サッリではなくチェルシーとともに…モデルチェンジに成功したジョルジーニョに注目!
ポゼッションを主張し、短いパスをつないで相手の隙を窺い、機を見て一気にスピードアップするサッリボールにとって重要なパーツであることは、入団してすぐに気づきました。テンポのいいパスワークがはまれば相手を圧倒するスタイルですが、ジョルジーニョが囲まれてコースを切られると詰まるシーンが増え、単調なシークエンスにやきもきさせられます。ジョルジーニョ、あなたはボールをさばくだけか。長短のパスで違いを生み出す力ならセスクが上、CBの前のスペースをカバーする力はカンテが上ではないか。昨季プレミアリーグの12節に、エヴァートンがしてやったりのゾーンディフェンスでジョルジーニョを無力化してスコアレスドローに持ち込んだ後、トッテナム、ウルヴス、レスターに敗れると、イタリア人MFを外すプランBが必要という気分に傾いていったのでした。
苦しみながらもプレミアリーグ3位をキープし、ヨーロッパリーグを勝ち切ったチェルシーは、サッリ監督の後釜としてクラブのレジェンド抜擢という「ギャンブル」を敢行します。ダービー・カウンティでは4-3-3と4-2-3-1を併用し、速攻志向だった新指揮官は、中盤の底にカンテを配するのではないかと予想しておりました。ワントップなら、ジョルジーニョとカンテのコンビか。4-3-3ではジョルジーニョの居場所はあるのだろうか…。プレミアリーグ2019-20シーズンが開幕し、ランパード監督のコンセプトが像を結び始めると、私の驚きは次第に大きくなっていきました。ジョルジーニョがアンカーで起用されていること自体に反応したわけではありません。ジョルジーニョが想像以上に素晴らしいタレントだったことにテンションが上がったのです。
初年度と今季のスタッツを比較してみましょう。パス本数は明らかに減り、リーグ6位の538本。この数字は、フィカヨ・トモリやアスピリクエタから前線に直接ボールが届くシンプルなアタックが増えたことを意味しています。シーズンを通じてアシストゼロ、チャンスクリエイトは6回だった昨季に対して、新シーズンは初アシストを決め、既に3回の決定機を創り出しています。スルーパスは健在で、リーグNo.1の8本。シュートを19本しか打たなかったのが、怖さを感じなかった理由のひとつですが、今季は8試合で6本のシュートを放っています。
よりアグレッシブになった攻撃面だけでなく、守備のスタッツも向上しました。1試合あたり2.1回だったタックルは2.5に増え、成功率は50%から70%にUP。1.7回のインターセプトも2.3回となり、トータル18回はリーグ5位です。デュエルの勝率は46%から52%へ。サッリボールがポゼッションを重要視していたため、守備にまわる機会が少なかったという面はありますが、絶対数だけでなく成功率が上がっているのがポイントです。可動域が広がり、求められるプレイのバリエーションが増えたことで、持てる力をより発揮できているのではないでしょうか。
「He was my manager, he wasn’t my friend.We worked together for four years but this is another time, it is another page, another chapter, another time in my life. I look forward to that now.Sarri has left and I have stayed here and I need to do a job for my team at Chelsea(彼はマネージャーであり、友人ではない。4年間ともに戦ったけど、これは別な時間、別なページ、別なチャプター、別な人生だ。今を楽しみにしているんだ。サッリは去って、自分はここに残った。チェルシーでチームのために働かなければならない/2019年7月25日「talkSPORT」より)」
ランパード監督の意図を汲み取り、意識してモデルチェンジを図ったのでしょう。より前へ、よりアグレッシブに、より創造的に。ファビーニョやロドリよりもファイナルサードにおける関与度が高いジョルジーニョを、数か月前よりも好きになりました。めざすはヴィエラ?セスク?まさかフランク・ランパード…⁉(ジョルジーニョ 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London )
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最近はジョルジーニョを見るのが楽しみでしょうがないけど、カンテ・ケパらと共にどっかに引き抜かれそうで怖い
それ位に今のチェルシーでは飛び抜けた存在
