【ユーロ2016】ラスト1分、エースの決勝ゴールでフランスがグループステージ突破決定!
4分、やはりパイェが蹴る魔法のFKは味方に届きます。ジルーのヘッドはバーの上に浮きますが、今後もこのコンビはアルバニア守備陣の脅威となるでしょう。アルバニアの最初のシュートは、14分にレニャニが放ったミドル。いつの間にかアウェイのアルバニアがペースを握っており、15分にマルシアルが単独突破からシュートを打つまで、フランスにはこれといったチャンスがありませんでした。21分、右から中央に渡ったボールを受けたパイェが、マルシアルを走らせる絶妙の縦パス。マンチェスター・ユナイテッドのエースがダイレクトで叩くと思いきや、1本持った瞬間に足を出されて攻撃は止まります。24分には、アルバニアに惜しいシーンがありました。ナポリのSBヒサイがインステップで出したクロスがマルシアルに当たり、サディクがニアに突っ込むもかろうじてロリスが先にキャッチ。マルシアルは抑えられ、コマンがいる右サイドからの崩しがないフランスが、完全に攻めあぐんでいます。
36分、右サイドからのパイェのFKはまたもジルーのヘッドがクロスバー越え。3分後にアルバニアが初めて蹴ったCKは、サインプレーで後ろに流したボールをレンジャニが狙うも、エヴラが足を出して枠の外に弾きだします。前半は0-0。パイェは厳しいマークに自由を奪われ、マルシアルにプレミアリーグで見せた輝きはありません。デシャン監督は、ピッチ脇でアップを終えていたポグバを投入。下げられたのは、やはりマルシアルでした。
後半開始直後、さっそくフランスに決定機。左サイドに流れたジルーがクロスを上げると、ポグバが触ってコースが変わったボールをコマンがヘッドでプッシュ。惜しくも右に外れましたが、フランスの立ち上がりは上々です。しかし51分、決定機はアルバニア。サイドチェンジを受けたヒサイの見事なクロスを、中で競り合ったサニャがポストに当て、あわやオウンゴールです。失点をまぬがれたフランスはその3分後、左サイドでジルーの落としをもらったパイェが、右足アウトで素晴らしいクロス。ファーに走り込んだポグバのボレーがバーすれすれを襲います。
デシャン監督最後のカードはジルーに代わってジニャク。ポグバのインターセプトから始まったカウンターは、パスを受けたジニャクが右に流れてしまい、クロスをトラップしたパイェが切り返しを入れ再度中にフィード。アルバニアのクリアの落下点にいたサニャは、ボレーを打ち上げてしまいました。83分、ポグバが左のパイェを使ったチャンスは、戻しを強引に打ったマチュイディとカンテのミドルをいずれもDFがブロック。ドローかと思われたゲームは、時計の針が残り1分を示した直後にようやく動きます。
アルバニア守備陣は、パイェのクロスはしのいだものの、右からラミが中央に入れると、足をつったアジェティに代わったばかりのヴェセリが最も危険なグリーズマンをフリーにしてしまいました。エースの完璧なヘディングシュートが左隅に吸い込まれ、ついに1-0。反撃に出るしかなくなったアルバニアは、終了直前の95分にジニャクとパイェの元マルセイユコンビにカウンターを喰らい、ジャカを切り返しでかわしたパイェの鋭いシュートが右のサイドネットに刺さります。プレミアリーグファンを驚愕させたウェストハムのアタッカーが大会2点めを決め、今は欧州を沸かせています。スタンドの興奮冷めやらぬまま、タイムアップの笛。初戦に続き、最終盤までゴールを奪えなかったフランスが、最後に底力を発揮してグループステージ突破を決めました。
再三のインターセプトとダイナミックな攻め上がりで中盤を活性化したポグバはもちろん、左右への散らしと縦パスで的確に前線を動かしたカンテもまた、フランス勝利の原動力だったと思います。プレイメーカーとしてもセンスあふれるレスターのセントラルMFが後ろでフォローしてくれたからこそ、ポグバは安心して前にいけたのではないでしょうか。途中出場のグリーズマンは体が重そうでしたが、ここぞというチャンスでのポジショニングと正確なシュートは見事でした。ベストメンバーが揃えば多彩な攻め方ができるフランスは、フィニッシュの甘ささえ解消すれば、準々決勝でぶつかることになりそうなスペインにも勝てるでしょう。
今日は、開催国を苦しめた敗者もまた、美しかったと思います。ユーロ初出場のアルバニアには、最終戦で記念すべき勝ち点をゲットしていただければと期待しています。(アントワーヌ・グリーズマン 写真著作者/Anish Morarji)
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す