今の彼らなら…!


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