すばらしい活躍です。昨年と比べると本当に信じられないほどサポーターの信頼も得ていますね。
上手くコヴァチッチらとターンオーバーしながら、プレーレベルを保ってほしいです。
カンテもケパもジョルジーニョも昨年に長期契約結んだので移籍の可能性は低いと思いますけどね
ジョルジーニョには本当に頭が下がる想いです。
昨季開幕からの好調が収まり、チーム全体が下降気味だった責任をすべて押し付けられる。
良い面は無視し悪い面ばかりにフォーカスして、一部の心無い・見る目の無い輩から理不尽な批判やブーイングを浴びせられる。
そんな状況で、夏に移籍もできたにもかかわらずチームに残って努力を続け、自身のプレーぶりや実績によって煩い外野を黙らせた。
新監督であるランパードから、在籍2年目でいきなり副キャプテンに指名されたのも納得です。英語力もかなり向上しましたね。
そもそも、マンマークを付けられればどんな名選手でも厳しいもの。メッシでさえそれは同じことです。
試合を追っていた方なら誰しもが感じていたでしょうが、昨季終盤あたりから見違えるように守備面が改善されましたね。
実は今季の守備のスタッツにおいても、名前の挙がったファビーニョやロドリを上回る数字を記録しています。特にインターセプトとリカバリーはぶっちぎりです。
ペップも惚れ込んだ彼のポジショニングセンスがいかにズバ抜けているかがよくわかります。
ビルドアップに際しても、何気ない(ように見える)パス交換の中で、彼が少しポジションを修正して体の向きを変えるだけで、驚くほどスムーズにプレスを剥がせます。
その読みの鋭さ故に難しいプレーでも簡単にこなす(ように見える)、身体能力に秀でている訳ではないので派手なプレーも少ない。
ゴール・アシストの数やスーパープレーだけで判断するような人間には、地味で無難な選手にしか見えないのでしょうね。勿体ない限りです。
興味のある方は、映っている間だけでも、試合を通して彼だけを追って観てみるといいですよ。先述した部分はもちろん、他にもいろいろと発見があると思います。
例えば、彼はパスを受ける時にほんの少し跳び上がり、次の1歩目を素早く踏み出すことと、体の向きや姿勢を素早く最適化することを同時に行っています。
テニスで言うスプリットステップのような技術ですね。当然といえば当然のことなのですが、試合中に実際に徹底して行っている選手はそういません。
これからも、ランパードや若手たちとともに成長し躍動する彼の姿を見るのが楽しみです。
最近はジョルジーニョを見るのが楽しみでしょうがないけど、カンテ・ケパらと共にどっかに引き抜かれそうで怖い
それ位に今のチェルシーでは飛び抜けた存在
昨シーズンはサッリボールの中心として批判に晒されたシーズンとなっていましたが、終盤あたりから守備でも攻められた際に体を張ったディフェンスを見せるようになり横パスバックパスだけではなく縦パスも積極的に出すようになり、今シーズンも同様のプレーを見せて、プレミアのスタイルにフィットして素晴らしい働きを見せていますよね。
自分もジョルジーニョを外してカンテアンカーを熱望していた方なので頭が下がります、すいませんでした。
あれだけ批判されるとプレミアを去って別チームで新たなスタートへと切り替わるプレイヤーが多数だと思うのですが、彼のメンタルの強さというのは相当凄いなと感じます。
今でもDFラインの防波堤として軽くかわされてしまう場面がないわけではないですが、今のジョルジーニョからは自分の100%のプレーを見せるようなパッションが見てても伝わります。
かつてドイツで王様だったバラックがチェルシーにきてチームの一員として素晴らしい働きを見せるようになった時と近いイメージです。
こういう使えないとレッテルを貼られた選手がみかえすのはたまらないですね。
正確にはサッリ批判の渦中に巻き込まれていたように感じてはいましたが
管理人さんが彼を取り上げてくれて嬉しいです!
正直、私も去年のプレーから今年の存在感は開幕当初は懐疑的でしたが、いい意味で裏切られました。猛省です。
あい変わらず、プレミアリーグ大好き!のジョルジ評が的確で、すごくわかりやすい。愛がありますね。本当にためになります。
ランパードが好きさんが仰るように、今年観ていてファンに愛され始めたのは、パッションだと僕も思います。プレーの質もそうですが、仲間を叱咤したり、鼓舞する姿を見て、気概を感じますね。
また、ガナユさんのコメントのように、見返したプレーヤーの奮闘は観ていて、痛快で頭が下がります。無事にターンオーバーしながら、今年も1年活躍してほしいです。それにもまして、カンテの負傷癖が気になるこの頃。
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プレミアリーグ大好き!さん、すみませんコメント欄で呼び捨てしまい、失礼しました。