偏愛的プレミアリーグ見聞録

イングランド各地で、キャピタルワンカップの3回戦が開催されました。 プレミアリーグからは8チームが挑みましたが、スウォンジーがハル・シティにアウェイながら敗れた以外は、サプライズはありませんでした。注目の試合は、チャンピオンズリーグと先週末のプレミアリーグで連敗を喫してしまったマンチェスター・シティがアウェイでサンダーランドと戦う「首位×最下位対決」と、レスターVSウェストハムという「プレミアリーグ絶好調対決」。前者はマンチェスター・シティの圧勝で終わり、後者は延長戦の末にレスターが勝利。キングパワースタジアムでのホームゲームだったことを考えれば、レスターの勝利は一見、順当です。

しかしまあ、ラニエリ監督はよくぞメンバーを落としました。チャンピオンズリーグ出場権圏内にいるレスターとウェストハムのゲームは、両者ともヘリコプターを空中で止めるホバリング状態で、「どこまでチームのエンジンとなる主力を下げても落下せずにすむのか」をガマン比べしているようなスタメンでした。レスターのラニエリ監督は、岡崎慎司とジェイミー・ヴァーディをベンチからも外し、トップはウジョアとクラマリッチ。マフレズ、デラート、シュルップ、カンテ、守護神シュマイケルを全員ベンチに温存するという1軍半仕様でした。一方のウェストハムもサコがおらず、パイェとウィンストン・リードは途中出場です。

6分にスローインからの競り合いで中央にこぼれてきたボールをドドーが決め、レスターが一方的に攻める展開。コリンズを抜き去ってアドリアンと1対1になったクラマリッチがチップキックをミスしていなければ、勝負は早々に決まっていたでしょう。27分にサラテの左足シュートがDFに当たって同点になると、レスターは何度もチャンスを創りますが、オルブライトンの強烈ミドル、ウジョアのヘッド、シュルップと途中出場のマフレズがつかんだGKとの1対1は、ことごとくアドリアンに止められます。116分にキングのヘディングシュートが左サイドネットに吸い込まれ、ようやくレスターが勝利をものにしましたが、ホームで押しながらPK戦間近という危ないゲームでした。

2013-14シーズンのファイナルの再現となったサンダーランドとマンチェスター・シティは、フェルナンドとカバジェロを入れた以外はベストメンバーだったプレミアリーグ首位クラブが4発快勝。彼らの補強戦略が大正解だったことと、チャンスでことごとく外したアグエロが本調子ではないことを確認した一戦でした。9分にヘスス・ナバスがファン・アーンホルトに倒されて得たPKはアグエロが決めたものの、1点を追いかけるサンダーランドに逆に勢いがつき、2点めがどちらに転がるのかわからない展開。しかし25分、新戦力コンビが完璧なカウンターを決め、勝負を決定づけました。スターリングのスルーパスに左から抜け出したデブライネは、GKの足元を抜く素晴らしいシュートで2点め。33分、右からの高速クロスをGKマンノーネが弾くと、詰めたスターリングのシュートは左ポスト、マンノーネと当たってゴールイン。36分には、2点めと逆にデブライネのスルーパス、スターリングがマンノーネの左手を弾くゴール。サンダーランドは、ハーフタイムを迎える前にゲームを終えられてしまいました。

私は、55分から途中出場した「イングランドのメッシ」、18歳のパトリック・ロバーツのゴールを期待していたのですが、次戦にお預けとなりました。サンダーランドの収穫は、83分にゴールを決めたトイヴォネンとアシストのイェドリンが期待できそうという淡い発見に留まりました。守備が脆弱なこのチームが最下位から脱出するのは難しそうです。今季プレミアリーグの監督解任第1号は、おそらく今回クビになったらそのまま引退となるアドフォカートさんが大本命でしょう。

このほか、プレミアリーグ勢ではエヴァートン、ボーンマス、アストン・ヴィラが4回戦進出を決めています。本日は、いよいよノースロンドンダービー。アーセナルとトッテナムが激突します。

【キャピタルワンカップ3回戦　9/22結果】
ミドルスブラ 3-0 ウォルバーハンプトン
アストン・ヴィラ 1-0 バーミンガム
ハル・シティ 1-0 スウォンジー
レスター 2-1 ウェストハム
フラム 0-1 ストーク
サンダーランド 1-4 マンチェスター・シティ
レディング 1-2 エヴァートン
プレストン・ノースエンド 2-2（PK2-3） ボーンマス

【キャピタルワンカップ3回戦　9/23組み合わせ】
ウォルソール VS チェルシー
ノリッジ VS WBA

ミルトン・キーンズ・ドンズ VS サウサンプトン
トッテナム VS アーセナル
マンチェスター・ユナイテッド VS イプスウィッチ
リヴァプール VS カーライル
クリスタル・パレス VS チャールトン
ニューカッスル VS シェフィールド・ウェンズデイ