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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2ゴールの決め手はニコラス・ジャクソン&リアム・デラップ!チェルシーに新たな9番は必要か?

「アスレティック」のリアム・トゥ―三―記者とフェリペ・カルデナス記者は「辛勝」と表現しておりましたが、マレスカ監督にとっては実りある一戦だったのではないでしょうか。アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムでクラブワールドカップの初戦に臨んだチェルシーは、オリヴィエ・ジルーとウーゴ・ロリスを擁するロサンゼルスFCに2‐0で快勝しました。

キックオフから最前線に張ったニコラス・ジャクソンと、64分にエースと代わったリアム・デラップは、「ストライカーの仕事はゴールだけじゃないだろう」と主張するようなプレイを披露しました。最終ラインと駆け引きができるニコラス・ジャクソンは、縦のボールを受けてからの素晴らしいパスが目を引きました。

17分に敵陣で奪ったのはモイセス・カイセド。左サイドでこぼれ球を拾ったノニ・マドゥエケが、斜め前にいたニコラス・ジャクソンに預けると、ダブルタッチでアーロン・ロングをかわしたストライカーは、パレンシアの裏を取る絶妙なスルーパスを転がしました。ロリスに左足で止められたノニ・マドゥエケは、ニアに打ったほうが確度が高かったのではないでしょうか。

34分の先制ゴールも、このチームに欠かせないキーマンたちが絡んだ速攻でした。イゴール・ジェズスの緩い縦パスを見逃さなかったのはククレジャ。中央にスプリントして奪ったボールをコール・パルマーに渡し、10番が前方のニコラス・ジャクソンに送ると、巧みなタッチで前を向いて出したスルーパスはパーフェクトでした。

ラインの裏に出たペドロ・ネトを必死に追ったホリングスヘッドは、ボックスで距離を詰め、右足のシュートをスライディングで止めようとしてキックフェイントでかわされてしまいました。冷静だったペドロ・ネトは、中にひとつ持ってニアが空いたのを確認し、左足でシュート。最前線でニコラス・ジャクソンが空いた瞬間に、足元に出せば何かが起こります

リードしたブルーズが勝負を決めたのは79分。デビュー戦のリアム・デラップは、右サイドでコール・パルマーがキープしたときは中央にいたのですが、縦のパスコースが空いたのを見て絶妙なタイミングで右に流れました。9番がキープした瞬間、ボックスの外にいたエンソ・フェルナンデスが猛然とスプリント。中央に入った柔らかいクロスをトラップし、左足で押し込みました

2人のストライカーの秀逸なお膳立てで2ゴールをゲット。彼らとマルク・ギウで、充分戦えるのではないかと期待させる一戦でした。ムドリクとサンチョがいなくなった左サイドに、ドルトムントでブンデスリーガ32試合8ゴール4アシストのジェイミー・バイノー=ギッテンスは大賛成ですが、エキティケに8500万ポンドを投じるならリアム・デラップは不要だったはずです。

オフ・ザ・ボールの動きの質が高いニコラス・ジャクソンとリアム・デラップを活用し、ウインガーがカットインから決めるシーンを増やせば、チーム全体の得点力が上がる可能性があります。エースストライカーがプレミアリーグで10発しか決めていないことより、5人のウインガーをすべて足し込んでも15ゴールという事実に目を向けたほうが、理想に近づけるかもしれません。

メイソン・マウント、コナー・ギャラガー、ビリー・ギルモア、フィカヨ・トモリなど、ユース出身の選手の売却で利益を創出してきたクラブは、8年以上の長期契約で移籍金の減価償却費を分散させるという裏技でPSRをクリアできなくなっています。女子チーム、駐車場、ホテルの売却で得た2億5000万ポンドをマーケットに投じた後は、資金調達の手段が限られてくるでしょう。

アメリカ遠征に参加していないスターリング、ジョアン・フェリックス、チルウェル、ディサシらを手離し、ウイングと最終ライン、GKを強化したら、若手の成長と戦術の熟成で勝ちにいくフェーズに入ってもいいのではないでしょうか。クラブワールドカップは、新戦力のフィットと成長株の経験値UPという観点でも重要な場です。次節のフラメンゴ戦に注目しましょう。


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