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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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笑顔なき首位通過のイングランド、ベリンガムとフォーデンは2列めで共存できず…!

ガレス・サウスゲート監督は、アーノルドをコナー・ギャラガ―に代えただけで3戦めに臨んでいます。1FCケルンの本拠地、ラインエネルギーシュタディオンで開催されるユーロ2024のグループリーグ最終節は、スロヴェニアとの一戦です。この試合は、イングランドが戦術を改善するラストチャンスでしょう。ノックアウトラウンドに突入すると、ギャンブルはしにくくなります。

昨日のグループBで、アルバニアがスペインに敗れたため、イングランドのグループリーグ突破は既に決まっています。首位で通過して戦いやすい相手を手繰り寄せるか、2位で開催国ドイツと激突するか。3位ならおそらく、ポルトガルかベルギーです。指揮官が考えるベストメンバーを3戦連続で選んだ以上は、2位以下という着地はありえないでしょう。

GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、グエイ、トリッピアー。2センターはデクラン・ライスとコナー・ギャラガー、2列めにサカ、ベリンガム、フォーデン、トップはハリー・ケイン。立ち上がりから厳しいプレスで主導権を握ろうとするイングランドは、4分に左からクロスを入れられ、シェシュコにフリーのヘッダーを許しました。

ボールはピックフォードの正面に飛び、スロヴェニアの先制はならず。白いシャツを纏ったチームは、4-4-2で守るブルーに対して、スローなビルドアップからペースを上げられずにいます。フォーデンが中央に入り、ベリンガムは左。10分に左から縦に抜けたフォーデンは、オフサイドを取られています。しばしば左からゴールに向かって走るトリッピアーに、パスは出てきません。

15分に、左のヤンザがクロスをフィード。目測を誤ったピックフォードの頭上を越えたボールは、ゴールラインを越えていきました。18分に右から蹴ったヤンザのFKは、ゴール前の味方に合わず、ファーポストの外に流れていきます。20分を過ぎても、イングランドはシュートゼロ。サカのゴールシーンは、左からグラウンダーを通したフォーデンが明らかにオフサイドです。

またもや苦戦となったイングランドの最大の問題は、低すぎる最終ラインでしょう。マン・シティやアーセナルは、マイボールなら全員が敵陣に入るのが普通ですが、グエイとジョン・ストーンズはハーフラインから20メートルほど下がっています。中盤は間延びし、縦のボールが入らず。カイル・ウォーカーとトリッピアーがウイングを追い抜くシーンは見られません。

27分に左からカットインしたフォーデンは、ハリー・ケインを走らせようとした縦パスが不発。ケルンのスタジアムは、ブーイングに包まれています。イングランドの初シュートは30分。デクラン・ライスのパスを足元に収めた9番は、振り向きざまの左足シュートをブロックされました。1分後、左から放ったハリー・ケインのミドルは、GKの正面です。

35分、ボックス右手前から狙ったフォーデンのFKは、ニアをケアしていたGKオブラクがキャッチ。40分にトリッピアーがきわどいクロスをファーに上げると、スライディングしたハリー・ケインはうまくコントロールできず、ボールは右に逸れていきました。前半のシュートは6対3、5本はハリー・ケイン。イングランドは、過去2戦と同様に退屈なゲームを続けています。

指揮官にアイデアはなく、ハーフタイムの交代策はコナー・ギャラガ―をメイヌー。後半立ち上がりの左サイドのアタックは、チャンジオブペースがありません。51分のCKのクリアから、浮き球をダイレクトで叩いたフォーデンのシュートは右にアウト。54分にハリー・ケインのアーリークロスを前線でトラップしたベリンガムは、打てる体勢に持ち込めずに終わりました。

58分のCKで競り勝ったジョン・ストーンズのヘッドは、ゴール前にいたシェシュコがカット。サウスゲート監督がサカを下げ、コール・パルマーを投入したのは残り20分を切ってからでした。ポゼッションは70%超え、しかしスコアは0-0。75分にフォーデンとワンツーをかわし、縦パスをダイレクトで叩いたデクラン・ライスは、右に逸れたボールを見て悔しそうにしています。

84分、トリッピアーが下がってアーノルド。フォーデンがアンソニー・ゴードンにポジションを譲ったのは89分でした。アンソニー・ゴードンの縦パスがきっかけとなった91分の速攻は、この試合で最大のチャンス。前線に上がっていたメイヌーがヒールでつなぎ、ハリー・ケインが右に流すと、走り込んでフリーで合わせたコール・パルマーの一撃はオブラクがキャッチしました。

94分のアーノルドのミドルは、クロスバーの上。タイムアップの笛が鳴ると、3戦3分でグループリーグ突破を決めたスロヴェニアの選手たちが歓喜しています。イングランドのメンバーが喜べなかった理由を、記す必要はないでしょう。持てる力を発揮したといえるのは、中盤を仕切ったデクラン・ライスと、パス成功102本&ファイナルサードに9本のグエイだけでしょう。

ここぞという場面で攻め上がってチャンスを生み出したメイヌー、最終盤に見せ場を作ったコール・パルマー、キレのいい動きで2本のシュートに絡んだアンソニー・ゴードンは、期待感を残したといえそうです。一方で、フォーデンとベリンガムを今のまま2列めで共存させるのは、諦めたほうがいいでしょう。10番は初戦の先制ゴール以来、シュートを1本も打っていません。

イングランドの次戦は、オランダ、チェコ、トルコ、ジョージアのいずれかとなりました。オーストリアがオランダを倒すというアップセットがあったため、明日のゲームでチェコがトルコに勝つか、グルジアがポルトガルを倒さなければ、ラウンド16の相手はオランダとなります。フランス、ドイツ、スペインがいないサイドに入ったのはいいのですが…。


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