枠に飛ばないリヴァプールのシュート、チェルシー決勝進出!~キャピタルワンカップ準決勝速報【後篇】
延長後半、アルベルト・モレノに代わってリッキー・リー・ランバート登場。ロジャース監督、最後の勝負です。107分、FKでの競り合いでシュクルテルとクルトワが口論となると、チェルシーのGKを止めに入ったのは何とバロテッリ。チェルシーは左サイドでボールをキープし、確実に時間を使います。119分のルーカスのミドルが宙を舞うと、リヴァプールにはこれ以上のチャンスは訪れませんでした。チェルシー、決勝進出!FAカップを落として危機感を高めていたであろうモウリーニョ監督のベンチは、歓喜のガッツポーズです。
「観戦した誰もが、われわれが3-1、4-1で勝っていた試合だと思ったはず。しかし結果はそうではなく、明日のゲーム次第だ。今のチームは自信を持ってプレイできており、どんな相手でも突破できると思う」「われわれに唯一足りなかったのは、ペナルティエリア内での最後のタッチだ」。試合前の会見でこう語っていたロジャース監督は、同じ言葉をかみしめているのではないでしょうか。足りなかったのは、フィニッシュの精度。ジエゴ・コスタのシュートの多くが枠に飛んでいた一方で、リヴァプール攻撃陣のそれは、大半がクロスバーを越えていきました。
そしてもうひとつ感じたのは、「なぜもっとサイドを使わなかったのか」。象徴的だったのは、87分にスターリングが右からのサイドチェンジを足元に止めた場面。すぐ外をアルベルト・モレノがフリーで走っていたにも関わらず、スターリングは中に持ち込み、遠めからのシュートを打ち上げてしまいました。コウチーニョやバロテッリ、エムレ・ジャンが複数の選手を振り切るなど、サイドで勝てていたレッズがピッチをワイドに使えていれば、決定的なチャンスはより増えていたのではないでしょうか。とりわけ、ヘッドで競り合えるリッキー・リー・ランバートを投入した延長後半の15分は、サイド攻撃の徹底度がほしい時間でした。一発勝負なので、最後はシュクルテルまで上げるというリスクをとってもよかったのではないかとすら思いました。
片やチェルシーは、決していいときの彼らではありませんでした。大事な試合では常にマティッチが締めてきたバイタルエリアは空き気味で、サイドのマッチアップでピンチを招くシーンも多く、ショートカウンターでは持ち過ぎてシュートチャンスを失うシーンが目立ちました。もしかすると、FAカップ敗退のショックが焦りにつながっていたのかもしれませんが、それでも大事なところでミスを犯すことなく、レッズにゴールを許さなかった戦いぶりは、さすがプレミアリーグ首位チーム。今夜の彼らは勝者にふさわしかったと思います。やはり、いちばん後ろにクルトワがいる安心感は大きいですね。リヴァプールのタッチを狂わせたのは、「端に決めないと入らない」「強く蹴らないと決まらない」と、過剰に意識させられたクルトワの存在なのかもしれません。
明日の同じ時間に登場するのは、初戦1-0辛勝のトッテナム。チェルシー同様、FAカップを落としたばかりの彼らが、リーグ1(3部相当)のシェフィールド・ユナイテッドに敗れる番狂わせはあるのでしょうか。決勝は3月1日、ウェンブリー。いよいよファイナリストが決まります。
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改善すべき点は多くありますが、サイドのスペースを使えなかったのは、チェルシーのカウンターを恐れていたのかもしれませんね。終始相手のSBに主導権を奪われていたように見えました。奪われた後のトランジションを考えると中央はサポートがあるので、若いスターリングはリスクを恐れてしまったのかもしれません。
しかし、チェルシーはアザールが守るほうからしたらしんどいですね。なまじ中央にマティッチがいるので前に残ることも可能ですし…それにともない、リバプールの2列目も戻ってきざるおえないので、カウンターも威力がなく負のスパイラルでした。
リバサポさん>
サイド攻撃を徹底したらよりチャンスを多く作れていたかもしれないといいつつ、サイドにシフトしていたらより抑えられていたかもしれず…。「れば・たら」のお話となりますが、コウチーニョやエムレ・カン、スターリングが時折抜け出していたので、「あの攻撃をもっとしていれば…」と思いました。確かに、アザールはやっかいです。