偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグをこよなく愛するみなさま、お気をつけあそばせ。FAカップですが、実は本日から試合があります。今夜先陣を切るのは、プレミアリーグの首位を走り、タイトル獲得を熱望しているアーセナル。相手は、リーグ1（3部相当）のコベントリーですが、ここ数年のアーセナルは、カップ戦においては死に物狂いで向かってくる下部リーグのクラブに苦戦してきたんですよね。これはひとえに、「ボスのプレミアリーグ4位死守志向が強すぎて、他のプレミアリーグ上位クラブよりも相対的にカップ戦軽視になっていた」からだとにらんでいます。

今季は、プレミアリーグで好調でもあり、ケガ人が多いとはいえ例年よりも戦力が充実しているので、ここで負けることはないでしょう。サポーターにとっては「安心して観ていられる試合」になるはずなので（保証はしませんが）、ポテトチップやナッツでも用意して、ゴールショーを愉しまれるとよいかと思います。

そして明日は、「昨季プレミアリーグ王者よりも強く、二冠獲得を狙うサンダーランド（！）」と、リヴァプール、エヴァートン、サウサンプトン、マンチェスター・シティが登場します。リヴァプールはランチタイムキックオフですので、これもまたご注意ください。注目は、トッテナムのヴィラス・ボアス監督と同じ日にジャンフランコ・ゾラ監督が解任となった絶不調ワトフォードを、おそらくマルコス・ロペスやロドウェルなど若手主体のマンチェスター・シティがどこまでいじめるのか。そして、大黒柱デヤン・ロブレンの負傷で出番がまわってきそうな吉田麻也が、ポチェッティーノ監督の信頼を勝ち取るプレイを披露できるのか、あたりですね。以前の記事では「ジャイアントキリングは起こりそうにない」と書きましたが、直近のプレミアリーグで痛恨のドローを喫しているリヴァプールとエヴァートンが、この4回戦ではアウェイで戦うのが若干、匂います。「試合終了直前で追いついてまさかの再試合！」「ラスト3分で逆転！」というような、一発勝負のFAカップらしい緊張感とサプライズを期待したいと思います。

日曜日は、チェルシーとフラムのウエストロンドン勢が、それぞれストーク、シェフィールド・ユナイテッドと戦います。名物監督トニー・ピューリスのゴツゴツしたロングボール戦術の後を受けて、パスサッカーへの脱皮をもくろむストークのマーク・ヒューズ監督ですが、ここにきて完全に息切れ。この1ヵ月、彼らは勝利しておらず、プレミアリーグで1分け4敗。リヴァプールには絶対的な強さを誇る本拠地ブリタニア・スタジアムで5点を奪われ、前節のクリスタル・パレス戦もいいところなしで、完全に意気消沈しています。そんなチームが、チェルシーが絶対に負けないスタンフォード・ブリッジで勝とうものなら、イングランド中が大騒ぎになりそうですが、果たしてどこまで抵抗できるのか。一方フラムは、うーん、やばそうですね。このところ目立つのは、ひとりだけ別次元のプレイをみせるベルバトフがチームメイトのプレイに激怒する姿ばかり。プレミアリーグのクラブでありながらも、フラムが負けてもさほど驚きはなさそうです。

というわけで、以下、スケジュールです。今回、16強が出そろい、5回戦からは本格的な上位同士のつぶし合いが始まる見込みです。

【FAカップ4回戦日程】
■1月24日（金）
アーセナル VS コヴェントリー
ノッティンガム・フォレスト VS プレストン・ノースエンド

■1月25日（土）
サンダーランド VS キッダーミンスター
ボーンマス VS リヴァプール
ハダースフィールド VS チャールトン
サウサンプトン VS ヨービル
サウスエンド VS ハル・シティ
ボルトン VS カーディフ
ウィガン VS クリスタル・パレス
スティブネイジ VS エヴァートン
バーミンガム VS スウォンジー
ロッチデール VS シェフィールド・ウェンズデイ
ポート・ベイル VS ブライトン
マンチェスター・シティ VS ワトフォード

■1月26日（日）
チェルシー VS ストーク
シェフィールド・ユナイテッド VS フラム