2020.06.28 FAカップ・リーグカップ2019-20FAカップ・リーグカップ
シュート37本、決着は118分…大苦戦のマンチェスター・ユナイテッドがFAカップ4強進出!

レッド・デヴィルズのキーマンは、縦パスを足元に収められるイガロと、違いをもたらすファン・マタ&ブルーノ・フェルナンデスです。22分、フレッジの縦パスをマクトミネイがヒールでラインの裏に転がすと、抜けたイガロの目前でクルルがキャッチ。29分に単独突破を図ったマクレーンは、淡白なミドルを打ち上げてしまいました。33分、キャントウェルとプッキが2対1になった決定機なカウンターは、プッキへのパスがずれ、ルーク・ショーのカバーで進路を塞がれました。43分、キャントウェルがボックス左から仕掛け、グラウンダーを入れると中央でルップがフリー。左足の渾身の一撃は、マグワイアがコースを塞いで事なきをえました。
前半は0-0。マンチェスター・ユナイテッドの先制ゴールは、ポグバが準備を始めた51分でした。マグワイアがルーク・ショーに預け、速いクロスが中央に入ると、マタが2人のマークをかいくぐって左足でタッチ。高く浮いたボールがイガロの前に落ちると、右足のアウトで合わせたボレーがクルルの指先を抜けていきました。プレミアリーグではノーゴールのイガロは、ヨーロッパリーグとFAカップは先発4試合ですべて決めて5戦5発。ポストプレーを繰り返しながらスペースを見出すストライカーは、短時間でゲームに入るのが苦手なタイプなのかもしれません。
圧倒的にポゼッションを取る赤いユニフォームは、カウンターさえケアすれば押し切れそうに見えたのですが…。62分にマタ、リンガード、ジオゴ・ダロトが下がり、ラシュフォード、ブランドン・ウィリアムズ、グリーンウッドがピッチへ。2020年に入ってからPK2発のみとペースダウンしたプッキは、チャンスなきまま71分にドゥルミッチに後を譲ります。ノリッジが追いついたのは75分。オネル・エルナンデスから中央でパスを受けたキャントウェルにフレッジが詰めたときは、何でもないシーンに見えたのですが、中途半端なマグワイアのブロックをすり抜けたミドルが右隅を襲うと、打点が見えなかったロメロの反応が遅れました。

追加タイム6分、左のラシュフォードが斜めに転がしたパスを直接叩いたポグバのボレーはクルルが足でストップ。こぼれ球に反応したグリーンウッドの見事なボレーも、ノリッジの守護神が右に飛んで外に押し出します。慣らし運転のはずだったポグバは勝負のカードと化し、休ませたかったブルーノ・フェルナンデスは90分を過ぎてもピッチに残る羽目になりました。延長戦が始まって4分、ラシュフォードのミドルはクルルがセーブ。1分後、スールシャール監督はバイリーをマルシアルというスクランブルに打って出ました。
サイドが代わって、残り15分となっても1-1。PKのスペシャリストとして名高いクルルを擁するノリッジは、120分を終えたら最強チームにクラスチェンジします。111分、CKを叩きつけたマグワイアの決定的なヘッドは、またもクルルがぎりぎりで掻き出すビッグセーブ。相手が10人となってからのポゼッションは80%を超えています。ラシュフォードが強引に打ちまくり、シュート数が34本となった4トップのチームは、118分にラストチャンスを迎えます。
CKから左右にボールがまわり、左にいたボグバがイガロに縦パスを通すと、こぼれ球に飛び込んだマルシアルのタッチがゴドフリーに当たって中央へ。最前線に残っていたマグワイアのスライディングシュートがネットを揺らし、マンチェスター・ユナイテッドが苦しい試合をものにしました。プレミアリーグ最優先だったはずのチームは、公式戦12試合4ゴール4アシストのブルーノ・フェルナンデスを120分走らせる総力戦に突入するべきだったのか。イガロ、マタ、グリーンウッドにすべてをまかせて主力温存という選択肢もあったのではないか。ムキになったようにも見えるスールシャール監督の采配が妥当だったかどうかは、過密日程が終了する7月末にわかります。37本で2点ですか…!
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