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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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岡崎慎司の2人抜きゴールで勝ち越したレスター、痛恨のハンドでスパーズと引き分け再試合!

トッテナムVSレスターは、プレミアリーグならずとも観たい試合のひとつでしたが、FAカップ3回戦は両者ともメンバーを落としています。ホームのスパーズは、CBにフェルトンゲンがおらずヴィマー。ハリー・ケイン、ラメラ、デル・アリがベンチで、トップにソン・フンミン、サイドにはシャドリとオノマーが入っています。一方のレスターもまた、エースのジェイミー・ヴァーディと相棒のマフレズがいません。最前線にはウジョアと並んでこの冬加入したばかりのデマライ・グレイがおり、中盤にはネイサン・ダイアーとインレル。ドリンクウォーターがベンチに控え、最終ラインのモーガンとフートまでいないスタメンは、プレミアリーグでも経験がありません。デラート、ヴァシリェフスキ、ベナルアン、チルウェルの最終ラインは、トッテナムの速い仕掛けに対応できるのでしょうか。ホワイト・ハート・レーンのホームサポーターは、キックオフの前からテンションが上がっています。

静かな立ち上がりだった試合は、8分に動きました。左サイドでオノマーの縦パスに反応したシャドリが、ペナルティエリアに入るとすかさずシュート。GKシュマイケルが弾いたボールは、いちばんやっかいな選手の足元にいきました。GKとDFの位置を見て、冷静に左隅に決めたのはエリクセン。16分にはエリクセンが得意のFKを枠に蹴り込み、シュマイケルがパンチで逃れるシーンがあり、完全なるスパーズのペースと思いきや、19分にレスターが追いつきました。右からのデマライ・グレイのCKを、フリーになってヘディングで合わせたのはヴァシリェフスキ。左のサイドネットに刺さる完璧な弾道には、誰も反応できません。1-1となると、ホームのトッテナムがさらに攻勢を強めます。

20分、ソン・フンミンが左から切り崩すと、グラウンダーを受けたエリクセンのシュートはGKの正面。左サイドを一方的に攻め立てていたトッテナムに足りないのは、ラストパスの精度です。32分、CKのクリアをペナルティエリアの外にいたトリッピアーが狙うも、痛烈な一撃は、その強度ゆえにバーの上に舞ってしまいます。前半は1-1。ヌジエをひざのケガで欠き、ハリー・ケインもベンチで最前線にパンチ力がないトッテナムでしたが、アウェイのレスターはその上をいく飛車角金落ち。後半も、ホームチームがゲームを支配するだろうと思っていました。ところが…。ハーフタイムにカンテに代わり、ピッチに登場したのは岡崎慎司。今季プレミアリーグで3ゴールのストライカーは、開始間もなくの48分、素晴らしいプレイでスタジアムの歓喜を呼び起こします。

CKのクリアを拾ったチルウェルがすかさず左サイドに出すと、アンディ・キングが縦に走ったストライカーへダイレクトパス。岡崎慎司は、中へのワンタッチでトリッピアーを置き去りにすると、左に切り返してアルデルヴァイレルトまで抜き去りました。1発めのシュートはGKの正面、フォルムが足でブロック。そのリバウンドを狙った2発めは、左ポストの内側を叩いてゴールに吸い込まれます。采配が当たったラニエリ監督は、ガッツポーズで日本代表FWを称えています。

1-2と勝ち越されたトッテナムが次のラウンドに進出するには、2発必要になりました。50分、CKからの二次攻撃でシャドリがヘディング。55分にはまたもシャドリがドリブルで持ち込んで左からシュート。前半同様、左サイドを崩すシーンが多いスパーズに対して、レスターは前線にロングボールを通すシンプルな攻撃でダメ押しを狙います。64分、デマライ・グレイが思い切りよく右足を振り抜くと、ボールは右のポストぎりぎりをかすめます。バーミンガムから来た19歳のウインガーは、間違いなく即戦力です。

こうなると、ポチェッテイーノ監督はベンチで休ませていた主力を出さないわけにはいきません。ハリー・ケイン、ベンタレブ、デル・アリ。しかし今日のトッテナムは連携が今ひとつで、レスター守備陣を脅かすシーンが創れません。81分、オルブライトンのクロスにタイミングよくジャンプした岡崎慎司は、14センチ高いヴィマーに競り勝ちました。バックヘッドは右に切れていきますが、最前線に張ったタイミングでクロスをもらえる機会が増えれば、彼のゴールは格段に増えるでしょう。こういったボールがほとんどないなかでも、プレミアリーグ3ゴールという数字を残しているのですから。

アルデルヴァイレルト、ベンタレブ、デル・アリと、積極的にシュートを放っていたトッテナムは、ことごとく枠を捉えることができず、残り時間は5分。勝利をほぼ手中におさめていたレスターは、87分にネイサン・ダイアーが痛恨のハンドを取られてしまいます。ハリー・ケインの容赦ないPKで2-2。13日のプレミアリーグで再度激突する両者は、キングパワー・スタジアムの再試合で三たび顔を合わせることになりました。

得点経過でいえば、「レスターが勝利を逃した試合」ですが、内容的には「トッテナムが勝ちきれなかった試合」。ラニエリ監督にとっては悪くない着地で、ポチェッティーノ監督からすれば残念な結果となりました。とはいえ、両者ともに新しい布陣を試し、出場機会が少ない選手や新戦力、負傷明けの選手を慣らすことができたのですから、それなりの収穫はあったのではないかと思います。プレミアリーグ2位と4位のドローの報を聞いて、優勝争いをしているアーセナルとマンチェスター・シティは喜んでいることでしょう。そしてもう一方、岡崎慎司のプレイを愉しむチャンスがひとつ増えた私たち日本のファンも、バンザイです。いやー、素晴らしいですね。一発で決めないあたりがザキオカさんらしく、思い出し笑いが止まりません。

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“岡崎慎司の2人抜きゴールで勝ち越したレスター、痛恨のハンドでスパーズと引き分け再試合!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズの立場からしたら、圧倒しておきながら勝てなかった消化不良の試合でした。先制し、試合を支配しておきながら中押しが中々出来ない事は課題ですが、非常に若いチームなので、いつか必ずこの宿題の答えを出してくれると思います。ドローは望んだ結果では無かったですが、普段のEL組等控えや若手に出場機会が舞い込んできたと考えれば悪いことばかりではないですね。
    しかし岡崎のゴールは見事でした。アルデルヴァイレルトが膝をつく程華麗に出し抜かれるのは移籍後初めて観ました。
    願わくば岡崎にはあと2回あるスパーズ戦以外で爆発して頂きたいものです(笑)

  2. エジルのパス より:

    岡崎の活躍は単純に日本人として誇りに思いますね!これからも頑張ってほしいです(^ ^)

  3. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    次戦、若手を一定使いながらアウェイで勝てれば結果オーライですね。岡崎慎司がアルデルヴァイレルトを抜いたシーンは、私もびっくりしました。

    エジルのパスさん>
    ですね!あちらのメディアの評価は軒並み激高でした。うれしいです。

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