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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2021.07.08 ユーロ2020

シュマイケルがビッグセーブ連発&PKストップ、しかし…苦しんだイングランドが逆転で初の決勝進出!

5試合で8ゴール、無失点。堅守と勝負強さでベスト4進出を果たしたプレミアリーグの精鋭たちが、55年ぶりとなる国際試合の決勝まであと1歩に迫っています。ユーロ2020セミファイナル、イングランドVSデンマーク。ウェンブリーのピッチに揃ったガレス・サウスゲート監督の11人は、いつもの顔ぶれ。ウクライナ戦で右サイドに入ったジェイドン・サンチョをベンチに戻し、ブカヨ・サカをスタメンで起用しています。

GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、ルーク・ショー、中盤センターはカルヴァン・フィリップスとデクラン・ライス。2列めはサカ、メイソン・マウント、スターリング、最前線はハリー・ケイン。キックオフから、スターリングが再三ドリブル突破を見せています。6分、右に開いたハリー・ケインのアーリークロスに、スターリングは1歩及ばず。10分のデンマークがカウンターを仕掛けると、裏に抜け出しかけたダムスゴーをカイル・ウォーカーが肩で弾き飛ばしました。

12分、右サイドの連携からメイソン・マウントがボックス右を切り裂きますが、プレミアリーグで活躍するヴェステルゴーアが冷静にカット。1分後、ボックスの左コーナーでキープしたスターリングは、切り返しからのシュートをシュマイケルの正面に打ってしまいました。15分に強引に放ったハリー・ケインのミドルはクロスバー越え。ホイビュルクの一撃をセーブした後、ミスフィードを拾われたピックフォードは、ブライトバイテのシュートが味方に当たって左に切れたのを見て、安堵の表情を浮かべています。

20分過ぎからポゼッションを取り始めたデンマークは、25分にヴェステルゴーアがハリー・ケインから奪ってショートカウンターを発動。2人のチェックをかいくぐったダムスゴーのシュートは、惜しくも右に逸れていきました。イングランドの大会初失点は30分、ダムスゴーの直接FK。壁を越えて落ちてきたボールは、厳しいコースとはいえず、指先で触れたピックフォードが弾かなければいけないショットでした。

35分のイングランドのFKは、スターリングのキックをシモン・ケアーがブロック。38分に縦パスで裏に抜けたハリー・ケインが完璧なラストパスをゴール右に転がしますが、至近距離からのスターリングのボレーは左手を伸ばしたシュマイケルのビッグセーブに阻まれました。同点ゴールはこの直後、決め手はハリー・ケインが縦に出したスルーパス。ボックス右でフリーになったサカが決定的なグラウンダーを入れると、スターリングの前でスライディングしたシモン・ケアーが自らのゴールに突き刺してしまいました。

前半は1-1。48分にメイソン・マウントが右から蹴ったFKをシモン・ケアーと競ったマグワイアは、肘が顔に入ったとして出されたイエローに納得がいかないようです。53分にブライトバイテが右から上げたきわどいクロスは、ピックフォードが飛び出してパンチ。55分にメイソン・マウントのFKをヘッドで合わせたマグワイアは、右手を伸ばして触ったシュマイケルのビッグセーブを見て頭を抱えています。

サカ、マウント、スターリング、ルーク・ショーと左に展開した59分のアタックは、SBのグラウンダーが赤い壁にヒット。カルヴァン・フィリップスのロングフィードでボックス右に出たメイソン・マウントは、強引なシュートをブロックされました。デンマークの3枚代えの後、69分にサカが下がってグリーリッシュが登場。プレミアリーグ屈指のプレーメイカーの名前がコールされると、ウェンブリーにファンの歓声が鳴り響きます。

73分のショートコーナーは、メイソン・マウントのラストパスを受けたスターリングのシュートをヴェステルゴーアがブロック。プレミアリーグファンの容赦ないブーイングを浴びていたクリステンセンは、80分に足を痛めてヨアキム・アンデルセンに後を譲りました。波状攻撃を続けるイングランド、追加タイムは6分。中央を固めるデンマークは、シンプルなクロスをことごとく止めています。

グリーリッシュのクロスに反応したハリー・ケインのミスタッチの後、延長突入を告げる笛。93分にボックス右を突破したハリー・ケインは、右足で放った決定的なシュートをシュマイケルに弾かれました。サウスゲート監督は、95分にメイソン・マウントとデクラン・ライスを下げ、ヘンダーソンとフォーデンを投入。98分のグリーリッシュのミドルはシュマイケルがパンチで逃れ、二次攻撃からボックス手前で打ったスターリングは浮かしてしまいました。

102分、右からドリブルで仕掛けたスターリングは1度止められますが、すかさず奪い返してゴールラインへ。メーレが右足を引っかけてプレイが止めると、VARのチェックを終えたレフェリーはペナルティを指示しています。ハリー・ケインの選択は右、シュマイケルが読んでストップ。しかしこぼれ球はプレミアリーグ得点王の足元に転がり、右足のフィニッシュが無人のゴールに突き刺さりました。

105分にトリッピアーが加わり、退いたのは何とグリーリッシュ!5-4-1のイングランドは、ラインを下げずに戦えるでしょうか。クリアはセーフティ、ペースはスロー、無理めのクロスは入れずにキープ。120分にカウンターを仕掛けたスターリングは、シュマイケルに当ててCKをゲットしました。疲労困憊のデンマークの選手をフリーにしなかったイングランドが、リードをキープしてファイナル進出を果たしました。

最初にリスペクトしたいのは、イングランドを敵地で苦しめたデンマークの17人です。エリクセンのアクシデントを乗り越え、よくぞここまで辿り着きました。私のマン・オブ・ザ・マッチは、5本のビッグセーブで最後まで望みをつないだカスパー・シュマイケルです。昨季プレミアリーグでセーブ率19位と冴えなかった守護神は、母国の期待を背負った大舞台で完璧なパフォーマンスを披露しました。

ユーロ2020の決勝は、イタリアVSイングランド。聖地ウェンブリーにロベルト・マンチーニのチームを迎えるスリーライオンズは、悲願の初優勝を遂げることができるでしょうか。先発は、おそらく今日の11人。手堅すぎるサウスゲート采配が勝負のターニングポイントにならないよう、早い時間に先制点を奪ってカウンターを仕掛けられる展開に持ち込みたいものです。絶好調スターリングの突破力、エースの決定力、ジョン・ストーンズが統率する冷静な守備に期待したいと思います。


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