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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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復活エジル&圧巻ジルー!アーセナル、エヴァートンに4発快勝でFAカップ4強一番乗り!

あれ?やっかいなルカクがいるじゃないですか!アーセナルには、コシールニーがいない…。昨日、このゲームについて「ルカクとジャギエルカがいないエヴァートンのほうがきつい。アーセナルが順当勝ち」と書きましたが、要のCB不在のガナーズに、ルカクを前線に配してベストメンバーの攻撃陣でアタックしてくるエヴァートンとなれば話は違います。昨年末のプレミアリーグでも好ゲームを展開したFAカップ準々決勝屈指のカード、アーセナルVSエヴァートンは、予想を裏切ってエヴァートンペースで試合が始まりました。

アーセナルは、GKファビアンスキにCBヴェルマーレン、センターMFはアルテタ&フラミニ。前線にサノゴを起用し、その後ろにエジル、カソルラ、チェンバレンを並べた布陣です。最初の5分はまったくエンジンがかからず、エヴァートンにポゼッションを許したホームチームでしたが、6分、いちばん獲ってほしかった選手が最高の形で先制します。自陣でのボール奪取から、カソルラが中央をドリブルで突破。エヴァートンは対応が遅れ、背番号19の独走を許します。カソルラはペナルティエリア手前までひとりで持ち込むと、左を並走していた味方にラストパス。フリーでこれを受けて、ゴール右隅に完璧なシュートを決めたのはメスト・エジル!プレミアリーグで不調を懸念されていたゲームメーカーの久々の一発で、アーセナルが6分に先制です。

この後も、8分に敵陣右サイドでのインターセプトからサノゴがシュート、直後のCKにチェンバレンが絡むなど、アーセナルが攻勢。18分にはギブスとエジルのコンビネーションから最後はギブス、23分にはサニャがクロス気味のループシュートを放ち、裏を突かれたGKのフィスティングがバーを直撃。いつもよりもシンプルな攻撃と積極的なシュートで追加点を狙います。エヴァートンも、右サイドからの仕掛けを中心にピーナールが惜しいシーンを創りますが、ペースを握っているのは「ぜひともFAカップを獲りたい」と指揮官が語っていたガナーズです。

しかしこの日のアーセナルは、シュートを積極的に打つ姿勢はよかったものの、ボールの獲られ方が悪いのが気になります。25分を過ぎるとコシールニーがいないDFラインやMFのパスミスが増え、エヴァートンのサイド攻撃をぎりぎりでストップする危ない場面が目立ち始めます。ゴールを割られたのは31分。アルテタのシュートを拾われてカウンターを受けると、エヴァートンの右からの攻め上がりにメルテザッカーまで持ち場を離れ、サニャが戻り切れなかったために左サイドのミララスが完全にフリー。ここにボールを出されては、ひとたまりもありません。ミララスのシュートのこぼれをフォローしたのは、復帰したばかりのルカクでした。

アーセナルは、エジルのパスやFKのこぼれを好調カソルラが狙って勝ち越しを狙いますが、エヴァートンも速攻からルカクやミララスがGKファビアンスキ―を脅かし、ゲームはどちらに転ぶかわかりません。前半は結局1-1。後半に入っても、ヴェルマーレンが左サイドでマイボールをさらわれ、ルカクからロス・バークリーにつながれてシュートを許すなど、ホームチームのピンチが続きます。

 同点のまま互角の状況が続いたゲームがアーセナル優勢に傾いたのは、60分にジルーが姿を現したのがきっかけでした。前線でボールをキープでき、危険なエリアに必ず顔を出すこの男がいるといないとではやはり違います。中盤での攻防が続いていた試合をエヴァートンのゴール前に押し返し始めたアーセナルは、68分、ついに勝ち越し。右サイド、ゴールライン際でドリブルで抜けようとしたチェンバレンが足を引っかけられ、ジャッジはPKです。左隅に冷静に決めたシュートがやり直しになっても、アルテタは落ち着いていました。2発めはGKに読まれたものの、ゴール右上に確実に収め、2-1!この1点で楽になったアーセナルは、残り20分は完全なるマイペース。エヴァートンに主導権を譲ることなく、中盤を支配し続けます。

