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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベリンガムの超絶オーバーヘッド、イヴァン・トニーの絶品ヘッド…低調イングランドは何とか8強!

25分の先制ゴールで、スロバキアがリードしたまま90分。前線でボールを収めたシュトレレツの脇から上がったシュランツに、グエイが気づくのが遅れ、GKピックフォードとの1対1から足元を抜かれてしまいました。3試合で2ゴールという貧攻ながら、何とかグループステージを突破したイングランドは、大方の予想を裏切る早期敗退に近づいていました。

ピックフォード、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、グエイ、トリッピアー、デクラン・ライス、メイヌー、サカ、ベリンガム、フォーデン、ハリー・ケイン。サウスゲート監督は、中盤を1枚代えただけで、格下だったはずのチームとのゲームに臨みました。準々決勝まで中5日あるので、主力はリフレッシュできると考えたのでしょうか。

しかし今、優勝候補と喧伝されたチームはアップセットを喰らう寸前です。66分に左SBのトリッピアーを下げ、コール・パルマー。ジャーナリストたちが推奨していたサカのレフトバックは、さほど効果はなかったと思われます。84分には、メイヌーをエゼ。イングランドは90分を過ぎても、オンターゲットが1本もありませんでした

チャンスといえるのは、78分に左からのフォーデンのFKに飛び込んだハリー・ケインのヘッドと、81分のデクラン・ライスのミドルぐらいです。アーセナルのMFの一撃は左のポストにヒットし、リバウンドをダイレクトで叩いたハリー・ケインは浮かしてしまいました。最初の交代カードの後に放ったシュートはこの3本だけで、左右からのクロスはことごとく止められています。

追加タイムは6分。一方的に攻め立てながらもフィニッシュに至らず、4分が経過してしまいました。サウスゲート監督はフォーデンを下げ、イヴァン・トニーを投入。カイル・ウォーカーの最初のロングスローはクリアされ、拾ったデクラン・ライスのラストパスもロボツカが外に蹴り出しました。

2度めのロングスローは、ニアのグエイへ。失点の原因となってしまったCBが頭で後ろに逸らすと、ボールは中央のベリンガムの前に浮いています。右足のオーバーヘッド一閃、ボールは右のサイドネットへ!守護神ドゥブラフカは反応できず、スリーライオンズが同点に追いつきました。延長前半のキックオフの布陣を見ると、サカは右サイドに戻っています

ピックフォードのロングフィードから右サイドの攻防となり、コーナーフラッグ付近でキープしたイヴァン・トニーがファールをもらってFK。コール・パルマーが中央に速いボールを入れたのは、延長戦が始まってから45秒でした。ドゥブラフカがパンチしたボールをエゼがボレー。左に逸れたボールに反応したイヴァン・トニーの絶妙なヘッドが決め手でした。

落下点にいたハリー・ケインはフリー。ゴール前2メートルからのヘディングは、枠に収めればOKです。キャプテンが冷静にプッシュすると、息を呑んで見守っていたスタンドの白いシャツが一斉に両手を挙げ、歓喜の叫びが鳴り響きました。ロングスローとFKを活かして勝ち越したイングランドは、スコアをキープしたままゲームを終えようとしています。

延長後半の頭にハリー・ケインとベリンガムが下がり、コンサとコナー・ギャラガー。慣れない左サイドでクロスのコースを切り続けたコンサと、最前線で必死のチェイシングを続けたコナー・ギャラガ―も、勝利の立役者といえるでしょう。最後まで守り切ったイングランドが、オンターゲット2本でベスト8進出を決めました。

序盤の2度の決定機を活かせなかったスロバキアは、55分のラッキーチャンスも逃してしまいました。イングランドの最終ラインがリスタートで意志の疎通を欠き、ボールはセンターサークルにいたシュトレレツへ。前に出ていたピックフォードが頭上を越されたボールは右に曲がってしまい、勝負を決していたはずの追加点はなりませんでした。

イングランド…まずは、ベリンガムのスーパーショットとイヴァン・トニーの完璧なアシストを称えましょう。デュエルの強さとロングフィード、ミドルが目を引いたデクラン・ライスにも拍手を送りたいと思います。一方で、ビルドアップとサイドの連携は相変わらず課題で、スロヴェニア戦で7本しか前線に蹴らなかったピックフォードは、23本を記録しています。

サウスゲート…ほめられるポイントは、終盤の交代カードぐらいです。オリー・ワトキンスではなくイヴァン・トニー、リヴァプールで左もやっていたジョー・ゴメスではなくコンサは、いずれも当たりでした。結果オーライなのかもしれませんが、送り出した選手が活躍したときは、監督の決断をリスペクトすべきでしょう。

5人でシュート5本に終わった2列めは、覚醒するのでしょうか。セットピースとスーパーショットでスロバキア、スイス、オーストリアというハッピーロードをのらりくらりと走り抜け、スペイン戦(ロドリが好きな私の願望です)で一世一代のフットボール…となればいいのですが、今のままでファイナルに進出するイメージはありません。スイスとの一戦は、プレミアリーグ勢の初ゴールを見たいものです。


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