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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ソン・フンミンがハットトリック!ロンドンダービーを制したトッテナムが4強進出!

ボーンマス3-0、ワトフォード1-0、レスター1-0。すべてクリーンシートでプレミアリーグ勢に3連勝し、ベスト8進出の快挙を成し遂げたミルウォール。現在、プレミアリーグでチェルシーのすぐ下にいるトッテナムは、本拠地ホワイト・ハート・レーンでリーグ1(3部相当)のクラブに負けるわけにはいきません。ミルウォールの勢いを警戒していたポチェッティーノ監督は、リップサービスをしていたわけではなかったようです。GKとSBはカップ戦仕様ながら、CBと中盤より前には主力を投入。GKフォルム、DFはエリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲンの3枚。サイドにトリッピアーとベン・デイヴィスが入り、セントラルMFにはワニャマとハリー・ウィンクス。デル・アリとソン・フンミンの前にハリー・ケインといった布陣です。

キックオフから攻勢のトッテナム。ハリー・ケイン、トリッピアー、ソン・フンミンと、右からのシュートを立て続けに3発喰らったGKトム・キングは、いずれもセーフティに弾いて先制点を許さず。シュートを打った直後に足をひねったハリー・ケインはピッチに戻れず、10分も経たないうちにエリクセンに交代となります。15分、後方のトリッピアーからボックスの左にロングフィードが出ると、飛び出したトム・キングにデル・アリが先着しますが、ヘディングシュートにGKが触り、戻ったDFがゴール前でクリアします。ミルウォールの最初のチャンスは20分。左からのFKをモリソンがヘッドで叩きますが、ベン・デイヴィスが体に当ててCKとなります。

27分にミルウォールが仕掛けたカウンターに、スパーズサポーターはヒヤリとさせられたのではないでしょうか。ひとりで持ち込んだオブライエンがつぶされると、後ろからフォローしたグレゴリーのシュートはわずかに右に外れます。直後のスパーズのCKは、ボックス手前から狙ったフェルトンゲンのシュートがバーの上。ここまで耐えてきたミルウォールは、30分を過ぎたところでプレミアリーグのクラブに今季FAカップ初失点を喫します。右からのクロスのクリアが高く浮き、セカンドボールに競り勝ったのはボックス右にいたデル・アリ。脇に落としたボールをダイレクトで叩いたエリクセンのボレーは、動きがよかったトム・キングも反応できませんでした。

これで勢いがついたスパーズ。35分にエリクセンのCKからワニャマのヘッドがクロスバーを叩くと、40分には素晴らしいミドルで2点めが入ります。エリック・ダイアーが右に流したパスを受けたソン・フンミンは、ワンタッチでクーパーをかわすと左足を一閃。左のサイドネットに刺さったスーパーゴールに、ホワイト・ハート・レーンは大歓声です。前半はこのまま2-0。ロンドンダービーを勇敢に戦ったミルウォールにとっては、厳しい展開となりました。2012-13シーズンにプレミアリーグのクリスタル・パレスを率いていたイアン・ホロウェイ監督は、強豪に一矢を報いることができるでしょうか。

後半開始直後、ロングボールが上がって最終ラインの裏に飛び出したデル・アリは、スムーズにシュート態勢に入れずトム・キングに止められます。ベン・デイヴィス、エリクセンが遠めからでも思い切りよく狙ってくるため、ミルウォールはラインを下げてばかりもいられません。54分、ソン・フンミンが本日2発めのスーパーゴールを決め、ミルウォールの希望を打ち砕きます。トリッピアーが最前線に上げたロングフィードは、いかにもスパーズ。後ろからのボールに走ったソン・フンミンは、完璧なボレーでニアを射抜きました。

63分、速い展開で左のベン・デイヴィスにボールが渡ると、高速グラウンダーに反応したのはキレキレのソン・フンミン。GKの肩口に打った左足のシュートは狙いよりも浮いてしまったものの、好調な選手らしい意図が明確な一撃でした。後方から決定的なロングボールを繰り出すトリッピアーと、左サイドから再三オーバーラップしてくるベン・デイヴィスがレギュラーではないスパーズは、プレミアリーグNo.1のSB王国。72分の4点めは、右から上がったトリッピアーがエリクセンに預け、逆サイドからゴール前に出たデル・アリがノーマークで流し込んだゴールでした。

結果を出したデル・アリは、これにてお役御免。公式戦3ゴールがすべてPKだったフィンセント・ヤンセンは、79分に左サイドからソン・フンミンが通したグラウンダーを左足で叩き、流れのなかからの初ゴールをゲットしました。感無量の表情を浮かべる9番、肩を抱くチームメイト、歓喜のサポーター。「リーグ1相手に4-0とした後のゴール」などと、外形的な情報だけでこの1点を語るのは野暮というものでしょう。苦しんできたストライカーを、ピッチとスタジアムが一体となって祝福する感動的なシーンでした。チーム全員の気持ちを盛り上げるゴールで5-0としたスパーズは、最高のエンディングでゲームを畳みます。ワニャマに代わったシソコがユーロ2016を彷彿とさせる快速ドリブルから、左のエリクセンにパスをつなぐと、ラストパスを受けたソン・フンミンのボレーはここまで奮闘のトム・キングがトンネル。絶好調アタッカーがハットトリックを達成し、スパーズが悠々とベスト4進出を決めました。

ハリー・ケインの負傷が軽い捻挫で済めば、ポチェッティーノ監督にとっては文句なしの一戦でしょう。マンチェスター・シティ、アーセナル、トッテナム。リンカーンやミルウォールが大きな夢をみた2016-17シーズンのFAカップ準々決勝は、プレミアリーグのトップクラブがジャイアントキリングを許さず、これまでとは別な大会のような強豪限定のセミファイナルとなりました。明日のチェルシーVSマンチェスター・ユナイテッドが終わると4強が確定となり、スタンフォード・ブリッジで抽選が行われるドローも併せて発表されます。ノースロンドンダービーとマンチェスターダービーを秘かに期待しているのですが、チェルシーは強いですからね…。

【FAカップ準々決勝結果・組み合わせ】
ミドルズブラ 0-2 マンチェスター・シティ
アーセナル 5-0 リンカーン
トッテナム 6-0 ミルウォール
チェルシー VS マンチェスター・ユナイテッド

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“ソン・フンミンがハットトリック!ロンドンダービーを制したトッテナムが4強進出!” への2件のフィードバック

  1. ホタ より:

    WHL最後のFAカップとしてはこの上ない内容でした。
    ケインはVTRで観ると中々酷く足首を捻っているように見えてある程度の離脱は覚悟しなければなりませんね…
    初めてオープンプレーの中で決めてノッて欲しいヤンセンとキレキレのソンに期待です。

  2. makoto より:

    ホタさん>
    フィンセント・ヤンセンの決めた直後の表情にぐっときてしまいました。サポーターが誇りに思えるいいチームですね。

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