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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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完璧だったテン・ハフ采配!マンチェスター・ユナイテッド、6年ぶりのタイトル獲得!

マンチェスター・ユナイテッドが勝てば、6年ぶりのトロフィー。ニューカッスルの最後のタイトルは1968-69シーズンのインターシティーズ・フェアーズカップで、国内となると1954-55シーズンのFAカップまで遡ります。赤・白・黒のフラッグとバナーに彩られた満員のウェンブリー。2022-23シーズンのカラバオカップ決勝が、キックオフの時を迎えています。

両者ともに、ベストメンバー。ワールドカップ後の公式戦で18戦17発6アシストのラシュフォードは、左サイドにいます。GKデ・ヘア、DFダロト、ヴァラン、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショー。2センターにカゼミーロとフレッジ、2列めにアントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード、最前線にヴェグホルストという顔ぶれです。

ニューカッスルの3トップはサン=マクシマン、カラム・ウィルソン、アルミロン。中盤にはブルーノ・ギマランイスが戻ってきています。彼らの懸念は、ニック・ポープのサスペンデッド。代役のロリス・カリウスが公式戦に出場するのは、2年ぶりです。キックオフから敵陣に殺到したマンチェスター・ユナイテッドは、3分過ぎから右サイドを攻められています。

9分、いきなりダロトにイエロカード。13分にダロトのクロスをフレッジが競り、こぼれ球を収めたヴァグホルストが左足を振り抜くも、ロリス・カリウスの正面です。17分のアントニーのミドルも、GKが落ち着いてキャッチ。25分、トリッピアーの高速クロスに飛び込んだシェアのヘッドは、クロスバーを越えていきました。

31分、右からのクロスをファーでトラップしたのはサン=マクシマン。超速の切り返しでダロトを抜き去ったウインガーのシュートをデ・ヘアが弾くと、浮いたボールに反応したブルーノ・ギマランイスはボレーを打ち上げてしまいました。34分、左からFKを蹴ったのはルーク・ショー。中央に走り込んだカゼミーロのヘッドが、右のサイドネットを揺らしました。

さらに39分、左からドリブルで上がったヴェグホルストが、縦にラストパス。中央から流れてきたラシュフォードのフィニッシュは、ボトマンの足に触れて浮き上がり、体勢を崩したロリス・カリウスは触るのが精一杯でした。絶叫のウェンブリー。ニューカッスルが反撃に出てからも、マン・ユナイテッドサポーターのチャントが鳴り響いています。

42分のショートコーナーから、トリッピアーのクロスを頭で合わせたダン・バーンは、左に逸らしてしまいました。追加タイム4分、カウンターを仕掛けたのはヴェグホルスト。パスを出すかと思いきや、右から放った強烈なミドルは、ロリス・カリウスが上に弾き出しました。

前半は2-0で終了。シュート数は5対7でニューカッスルが上回っていますが、オンターゲットは5対1です。最高の形でハーフタイムを迎えたマンチェスター・ユナイテッドですが、トリッピアーのクロスとサン=マクシマンのドリブルは後半も要注意です。

エディ・ハウ監督はロングスタッフに代えてイサクを投入し、テン・ハフ監督はダロトをワン=ビサカ。後半開始直後、ボックス手前で10番が横に流したボールを受けたフレッジは、ダイレクトショットを左に外しました。47分、アントニーのコントロールショットはGKの正面。サン=マクシマンから奪ったワン=ビサカが仕掛けたショートカウンターは、ラストパスが通りません。

サン=マクシマンとブルーノ・ギマランイスが絡む左からのアタックは、ワン=ビサカ、ヴァラン、ブルーノ、アントニーが必死に着いてクロスを許さず。60分を過ぎても、イサクは役割を果たせずにいます。まったく攻められなくなったマンチェスター・ユナイテッド。運動量が減ったアントニーは、代え時かもしれません。

68分、デ・ヘアのパンチが小さくなり、拾ったジョエリントンとカラム・ウィルソンが連打。危険なシーンでしたが、コースに入ったワン=ビサカとリサンドロ・マルティネスが冷静にクリアしました。テン・ハフ監督は70分にフレッジとヴェグホルストを下げ、ザビッツァーとマクトミネイを投入。サイドの守備の強化が狙いでしょうか。

74分、ザビッツァーのカットからショートカウンター。縦パスをもらったラシュフォードの強烈な一撃は、ロリス・カリウスが右に反応してストップしました。78分にサン=マクシマンとブルーノ・ギマランイスが下がり、ウィロックとジェイコブ・マーフィー。82分にアントニーと代わったのは、ジェイドン・サンチョです。

88分にジェイコブ・マーフィーがアウトにかけたロングシュートは、デ・ヘアも見送った素晴らしい弾道でしたが、ポストの前で右にアウト。ここでラシュフォードがお役御免となり、マグワイアが最終ラインに入っています。91分にマット・リッチーがFKを浮かし、ジョエリントンが競り勝つも、デ・ヘアが左ポスト際に手を伸ばしてセーブしました。

94分にカウンターから独走したブルーノは、追いついてきたウィロックをキックフェイントでかわし、GKと1対1。右足のシュートはコースが甘く、ロリス・カリウスのビッグセーブに阻まれました。白と黒のフラッグが舞うウェンブリー。5分の追加タイムが終わり、タイムアップを伝える笛が鳴ると、赤いマフラーが一斉に掲げられました。

前半のMVPは、不穏な空気を一掃する先制ヘッドを決めたカゼミーロ。後半は、右サイドのアタックを封じたワン=ビサカでしょう。SBを代えてサイドアタックを止めた後、ザビッツァーとマクトミネイで縦のパスコースを塞いだテン・ハフ采配の勝利。プレミアリーグ開幕から連敗スタートのチームを、ここまで持ってきてくれた指揮官には、ありがとうのひとことです。

プレミアリーグのビッグ6と戦わずして勝ち取った幸運なタイトルではありますが、厳しかった前半戦を乗り越えて得たトロフィーは感無量です。自撮り棒で動画を撮るサンチョの脇にワン=ビサカの笑顔が見えたとき、心が震えました。戻ってきてくれてよかった。春になったらまた、この喜びを彼らとともに味わえればと思います。ヨーロッパリーグとFAカップ、そして…!


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