1点をリードしたところで、アーセナルはもうひとりの役者がスタンバイ。先日、契約延長を決めたばかりのトマシュ・ロシツキです。追加点は、すべて彼の鋭いパスが裏をえぐったところから生まれました。82分、右サイドでボールを受けたロシツキが、裏に走るサニャに通すと、右SBは一発で完全にフリー!余裕たっぷりのサニャはゴールライン際でタイミングを計り、ニアでマークをはずしたジルーにきれいに合わせて3-1。その2分後の4点めは、この試合でいちばん美しかったアーセナルらしい速いパスワークでした。カソルラが右に展開したパスをロシツキがすかさず縦に送ると、今回ゴール前でフリーになったのは、メスト・エジル。DFがあわててチェックに入りますが、ワールドクラスのパサーがすぐ隣でノーマークとなったジルーを見逃すわけがありません。右足の柔らかいラストパスを、またもジルーが左足で流し込み、4-1!エヴァートンは、これでギブアップです。

ジルーは86分にもロシツキのパスからゴール左隅を狙い、たった30分弱でハットトリックかというシーンを創りましたが、これは惜しくも左に外れます。マルティネス監督のレオン・オスマン、マクギーディ投入は完全に空振り。12月のプレミアリーグで、試合終了間際に同点ゴールを決めたデュルフォーも、2点ビハインドからの登場ではいい仕事はできませんでした。試合は4-1のままタイムアップ。アーセナルの貫録勝ちといっていいでしょう。

この試合のMVPを選べといわれると難しいですね。1ゴール1アシストで、左サイドのマッチアップを制していたエジルもよかったのですが、やはり圧巻だったのは途中出場のジルー、ロシツキでした。ジルーのニアへの飛び込みとロシツキのタイミング絶妙の縦パスには、火曜日に戦うバイエルン・ミュンヘンは気をつけたほうがいいですね。この試合でいちばん積極的にシュートを放っていたカソルラもよかったと思いますが、さすがに今日は、他の3人に拍手を送るほうの立場でしょう。チャンピオンズリーグでも、ぜひロシツキ、エジル、カソルラを揃えていただき、彼ららしい攻撃で、世界王者にプレミアリーグの強さをみせつけてほしいと思います。

アーセナルはベスト4進出一番乗り。悲願のタイトルまで、あとふたつです。できれば、マンチェスター・シティとはファイナルで当たりたいですね。今日のサッカーができれば、本拠地エティハドでは滅法強いマン・シティも、ニュートラルのウェンブリーで苦しむことになるでしょう。ヴェンゲル監督、このチャンスをぜひ優勝という形に残して、脇から何かとツッコミを入れてくるモウリーニョさんを黙らせましょうね!

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“復活エジル&圧巻ジルー!アーセナル、エヴァートンに4発快勝でFAカップ4強一番乗り!” への3件のフィードバック

  1. ちくちく より:

    次シティと当たるなよー
    トッテナム、リバポ、エバートンって全部倒したんだから神様ー

    —–
    レイトンさんに便乗。次のシティはほんま勘弁で!エジル総督が久々にご機嫌で嬉しかったです!

  2. makoto より:

    レイトンさん ちくちくさん>
    プレミアリーグ4位以内の確率が高いアーセナルとマンチェスター・シティに決勝にいっていただけると、ヨーロッパリーグ出場権が7位にまで広がるので、私としてもそうなってほしいです。今日の夜ですね、抽選。祈るしかありませんが。

  3. より:

    更新お疲れ様です
    あとFA杯って準決勝からどちらにせよウェンブリーなんでエティハドの心配はしなくても良いですね

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