初年度もCL出場権獲得は絶対条件⁉「BBC」が語る「ランパードが支持される理由」
現在のチェルシーについて、「クラブとサポーターはパラメーターを変えた」と主張するのは「BBC」のフィル・マクナルティ記者です。「Frank Lampard: Have expectations changed at Chelsea this season?(今シーズンのチェルシーは、期待値を変えたのか?)」と題した記事は、若き指揮官は好意的に受け止められているとレポートしています。2003年7月にロマン・アブラモヴィッチさんがチェルシーを買収してから、オーナーに任命された監督は11人(のべ13人)。初年度からプレミアリーグ制覇を果たしたモウリーニョ、アンチェロッティ、コンテを除く監督たちは、すべて365日以内にクラブを離れています。マクナルティさんのテーマは、彼らとランパード監督の違いです。
41歳の指揮官が支持されているベースには、チェルシーのレジェンドという絶対的なポジションと、補強ができない悪条件のなかで火中の栗を拾ってくれたことに対する称賛があります。これらに加えて、速攻主体のフットボールとアカデミー出身選手の抜擢も評価されているとのこと。「BBC」の記事は、「失望のシーズン」と評されたマウリツィオ・サッリと比較しています。ヨーロッパリーグ制覇、プレミアリーグ3位、カラバオカップ準優勝などの成果を出した指揮官の最大の問題は、サッリボールと称されたポゼッション重視のサッカーが受け入れられなかったこと。サポーターに興味がなく、良好な関係を築けなかったのも大きなマイナスポイントだったそうです。
イタリア人監督と青年監督のフットボールの違いについて、記事はいくつかの象徴的な数字を紹介しています。ポゼッションはサッリが63.4%で、今季のチームは55.2%。10回以上パスをつなぐロングシークエンスを数えてみると、サッリが1試合あたり19.3回、ランパードは14.6%です。より直線的になったアタックは、サポーターの心をつかんでおり、クラブOBのパット・ネヴィンさんは「ホームで敗れたチャンピオンズリーグの後、人々は肩をすくめ、レセプションは暖かかった」と指摘しています。
チーム作りの実験を握るグラノフスカイアさんとの強いリレーションも、前任者にはなかったアドバンテージで、橋渡し役のペトル・チェフの存在が大きいようです。チェルシーのローンやスカウトの部門にも責任を負っているかつての守護神が、若手を大胆に起用する新監督のコンセプトをサポートしており、真価を発揮しつつある23歳以下の選手との新契約締結が進んでいます。
カラム・ハドソン=オドイは、週給12万ポンド(約1600万円)という好条件で5年契約を締結。プレミアリーグの10代選手で最高額のサラリーを手に入れました。タミー・アブラハムに対しても次の契約を用意しており、週給は10万ポンド(約1300万円)になるとともに、高額の契約解除金が設定されるとのこと。ウルヴス戦でスーパーショットを決めたフィカヨ・トモリも、5年契約をオファーと報じられています。
ハドソン=オドイ、タミー・アブラハム、メイソン・マウント、フィカヨ・トモリ、ロフタス=チーク、リース・ジェームズ、クリステンセン、ビリー・ギルモアらが躍動し、プレミアリーグTOP4フィニッシュを果たせば、ランパード監督には365日以上の猶予が与えられるのは確実です。問題は、CL出場権獲得が危うくなった際に、アブラモヴィッチさんがどんなジャッジを下すか。CLとELでは、ベーシックな収益において6000万ポンド以上のギャップがあり、「BBC」の記事は「スタンフォード・ブリッジに41000人しか入らないチェルシーにとって、重要なテーマ」とレポートしています。
ランパード監督のアプローチにテンションが上がっている私としては、最初のシーズンがプレミアリーグ5位で終わったとしても、巻き返しのチャンスをあげてもらえればと思います。ユルゲン・クロップは初年度8位、マウリシオ・ポチェッティーノは5位でした。昨季のダービー・カウンティしか監督経験がないフレッシュな指揮官が、補強禁止のクラブを率いてTOP4争いに食い込んだとすれば、解任ではなくリスペクトすべきではないでしょうか。オーナーのオーダーはいかに。引き続き、ランパード監督のチームづくりとクラブの動向について、チェックしてまいります。
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更新ご苦労様です。
レッズサポの目線から見ても、ランパードの監督は継続すべきと考えます。ライバルチームですがレジェンドがいとも簡単に切られるのは見たくないです。チェルシーも将来有望な若手がいるので、オーナーが長期目線に立ちチームを支援してくれれば復権はあると思います。
いつも(2本も!)更新ありがとうございます。
補強禁止を若手抜擢のチャンスに変えるべし、
とMakotoさんはいち早く仰ってましたね。実際にゴールという結果まで伴ってそれが実現してきていることに、驚きと今後への期待感があります。
火中の栗と同様に、ダビド・ルイスまで手放して長期的なチームの成功に賭けた決断も、結果がどうなったとしても、それ自体がリスペクトに値すると思います。
「解任ではなくリスペクトすべき」。これは慧眼です。
いつも更新ありがとうございます。
ファンとしては、せめて1年は任せて欲しいです。今季ここまで結果的には厳しいですが、観ていて楽しくもあり、歯がゆくもあります。でも、アカデミー出身や若手のプレーは、とにかく観ていてワクワクします。どこまで通用するのか、ようやく見届けることができるからです。今までは、その機会すらほとんどありませんでした。その一点だけでも、今季ボトム10前後でも個人的には御の字です(ただ、降格レベルとなると、ムードは悪くなり求心力も失うので、その場合は解任もやむなしですが)。
経験の1年。礎の1年。チャンスを掴む者、活かせない者、サバイバルなチェルシーが見られたらと思います。戦術が不満とか拙いとか外野の声もたくさんあると思いますが、そこもランパードにとって経験の1年にしてあげたいです。
Makotoさんの意見も素晴らしく、改めて若いチームを応援したくなりましたが、ワルテルFCさんの意見も非常に共感できました。
ユース出身の選手達が一丸となって挑んでいく姿は、結果はどうあれ良いものですよね。
ユナイテッドファンなので2番目に応援するようになるのが残念なほど、魅力的なメンバーです。