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2021.06.23 ユーロ2020

攻めたのは30分まで…戦術なきイングランド、3戦連続クリーンシートで首位通過!

クロアチア戦とスコットランド戦で放ったシュートは17本、オンターゲットは3本。2試合連続でクリーンシートを記録したものの、1ゴールしか決めていないイングランドは、チェコに快勝してノックアウトラウンドに進出したいところです。ハリー・ケインは3本しかフィニッシュがなく、枠内はゼロ。クロアチア戦で唯一のゴールを決めたスターリングは、スコットランド戦は1本も打てずに終わっています。

プレミアリーグの精鋭たちを擁するガレス・サウスゲート監督に、打開策はあるのでしょうか。スコットランド戦からの入れ替えは4枚です。GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、ルーク・ショー、中盤センターにカルヴァン・フィリップスとデクラン・ライス、2列めはスターリング、グリーリッシュ、サカ、最前線にプレミアリーグの得点王&アシスト王のハリー・ケインといった布陣です。

開始2分、ルーク・ショーが縦に出した素晴らしいスルーパスでスターリングがGKヴァツリークと1対1。右にふわりと浮かしたループシュートはポストに当たり、今大会2発めのゴールはお預けとなりました。両者ともにサイドを崩そうとしていますが、10分までの攻防は右も左も互角です。ルーク・ショーが縦に浮かしたFKに走り込んだジョン・ストーンズのヘッドは、ゴールの右に外れました。

11分のハリー・ケインのミドルはバーの上。1分後、サカのドリブルで始まったアタックからイングランドが先制します。右にさばいてボックス内でリターンをもらったサカのクロスが逆サイドに流れ、折り返しを受けたハリー・ケインが左のグリーリッシュに預けると、ヴィラのキャプテンの完璧なクロスがスターリングの頭を捉えました。ペップが獲得を熱望している7番は、1億ポンドといわれる移籍金をさらに上げてしまったかもしれません。

26分、マグワイアの速い縦パスでハリー・ケインがボックス左に侵入。切り返しでトマーシュ・カラスをかわした瞬間、コースが空きましたが、右隅を狙った一撃はヴァツリークが左手でセーブしました。27分にホレシュが放った強烈なミドルシュートは、ピックフォードが右に飛んで弾き出すビッグセーブ。2分後、CKのこぼれ球をプッシュしたソーチェクは、マグワイアにブロックされてしまいました。ハマーズをプレミアリーグ6位に押し上げた長身のMFに、シュートコースを与えてはいけません。

35分、左でサイドチェンジを受けたポジルのクロスがゴール前のヤンクトに届くと、ボレーを打とうとした手前でルーク・ショーがクリア。拾ったソーチェクが左隅に打ったコントロールショットは決まったかと思われましたが、惜しくもポストの左に逸れていきました。チェコの速攻をケアしながらゲームをコントロールしたイングランドは、リードをキープして後半に向かいます。サウスゲート監督はデクラン・ライスを下げ、ノックアウトラウンドで戦力化したいジョーダン・ヘンダーソンをピッチに送り出しています。

セーフティリードを築きたいイングランドは、ヘンダーソンが右に出てクロスを上げています。楔のパスがうまく入らず、前を向いて仕掛けられない展開。60分にツォウファルが入れた危険なクロスは、ピックフォードが飛び出してクリアしました。67分、スターリングとグリーリッシュが下がり、ベリンガムとラシュフォード。昨季プレミアリーグでNo.1の被ファール数110回を記録したグリーリッシュは、ユーロの2試合で7本のFKをもらっています。

ジョン・ストーンズとマグワイアがドリブルで攻め上がるのは、機能していない前線に苛立っているからでしょう。マン・シティのCBは、足を痛めたのでしょうか。79分にピッチに入ったのはタイロン・ミングスです。83分、ピックフォードのキックがカットされ、ソーチェクからシュエフチェークにつながると、両チーム通じて後半最初のシュートは右に外れました。

サウスゲート監督の最後のカードは、84分にサカをジェイドン・サンチョ。92分のクラールのミドルは、ピックフォードの頭上を越えていきます。後半は何がしたいのかわからなかったイングランドが、1-0で勝って首位通過。5本のシュート数と3本のオンターゲットは、すべて30分までの数字です。それ以降は、最終ラインからのロングフィードで前線が走り、あっさり奪われるという淡白なアタックの繰り返し。ラシュフォードとサンチョは何もできず、堅実な最終ラインという印象を残しただけでした。

収穫を挙げるとすれば、負傷が癒えたマグワイアがタイロン・ミングスにはなかった縦へのフィードを加えてくれたこと、サカが前を向ける形を創れば期待値が高まるとわかったこと、久々のヘンダーソンがまずまずのプレイを見せたこと、グリーリッシュのパスセンスをあらためて実感できたことぐらいです。ラウンド16の相手はフランスかドイツとなりそうですが、今日と同じようなアタックしかできなければ、ガレス・サウスゲートの最後の一戦となるでしょう。


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