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サカのクロスをベリンガム!個人技頼みでセルビアに辛勝のイングランド、改善の余地は…?

ドイツ、スペイン、イタリアが順当に勝利を重ねているユーロ2024に、いよいよイングランドが登場します。初戦の相手はセルビア。ワントップにハリー・ケイン、2列めにサカ、ベリンガム、フォーデンは大方の予想通りでしょう。欧州屈指の破壊力を誇る前線は、一貫性・継続性が課題です。

2センターには、デクラン・ライスとアレクサンダー=アーノルドが並んでいます。守護神ピックフォードの前に、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、グエイ、トリッピアー。立ち上がりからポゼッションを取るイングランドに対して、赤いシャツのセルビアはシンプルな速攻を狙っています。

5分にロングフィードを頭で落としたのはトリッピアー。フォーデンの左足ボレーは、右に切れていきました。イングランドは攻撃時は3-2-4-1で、アーノルドは偽SBのようにサイドと中央を行き来しています。中央で縦パスを呼び込むベリンガムは、何度もつぶされており、10分を過ぎてもサイドを連携で崩そうとするシーンはありません。

カイル・ウォーカーの縦のスルーパスがサカに通ったのは13分。右足のクロスは、必死に着いたパブロヴィッチの足に当たって中央に上がりました。走り込んで頭で合わせたのはベリンガム。左隅に飛んだボールに、GKライコヴィッチはノーチャンスです。0-1となってからは、セルビアがボールをキープする時間が増えています。

左サイドでグエイが奪った18分の速攻は、ベリンガムとハリー・ケインがチャージを受けながらもフォーデンにつなぎ、中央に持ち込んだ11番は右のアーノルドへ。右足のミドルはミートせず、左に流れていきました。セルビアの決定機は20分。アーノルドのミスパスをカットしたジヴコヴィッチがミトロヴィッチにつなぐと、強烈なシュートは右ポストの脇を抜けていきました。

アーノルドが自陣でインターセプトしたのは25分。サカがカイル・ウォーカーにつなぐと、ドリブルでボックス右に持ち込んで中央に転がしたパスは、ハリー・ケインにもフォーデンにも合いません。29分のFKのキッカーは、ファールを誘ったアーノルド。弾道は狙いより低く、壁に阻まれてしまいました。

セルビアはパスをまわして縦のコースを窺い、イングランドはスペースを埋めつつ奪えるポイントを探しています。37分に右サイドを突破したサカのグラウンダーは、フォーデンの後ろを抜けていきました。ベリンガムとサカの個人技頼みだったイングランドは、前半のシュートは3本のみ。ハリー・ケインは、タッチ2回という信じられないスタッツでハーフタイムを迎えています。

後半立ち上がりのポゼッションもセルビア。イングランドのビルドアップは窮屈で、結局ピックフォードが蹴ってしまうシーンが目立っています。時折サカにロングフィードがつながるも、その後が続かず。52分にボックス左でグエイをかわしたヴラホヴィッチは、クロスが味方に合いませんでした。

56分、アーノルドが放った鋭いミドルは、ライコヴィッチがセーブ。直後、デクラン・ライスのスルーパスで右からアーノルドが抜け出したチャンスは、折り返しを受けたベリンガムがイリッチにカットされました。59分、縦パスで左から抜けたムラデノヴィッチが、ニアに優しいグラウンダー。ミトロヴィッチは触れず、飛び出したピックフォードが懐に収めています。

69分、アーノルドに代わってコナー・ギャラガー。75分にはサカが下がり、ボーウェンが右サイドに入っています。直後、右から仕掛けたボーウェンがファーにクロスを上げると、ハリー・ケインのヘッドはライコヴィッチが触り、クロスバーにヒットしました。トリッピアーがピッチに座り込んだのは79分。ルーク・ショーがいないチームにとっては、最も避けたいトラブルです。

左SBは、どうやら無事だったようです。残り時間は10分。81分のヴラホヴィッチのミドルは、ピックフォードが上に弾き出しました。CKのクリアを叩いたビルマンチェヴィッチのボレーは、ゴール前にいたハリー・ケインがクリア。86分にベリンガムに代わって入ったのは、19歳のメイヌーです。89分のミリンコヴィッチ=サヴィッチのミドルは、右に切れていきました。

追加タイムは4分。イングランドは、ペースを落として試合を畳もうとしています。セルビアは打てる形を創れず、1-0のままでタイムアップ。ポゼッションは53%対47%、シュート数は5対6、オンターゲット3対1と互角の展開でした。イングランドが収穫といえるのは、グエイとトリッピアーのサイドから突破を許さなかったことぐらいでしょう。

主力のほとんどが、クラブでのパフォ―マンスを再現できていませんでした。デクラン・ライスのプレーエリアは狭く、サカとフォーデンは打てるエリアに出られず、ハリー・ケインを活かすボールはボーウェンのクロスのみ。前半は、ベリンガムが前を向ける縦パスが出ていたのですが、後半はコースを切られてしまい、右サイドからの突破以外に攻め手がありませんでした

とはいえ、初戦で難敵を下したことをプラスに捉え、次のデンマーク戦に期待しましょう。アーノルドは、シュート3本とロングフィード5本を評価するべきか、自陣でのパスミスを咎めるべきか。チューニングの余地があるとすれば、中盤センターと左右のウイングでしょう。サウスゲート監督の用兵と戦術のチューニングに注目したいと思います。

デンマークといえば、ユーロに戻ってきたエリクセンが、スロベニア戦でゴールを決めたようですね。おめでとうございます!最後となるであろうビッグイベントで持てる力を存分に発揮していただければと期待しています。イングランドVSデンマークは、日本時間の21日1時キックオフです。土曜日がお休みの方は、ぜひライブで!


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