プレミアリーグ勢12人は好不調くっきり…ベルギー代表はどこまでいける!?
総勢11人のフランス、母国イングランドに加えて、プレミアリーグ選抜ができる国がもうひとつあります。近年、若い選手の成長がめざましいベルギーは、12人のプレミアリーグ勢だけでも、かなり美しい3-4-3のチームが出来上がります。コンパニを負傷で失い、シャドリとミララスが落選しても、この充実ぶり。2015年から今年にかけて5ヵ月の間、FIFAランキング1位に君臨した優勝候補は、顔ぶれとしては充分頂点が狙える布陣です。ただし、プレミアリーグ所属の12人を個別にチェックしてみると、納得のシーズンを過ごした選手と、苦しんだ者のコントラストがまた鮮やか。ひとことでいえば、「最前線と最後方は微妙、他は満足」です。
【ユーロ2016 ベルギー代表】
■GK
ティボ・クルトワ(チェルシー)
シモン・ミニョレ(リヴァプール)
ジャン=フランシス・ジレ(メヘレン)
■DF
トビー・アルデルヴァイレルト(トッテナム)
ヤン・ヴェルトンゲン(トッテナム)
トマス・ヴェルマーレン(バルセロナ)
ジェイソン・デナイエル(ガラタサライ)
ジョーダン・ルカク(オーステンデ)
トマス・ムニエ(クラブ・ブルッヘ)
ローラン・シマン(モントリオール・インパクト)
クリスティアン・カバセレ(ゲンク)
■MF
ムサ・デンベレ(トッテナム)
マルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)
ラジャ・ナインゴラン(ローマ)
アクセル・ヴィツェル(ゼニト)
エデン・アザール(チェルシー)
ケヴィン・デブライネ(マンチェスター・シティ)
ドリエス・メルテンス(ナポリ)
■FW
ロメウ・ルカク(エヴァートン)
ディヴォック・オリギ(リヴァプール)
クリスティアン・ベンテケ(リヴァプール)
ヤニク・フェレイラ・カラスコ(アトレティコ・マドリード)
ミシ・バチュアイ(マルセイユ)
チェルシーのクルトワは、プレミアリーグ優勝を遂げた2014-15シーズンと比べると、昨季は今ひとつ。ミニョレは、いくつかの試合で勝ち点を落とす痛いミスを犯してしまいました。アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンのプレミアリーグ最少失点コンビとデンベレのトッテナム勢は、次につながる素晴らしい1年だったと思います。デブライネは、不振のマンチェスター・シティのなかでも、リーグ屈指のクオリティの高さを見せられたのではないでしょうか。マンチェスター・シティでは、ガラタサライにレンタルに出されていたデナイエルも、リーグ戦17試合出場と、まずまず経験を積めたのではないかと思われます。
厳しかったのは、最終盤まで不振が続いて4ゴールに終わったエデン・アザールと、クロップスタイルに適応できずベンチに座っている時間が長かったベンテケ。再三の負傷で、プレミアリーグ先発7試合、ベンテケより4つ少ない5ゴールに終わったオリギも、自らの数字には納得していないでしょう。フェライニは役割が曖昧で、出場したプレミアリーグ18試合を6勝6分6敗は、貢献したとはいい難い戦績です。前の選手で唯一よかったルカクも、トータル18ゴールながら最後の8試合はノーゴールでした。他国リーグの選手をみると、バチュアイ、ナインゴラン、ヴィツェルが主力として活躍した一方で、ナポリのメルテンスはレギュラーポジションを失い、ヴェルマーレンの出場は10試合のみ。ベルギー代表は、何人かの選手が不安を抱えた状態で本番に突入することになります。
さて、FIFAランキングではアルゼンチンに次ぐ2位につけている「欧州最強」のベルギーは、どこまでいけるでしょうか。イタリア、スウェーデン、アイルランドと戦うグループEを順当に1位通過すると、ベスト8でドイツ、勝てば準決勝はフランスでしょう。懸念は、初戦がいきなりイタリアという日程です。選手の調子もさることながら、ベルギー最大の不安は、ヴィルモッツ監督がときどき迷うことではないでしょうか。
コンパニがいないなら、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンの好調スパーズコンビを中央に置いておけばいいのではないかと思うのですが、経験が乏しい指揮官は最近3試合をまったく違う最終ラインで戦っており、時にはアザールを中で使って不完全燃焼感を残したままゲームを終えたりします。オプションを増やしているわけではなく、試行錯誤している感がある監督が本番で采配を間違える可能性は他の強豪より高く、イタリアに敗れて3位通過となろうものなら、ラウンド16はスペインかフランスです。ポチェッティーノさんが監督なら、ユーロ制覇も夢ではないのではないかといってしまうと、プレミアリーグびいきに過ぎるでしょうか。選手たちの好不調くっきりだったベルギーは、成功・失敗いずれにしても、はっきりした結果が出るような予感がします。
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ベルギー代表の顔触れを見ると本当にタレント揃いなのですが、意外に試合を観ているとChemistryが感じられない場面が多い印象です。このユーロで彼らの本当の実力が試されるのではないでしょうか。
ベルギー人はヨーロッパの中でもインターナショナル度が高く、3ヶ国語しゃべるのが当たり前なので、プレミアでの順応性も高いですね!代表メンバー数の多さに驚きました。
自分はこのユーロでもプレミアで既に活躍している選手のみならず、来期プレミア上陸が噂されるメンバーをウオッチしたいと思います!