偏愛的プレミアリーグ見聞録

FAカップはプレミアリーグよりもテレビ中継のない試合が多く、かつ今夜は10試合が同時に行われるため、結果を追うのが大変です。リヴァプールのゲームを観た後は、各地の途中経過をザッピングするかのようにあちこち、状況をチェックしていたのですが、前半終了時、何とマンチェスター・シティが本拠地エティハドで絶不調ワトフォードに0-2と負けています。このまま終われば、今季最高のジャイアントキリング。これは盛り上がる！と、息をのんで試合の経過を確認していたのですが…。FAカップ4回戦は、ここまでほとんどのゲームが順当な結果です。

マンチェスター・シティとワトフォードは、60分まで0-2でアウェイのワトフォードがリード。プレミアリーグでここまで全勝、ドローすらないという本拠地エティハドで、まさかチャンピオンシップのクラブに負けるかというところまで、マン・シティは追い込まれました。しかし、60分にアグエロがゴールして差は1点となり、ワトフォードは7人がゴール前に張り付く徹底防戦。これで守りきれればよかったのですが、79分にアグエロに追いつかれ、87分にコラロフが勝ち越しゴール。追加タイムにはアグエロのハットトリックが決まり、結局4-2。CBにレスコットとデミチェリス、中盤にマルコス・ロペスとロドウェルと、メンバーを落としたことを悔やむ結果にならずに済みました。

サウサンプトンは、チャンピオンシップ最下位に沈むヨービルに2-0完勝。吉田麻也はホーイフェルトとの「昨季レギュラー＆今季サブCBコンビ」で出場し、格下相手ではありながらクリーンシートでの勝利に貢献しています。冬の移籍市場で獲得したマクギーディをさっそくスタメンで出したエヴァートンは、プレミアリーグの上位クラブのなかでは最もスタメンを入れ替えながら、スティブネイジを0-4と問題にせず。ネイスミスが2ゴール、今季スタメンから外れたオランダ代表CBハイティンハが追加点、途中出場のセネガルの若手FWゲイェがダメ押しと、普段出場機会が少ない面々が気を吐きました。

圧巻だったのは、スウォンジーのエース、ウィルフリード・ボニーです。バーミンガムに1点ビハインドで後半頭から途中出場すると、67分、69分に立て続けに決めて逆転に成功。スウォンジーは、2014年になってから、プレミアリーグ、FAカップを合わせて5試合戦っていますが、この間の7ゴールのうち、6発までがボニーです。今季不調のスウォンジーとはいえ、なめると痛い目に合うことをいちばん知っているのは、3回戦で負けたマンチェスター・ユナイテッドとそのサポーターでしょう。われわれは背番号10をフリーにして、終了間際に決勝ヘッドを叩き込まれました。みなさん、ボニーにだけはホントに気をつけてください。

サンダーランド、ハル・シティのプレミアリーグ勢も勝利し、このラウンドは今のところ、引き分け再試合すらなし。順当勝ちだらけの静かな結果となりました。プレミアリーグのクラブで唯一負けたのはクリスタル・パレスですが、相手は昨季までプレミアリーグにいたウィガンです。今季チャンピオンシップで13位と不振にあえぎながらも、このカップのディフェンディングチャンピオンで、ヨーロッパリーグで大健闘したクラブなので、さして驚きはないでしょう。以下、昨日行われた試合の結果です。

【FAカップ4回戦結果】
サンダーランド 1-0 キッダーミンスター
ボーンマス 0-2 リヴァプール
ハダースフィールド 0-1 チャールトン
サウサンプトン 2-0 ヨービル
サウスエンド 0-2 ハル・シティ
ボルトン 0-1 カーディフ
ウィガン 2-1 クリスタル・パレス
バーミンガム 1-2 スウォンジー
ロッチデール 1-2 シェフィールド・ウェンズデイ
ポート・ベイル 1-3 ブライトン
マンチェスター・シティ 4-2 ワトフォード
スティブネイジ 0-4 エヴァートン

本日、チェルシーがストークを本拠地スタンフォード・ブリッジに迎え、フラムはアウェイでシェフィールド・ユナイテッドと戦い、FAカップ4回戦は全ゲーム消化となります。ちなみに5回戦の組み合わせ抽選は、日本時間の1月27日2時30分からライヴ中継されるので、明日の朝にはお伝えできる見込みです。…ジャイアントキリングがないと、それはそれで気持ち悪いですね。とまあ、キャピタルワンカップでサンダーランド相手にPKを4発外して敗れたクラブのサポーターがいうのも何ですが（泣）。