アイスランドにホームで敗戦…優勝候補だったイングランド代表が抱えた深刻な問題は解決するのか?
ウェンブリーでアイスランドに0-1。イングランド代表が、ビッグイベントの直前のテストマッチを落としたのは56年ぶりで、オンターゲット1本は過去4年で最低の数字です。世界ランキング72位のチームに決定機を1度しか作れず、ノーゴールという敗戦は、フットボールの母国のファンにとっては屈辱でしょう。
とはいえ、前線の空転については、ことさらに嘆かなくてもいいでしょう。低調だったコール・パルマーとフォーデンは気がかりではあるものの、CL制覇で合流が遅れたジュード・ベリンガムと復調途上のブカヨ・サカのエンジンがかかれば、得点力は戻るはずです。ユーロ制覇をめざすイングランドが懸念すべきは、ベテランのパフォーマンスが微妙だったフルバックです。
アイスランド戦のクロス39本は、サウスゲート就任後の最多ですが、味方に届いたのは5本のみ。65分まで右サイドにいたカイル・ウォーカーのクロスは3本とも通らず、左のトリッピアーはゼロで、いずれも前線のサポートという役割を果たせませんでした。敗因を簡潔に表現すると、「アーノルドとコール・パルマ―が17本を放り込む単調なアタック」となります。
ジェームズ・マディソン、グリーリッシュ、マグワイアをコンディションを理由に落とした指揮官が、セルビアとの初戦に間に合わないルーク・ショーを残したのを不審に感じた人もいるでしょう。今回のイングランド代表は、左右のSBがひどい状態で、ケガ人と負傷が癒えたばかりの選手だらけです。右サイドはリース・ジェームズとリヴラメントがアウト。左はほぼ全滅です。
チルウェル、コルウィル、セセニョンは欠場で、タイリック・ミッチェルやロイド・ケリーは指揮官の信頼を得られなかったようです。ワン=ビサカは左にまわすと脆く、ベテランのクレスウェルやダン・バーンを引っ張り出すわけにはいきません。右はベン・ホワイトを口説けなかったのも悔やまれます。サカ、デクラン・ライスと3枚で連携させたら、盛り上がり必至でしょう。
開幕直後にハムストリングを痛め、長期離脱となったルーク・ショーは、2月のヴィラ戦で問題を抱えてハーフタイムに退いた直後、ルートン戦で無理をしたのが響いています。「監督に出てくれと頼まれたら、断るつもりはない。でも振り返ると、出るべきではなかった」。早期復帰をめざした最終盤にも、同じところに新たなケガを負い、FAカップ決勝に間に合いませんでした。
サウスゲート監督にとってアイスランド戦は、左SBのトリッピアーとCBグエイに場数を踏ませるのが最大の目的だったはずです。トリッピアーは、左サイドに配された過去10試合を7勝3分で切り抜けています。しかし彼は既に33歳で、昨季プレミアリーグで信じられないミスを連発しています。最後になるであろうユーロの舞台で、悪夢を繰り返してしまうかもしれません。
ルーク・ショーはいつ合流できるのか。サウスゲート監督は、今のスカッドの最適解を探り当てることができるのか。1993年の10月、ワールドカップアメリカ大会のアジア最終予選に臨んだハンス・オフトは、都並敏史という唯一無二の左SBの穴をついぞ埋められず、後に「ドーハの悲劇」と名付けられた痛恨のドローで、日本の悲願だった大会初出場を逃しています。
繰り返します。アイスランド戦でノーゴールの攻撃陣は、必ずや復活するでしょう。問題は左右のSBです。優勝候補と目されたチームの後方にできた2つの黒いしみが、試合を重ねるごとに塞がってくれればいいのですが…。ルーク・ショーとリース・ジェームズが元気なら、胸を張って彼らが勝つと予想していました。今は、悔いのない大会にしてほしいとしかいえません。
とはいえ、前線の空転については、ことさらに嘆かなくてもいいでしょう。低調だったコール・パルマーとフォーデンは気がかりではあるものの、CL制覇で合流が遅れたジュード・ベリンガムと復調途上のブカヨ・サカのエンジンがかかれば、得点力は戻るはずです。ユーロ制覇をめざすイングランドが懸念すべきは、ベテランのパフォーマンスが微妙だったフルバックです。
アイスランド戦のクロス39本は、サウスゲート就任後の最多ですが、味方に届いたのは5本のみ。65分まで右サイドにいたカイル・ウォーカーのクロスは3本とも通らず、左のトリッピアーはゼロで、いずれも前線のサポートという役割を果たせませんでした。敗因を簡潔に表現すると、「アーノルドとコール・パルマ―が17本を放り込む単調なアタック」となります。
ジェームズ・マディソン、グリーリッシュ、マグワイアをコンディションを理由に落とした指揮官が、セルビアとの初戦に間に合わないルーク・ショーを残したのを不審に感じた人もいるでしょう。今回のイングランド代表は、左右のSBがひどい状態で、ケガ人と負傷が癒えたばかりの選手だらけです。右サイドはリース・ジェームズとリヴラメントがアウト。左はほぼ全滅です。
チルウェル、コルウィル、セセニョンは欠場で、タイリック・ミッチェルやロイド・ケリーは指揮官の信頼を得られなかったようです。ワン=ビサカは左にまわすと脆く、ベテランのクレスウェルやダン・バーンを引っ張り出すわけにはいきません。右はベン・ホワイトを口説けなかったのも悔やまれます。サカ、デクラン・ライスと3枚で連携させたら、盛り上がり必至でしょう。
開幕直後にハムストリングを痛め、長期離脱となったルーク・ショーは、2月のヴィラ戦で問題を抱えてハーフタイムに退いた直後、ルートン戦で無理をしたのが響いています。「監督に出てくれと頼まれたら、断るつもりはない。でも振り返ると、出るべきではなかった」。早期復帰をめざした最終盤にも、同じところに新たなケガを負い、FAカップ決勝に間に合いませんでした。
サウスゲート監督にとってアイスランド戦は、左SBのトリッピアーとCBグエイに場数を踏ませるのが最大の目的だったはずです。トリッピアーは、左サイドに配された過去10試合を7勝3分で切り抜けています。しかし彼は既に33歳で、昨季プレミアリーグで信じられないミスを連発しています。最後になるであろうユーロの舞台で、悪夢を繰り返してしまうかもしれません。
ルーク・ショーはいつ合流できるのか。サウスゲート監督は、今のスカッドの最適解を探り当てることができるのか。1993年の10月、ワールドカップアメリカ大会のアジア最終予選に臨んだハンス・オフトは、都並敏史という唯一無二の左SBの穴をついぞ埋められず、後に「ドーハの悲劇」と名付けられた痛恨のドローで、日本の悲願だった大会初出場を逃しています。
繰り返します。アイスランド戦でノーゴールの攻撃陣は、必ずや復活するでしょう。問題は左右のSBです。優勝候補と目されたチームの後方にできた2つの黒いしみが、試合を重ねるごとに塞がってくれればいいのですが…。ルーク・ショーとリース・ジェームズが元気なら、胸を張って彼らが勝つと予想していました。今は、悔いのない大会にしてほしいとしかいえません。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す