FAカップ再試合は順当!4部相手にやっと勝利したマンチェスター・ユナイテッドに足りないもの
それでも、左右からのクロスが徐々に合ってきていたホームチームが24分にようやく先制します。左からのクロスをフェライニが打点の高いヘッドで落とすと、最前線に上がっていたマタが左足でプッシュ。29分には、右からのCKを逆サイドにいたブリントにつなぎ、クロスをロホがヘッドで合わせて2-0。プレミアリーグでなかなか決まらなかったサイドからの攻撃が、4部相手とはいえやっとゴールにつながりました。
2点差をつければ楽に勝てるはずという予断が甘いことは、終盤の3失点で逆転負けを喫したチェルシーの敗退が証明しています。最後まで気を抜かずに戦う。マンチェスター・ユナイテッドがこれからの60分間で果たさなければならない命題です。前半は、攻め続けながら2-0をキープ。他会場に目を移せば、デフォーとジャッケリーニという代表レベルの選手を揃えたサンダーランドが、クレイブン・コテージでのアウェイ戦でフラムに1-0とリードを許しています。FAカップは、プレミアリーグ所属という看板だけでは簡単に勝利は得られません。
後半もまた、開始早々から右サイドを崩して再三クロスを上げるマンチェスター・ユナイテッドが攻勢です。50分には右から抜け出したファン・ペルシが目の前に飛び出してきたGKに右足のシュートをぶつけ、53分にもフェライニのヒールパスのこぼれ球をルーニーが拾ってミドルを放つと、GKのセーブに反応したファン・ペルシが詰めてシュート。前半は消えていたファン・ペルシがボールに絡むようになりました。58分、左からのクロスにファーサイドから走り込んだディ・マリアがサイドネットを狙ったシュート。DFに当たって3点めはならなかったものの、ここにきてプレミアリーグ3位とリーグ2で14位の地力の差が明確になりました。
63分にもディ・マリアのふわっと浮いた縦パスをワントラップのボレーで狙ったファン・ペルシは、直後にジェームズ・ウィルソンとチェンジ。ピッチに入った19歳は、10分も経たないうちに、中央からの思い切った左足シュートを右のサイドネットに突き刺し勝利を決定づけます。ジェームズ・ウィルソンこそが、ウェイン・ルーニーの後継者でしょう。2~3人を平気で置き去りにするドリブルと正確なシュートに、プレミアリーグ屈指のストライカーに化ける可能性を感じます。
3-0で勝ったとはいえ、好調のアーセナルやリヴァプール、首位のチェルシーと比べると、ファン・ハール監督のチームには物足りなさを感じます。いちばんの違いは、攻撃のバリエーションの少なさ。とりわけ、狭いスペースをコンビネーションで崩すアイデアのなさが、マンチェスター・ユナイテッドの弱点だと思います。セスク、カソルラ、エジル、スターリング、コウチーニョは、中央を固められたとき、相手の読みをうまく外してコースを創り、縦や斜めにパスを入れて味方をフリーにしようとします。同じ状況で、マンチェスター・ユナイテッドは単調に横にまわすだけ。アストン・ヴィラを完全に崩壊させたアーセナルや、ウェストハムに完勝したリヴァプールのサッカーは、今のマタやディ・マリアには望むべくもありません。チームの熟成を待たずに個人でやれるとすれば、やはりこの人のセンスなのですが…。ストライカー、ウェイン・ルーニー。キャプテンをもっと前で機能させれば、引いて守る相手に攻めあぐむシーンは減るでしょう。
サンダーランドは、同点のオウンゴールをきっかけにフラムをひっくり返したようですね。本日のFAカップは順当でした。明日は、リヴァプールが登場します。後半出てくるであろうスタリッジが楽しみです。
【2月3日 FAカップ4回戦再試合結果】
シェフィールド・ユナイテッド 1-3 プレストン
フラム 1-3 サンダーランド
マンチェスター・ユナイテッド 3-0 ケンブリッジ
【2月4日 FAカップ4回戦再試合日程】
ボルトン vs リヴァプール
【2月14日 FAカップ5回戦】
ブラックバーン vs ストーク
ダービー vs レディング
クリスタル・パレス vs リヴァプール or ボルトン
WBA vs ウェストハム
【2月15日 FAカップ5回戦】
アーセナル vs ミドルスブラ
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更新おつかれさまです。
主様はユナイテッドサポーターなだけあって見方が厳しいですね。他サポとしては悪い悪いと言われながらも勝ちをしっかり重ねているユナイテッドは不気味な存在です。特にシーズン終盤が…
Ferguson政権下のManchester Unitedでは、スクランブル体制の場合をのぞき、おおむねセンターもしくはセカンド(シャドー)ストライカーの位置で起用されていますが、割と頻繁に顔ぶれが変わるイングランド代表の場合、中盤の前、ときにCMF近くにまで位置を下げているケースがあります(GerrardとLampardがいなかったら、もっとポジション下がってたかも…)。
異なるチーム事情が作用しているとはいえ、プロの目からすると「もうちょっと後ろで起用したい!」と思わせる適性がRooneyにはあるのでしょうか? Manchester Unitedフリークのmakotoさんが、Rooneyといういち選手をどのように捉えられているのか。いつかご意見をお聞きしたいです。
個人的には、Rooneyはどのプレーもそつなくこなせるがゆえに、チーム事情でポジションが宛てがい扶持になってしまうという「高次元」の器用貧乏なのかな、と思っているのですが…
せおさん>
悪い時はどんなチームでも課題が目立つものですが、アーセナル、リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・シティと比べると、完勝したときのサッカーが大味なんですよね。「ブリントの縦パス一発」「ファン・ペルシの凄いボレー」等々。個人技に秀でた選手がいるのはいいことではあるものの、それに依存している状態では、上位との対決で勝てるイメージがなく。数人が絡んだ爽快な崩しを見せてもらえれば、手離しで喜べるようになると思います。
ASAPさん>
高次元の器用貧乏という表現は、言い得て妙ですね。ルーニーのポジションと適性ですが、ジルーのような、足元に欲しがりフィジカルが強いタイプがいるなら縦の関係でセカンドストライカー。ジエゴ・コスタやファルカオのように裏に抜けたいタイプと組むなら2トップの片割れがいいのではないかと思います。(ファン・ペルシとは悩みますが、縦がよさそうですね)
中盤を組み立てられる力も守備力もあるのですが、そのポジションではセスクやランパードのほうが上だな、と思います。突出しているのは、シュートだけでなく「ゴール前で決定的な仕事をする力、引き出しの多さ」ではないでしょうか。とりわけ、FWやMFを使うのがうまいところ。香川真司がハットトリックしたWBA戦は、自身もスーパーミドルを決めるなど、ルーニーのよさが全部出た試合でした。
流石にアーセナルのようなパス回しを今のユナイテッドに期待するのは酷ですね。でもスウォンジー戦でセスクが見せたようなプレーをルーニーにはやってほしいなぁ。
攻撃の形が作れないのは監督がポジションを弄り過ぎなのが原因だと思っています。もう少し出場する選手によって固定的に使ってほしい。とは言え、今シーズンは上位陣に力負けしない個の力を持った選手を獲得できただけで良しとしなければならないのでしょう。チームの形が出来るのは最終盤になるのかなぁ…。
Uボマーさん>
確かに、ファン・ペルシとファルカオ以外は全員いろんなところをやってますね。3バック、4バックそれぞれの中盤のベストメンバーが固まれば、一段クオリティが上がる気がします。