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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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13年で74件…!FAに規則違反を告発されたチェルシーが、降格やポイント剥奪を逃れられる理由。

Chelsea charged with 74 alleged breaches of FA regulations over 13-year period(チェルシーが13年に渡る74件のFA規定違反の疑いで告訴された)」。現地メディアの見出しが目に入った瞬間、ポイント剥奪やチャンピオンシップ降格などのペナルティが脳裏をよぎった人もいるでしょう。「13年で74件」という数字はショッキングです。

2024年にPSR違反とジャッジされたエヴァートンは8ポイント、ノッティンガム・フォレストは4ポイントを剥奪されています。彼らの罪状はシンプルで、プレミアリーグが設定した赤字の許容ラインを越えたから。エヴァートンは上訴が認められ、ノッティンガム・フォレストは告訴された後の調査で全面的に協力して、ともに4ポイントを容赦してもらいました。

今回報じられたチェルシーは、7件が制裁の対象となったエヴァートンの10倍以上。2009年から2022年まで継続的に違反があったようで、降格必至の大量剥奪かと思いきや、どうやら罰金で済みそうな雲行きです。最大のポイントは、2022年5月にチェルシーを買収したトッド・ベーリーとクリアレイク・コンソーシアムが、発覚した直後に自ら報告していたことです。

2010-11シーズンから2015-16シーズンにかけて集中していたと報じられた容疑は、FAの代理人規則、仲介業者との業務に関する規則、選手に対する第三者投資に関する規則の違反で、買収手続きの際のデューデリジェンス(対象企業の価値やリスクの監査)で見つかったものです。彼らは即座にFA、プレミアリーグ、UEFAに自己申告し、すべての資料を提出しています。

「スカイスポーツ」のカヴェ・ソルヘコル記者は、罰金で終わると予想しており、「自主的な報告」「調査への全面的な協力」「ファイナンシャル・フェアプレーに抵触する類の違反ではない」といったあたりを理由としています。2023年7月に、UEFAが罰金860万ポンドという裁定を下しているのも、ポイント剥奪や降格に至らないと推測する根拠のひとつです。

この件は既にゴールが見えていますが、気になるのは他のクラブが不正を隠している可能性があることです。カヴェ・ソルヘコル記者は、「今回明らかになったのは、海外企業や選手の家族、代理人への支払いで、FA、プレミアリーグ、UEFAに提出された口座に数百万ポンドが記録されていなかった」とレポートしています。いわゆる裏金ですね。

チェルシーが提出したファイルに名前があった代理人が、他クラブにも似たような話を持ちかけていたら、同時期の移籍の調査によって芋づる式に違反が発覚する可能性があります。「スカイスポーツ」は、アザール、エトー、ウィリアンの契約も対象と伝えており、ウィリアンの代理人だったキア・ジョラブチアンはダヴィド・ルイスやコウチーニョの面倒も見ていました。

チェルシーにとっては終わりでも、これが始まりとなるクラブがあるかもしれません。プレミアリーグのトロフィーやTOP4争奪戦の結果が、ポイント剥奪の有無によって決まるという不粋な話にならなければいいのですが…。今、いえるのは、チェルシーの現在の経営ボードが適切な対応によって最悪の事態を逃れたということだけです。


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