CAS上訴でチェルシーの補強禁止はどうなる⁉過去の「補強ゼロ」クラブの戦績をチェック!
チェルシーが実現したいのは補強禁止処分の全面撤回ですが、現実的には延期を勝ち取ることでしょう。2014年の夏にはバルセロナがペナルティの開始を半年遅らせることに成功し、2016年に裁かれたレアル・マドリードは1年間の補強禁止を冬だけに軽減されています。本件の先輩である名門クラブたちと同じように、CASの関与によって何らかの果実を得たいチェルシーですが、楽観的になれる状況ではありません。
バルサのケースでは、スペインサッカー連盟の落ち度やルールの不備など情状酌量の余地があり、レアル・マドリードの際は一部の選手が規定違反ではなかったことが後に判明しています。これらに対して、チェルシーの違反は29選手が対象となっており、処分を見直させるための切り札があるという話は聞こえてきません。このうえは、できるだけ早く今回の上訴が空振りに終わったときの方針を立てておく必要がありそうです。アザールの退団が決まり、サッリ監督もイタリアに帰るといわれているチームは、ローン移籍で他クラブに出している選手が多いのが命綱です。
チェルシーの未来を考える前に、過去に補強ができなかったスペインのチームがどう切り抜けたかをおさらいしておきましょう。異議申し立てによって処分が半年延期になったバルセロナは、2014年の夏に、冬眠に入る前の熊のように大量補強を敢行しました。スアレス、テア・シュテーゲン、ラキティッチ、ブラヴォ、マテュー、ヴェルマーレンを確保し、処分の対象となった2シーズンをラ・リーガとコパ・デル・レイの2冠制覇でフィニッシュ。2014-15シーズンにはビッグイヤーも獲得しています。
冬のみのペナルティとなったレアル・マドリードは、2016-17シーズンにラ・リーガとチャンピオンズリーグを制覇。同じシーズンの夏、冬とも補強を禁じられたアトレティコ・マドリードはラ・リーガ3位、CLとコパ・デル・レイでベスト4と「定位置キープ」でシーズンを終えました。ヒエラルキーに影響がなかったスペインの前例を主張したとしても、「上下格差が激しい彼の国に対して、プレミアリーグはビッグクラブが6つもある」という反論をいただくかもしれません。ならば、イングランドのサンプルもチェックしてみましょう。ただしこちらは、補強できなかったクラブではなく、「しなかったクラブ」です。
2015年の夏にGKチェフしか加えず、欧州で唯一フィールドプレーヤーの補強なしと話題になったアーセナルは、ヴェンゲル監督の晩年では最も優勝に近づき、プレミアリーグ2位で着地。「冬にエルネニーを足してる!」という厳しいツッコミには、2018-19シーズンを完全補強ゼロで過ごしてCLファイナルに進んだトッテナムで対抗しましょう。アザールが抜けた穴にはプリシッチ。期待のストライカーだったイグアイン&モラタにフィット感がなかったのは、今や不幸中の幸いで、ヨーロッパリーグ得点王のジルーとプレミアリーグ経験があるバチュアイならむしろ戦力UPです。彼らだけでは不安なら、アストン・ヴィラで大暴れしたタミー・アブラハムを呼び戻すこともできます。
ハドソン=オドイとロフタス=チークの負傷は激痛ですが、メイソン・マウントやイーサン・アンパドゥ、トレヴァー・チャロバーらにチャンスを与え、ジョルジーニョをより前で機能させるという手もあるかもしれません。サッリ監督が去ることになれば、新監督次第でバカヨコ、ヴィクター・モーゼス、オラ・アイナ、ズマ、ケネディらの戦力化も考えられるでしょう。補強ゼロのチェルシーがCL準決勝に進出し、マンチェスター・シティやリヴァプールとプレミアリーグ対決となったらテンションが上がります。CASの裁定がどちらに転ぶかは予測不可能ですが、ペナルティが確定したら若手や復活組の動向に注目しましょう。使える選手の顔ぶれを見ると、意外と強いチームになるような気がします。
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このタイミングでまだどうなるか分からんってのが…泣
さらに監督まで変わりうるという…
泣きたいとこですが、ローン関係の若手を使うのはこれくらいのことがないとほぼしないクラブなので、半ばヤケクソ感もありつつ楽しみであると思い込もうとしています笑
色々と酷すぎて草
あらためて見る目の無さを露呈しましたね!