残り7分、マルシアルのボレー!マンチェスター・ユナイテッドがドローに持ち込み再試合!
ウェストハムの最大の脅威はディミトリ・パイェですが、マイケル・アントニオの突破力とキャロルの高さにも要注意。運動量豊富なクヤテや抜け目ないランジーニを自由にすると、危険な3人にチャンスボールを通されます。開始直後にラシュフォードが突破を図ったマンチェスター・ユナイテッドが押すと思いきや、アグレッシブなハマーズが主導権を握ります。5分に左サイドからのグラウンダーに直接左足を振り抜いたキャロルのシュートは、左に大きくアウト。6分、キャロルが縦に出したラストパスに右からエメニケが走り、クロスに狙われたシーンは決定的でしたが、わずかにポストの外。10分にクレスウェルの左からのクロスを押し出すようにヘッドで叩いたキャロルの一撃はクロスバーを越えていきます。
プレミアリーグ上位のウェストハムが直線的に攻めるのに対して、マン・ユナイテッドの攻撃はいつもどおり時間がかかります。16分、ヴァレラのパスを中に持ち込んだリンガードの左足はニアに外れ、直後にヴァレラが上げたクロスを体を寝かせて合わせたラシュフォードのボレーも枠にいきません。19分にパイェのパスでゴールライン際に上がったクレスウェルのクロスは、エメニケのヘッドがデ・ヘアの正面で助かりました。マン・ユナイテッドの反撃はマルシアルから。左サイドを抜け出した9番のクロスに、右足で合わせたエレーラのボレーは左のポストの脇を抜けていきます。両者とも攻撃的で、プレミアリーグらしいきびきびとした展開。どちらが先にゴールを奪うのか、まったくわかりません。
20分を過ぎると、マンチェスター・ユナイテッドの攻撃にスピードが出てきました。キャリックからラシュフォードとマルシアルに速い縦パスが通るようになり、エレーラやラシュフォードがランドルフのゴールを再三脅かします。出場停止のマタがいない中盤は、よくやっているのではないでしょうか。40分、ハマーズのチャンス。左からのクロスにキャロルのオーバーヘッドが空を切ると、フォローしたマイケル・アントニオの左足シュートは最終ラインが足元に入ってブロックし、危ない混戦をしのぎました。前半は0-0。ここまではまったくの互角といっていいでしょう。
47分に右から入ったマイケル・アントニオの危険なクロスは、デ・ヘアがダイビングで弾いてくれて事なきをえました。後半も一進一退、エキサイティングな攻防が続きます。57分、角度のないところから狙ったエレーラのFKはGKランドルフがキャッチ。セットプレーとなると、マタの不在を意識させられます。60分、ロホのパスを受けたマルシアルからのグラウンダーは、エレーラのダイレクトショットをウィンストン・リードがブロック。直後にリンガードのパスからラシュフォードがリードをかわしたチャンスは、バートンが体を張ってシュートコースを塞ぎます。ウィンストン・リードは足を痛めたのでしょうか。63分にオビヤングがピッチに入り、ビリッチ監督はさらにエメニケをサコにスイッチします。
FKのスペシャリストを欠いたマンチェスター・ユナイテッドに対して、ハマーズには素晴らしいキッカーがいました。68分、20メートルを超えるFKを、右足でカーブをかけてデ・ヘアが届かないゴール左上に決めたのはディミトリ・パイェ!エミレーツに続いて、オールド・トラフォードでもホームチームが敗れるのでしょうか。75分のFKは、ブリントのシュートが壁に阻まれます。ファン・ハール監督は、フェライニとラシュフォードを下げて、シュヴァインシュタイガーとデパイ。エレーラのシュートはクレスウェルにブロックされ、シュヴァインシュタイガーはミドルを大きくふかします。82分、ビリッチ監督最後のカードは、キャロルをエネル・バレンシア。その直後でした。マルシアルが右に展開したボールをシュヴァインシュタイガーが走り込んだエレーラに通すと、ファーに浮いたクロスにランドルフは頭上を越され、角度のないところからアントニー・マルシアルがボレー!ようやくホームチームが同点に追いつきました。
マンチェスター・ユナイテッドはホームで決着をつけるべく、怒涛の攻撃に出たものの、フィニッシュが枠にいかず、勝ち越しゴールを奪えません。87分、キャリックのミドルはポストすれすれ。ファン・ハール監督はヴァレラをひっこめ、ダルミアンを投入します。90分のマイケル・アントニオのシュートは、デ・ヘアが右に飛んでCK。プレミアリーグにしては短い3分の追加タイムは、ウェストハムの4本のCKを耐えるうちに終わり、ドローでタイムアップとなりました。
ホームで引き分けはいい結果ではないのですが、失うものがないアウェイチームが目の色を変えて挑んでくるのがFAカップの怖さです。今日は、強かったウェストハム相手に希望をつないだことを静かに喜びたいと思います。アーセナルよりも失点をひとつ少なく抑え、10分ほど早く目覚めたために、最悪の結果を回避できました。いちばんうれしかったのは、84分からの6分間、アレックス・ファーガソン時代を思い出させるような猛攻を見せてくれたこと。ラストパスを冷静に出せていればという悔いはありますが、このサッカーをリマッチでも見せてくれれば勝利をもぎ取れるのではないでしょうか。4強に残っているのはプレミアリーグ12位、14位、15位のチームなので、アップトンパークという最大の難所をくぐり抜けられればタイトルへの期待は俄然高まります。昨季と今季のプレミアリーグTOP4がいないFAカップとなるのを、マンチェスター・ユナイテッドが水際で食い止めたゲームでした。
■FAカップ6回戦 3/11~13結果
・3月11日
レディング 0-2 クリスタル・パレス
・3月12日
エヴァートン 2-0 チェルシー
・3月13日
アーセナル 1-2 ワトフォード
マンチェスター・ユナイテッド 1-1 ウェストハム
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この試合のユナイテッドは主審を味方にしてどうにか引き分けれましたね!
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ハマーズさん>
監督は、双方ともアンラッキーだったと思っているでしょうね。ウェストハムが強かったので、負けなくて何よりと思っておりますが、フラットにみればドローは妥当な結果だったのではないかと思います。