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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ペップはターンオーバー、スパーズはベストメンバー…激痛のカラバオカップ、勝者の代償と敗者のダメージ。

アンジェ・ポステコグルーは必勝、ペップ・グアルディオラは慎重。トッテナム・ホットスパー・スタジアムのカラバオカップ4回戦は、両者の体温が結果に直結した一戦でした。2-1でトッテナムがリードし、追加タイムは6分。劣勢のなかで、ジェイコブ・ライトとシンプソン=ピュゼーという予想外のカードを切ったペップは、ハーランドとアカンジをベンチに置いています。

残り30秒となり、敗色濃厚。しかしタッチラインのペップは、笑みを浮かべています。2017-18シーズンからカラバオカップ4連覇を達成した指揮官は、この試合を軽視したわけではなかったはずです。しかし最前線にフォーデン、2列めにサヴィーニョ、オライリー、ジェームズ・マカティ、マテウス・ヌネスという見慣れない前線は、敗戦を覚悟して選んだ布陣だったのでしょう。

ロドリがシーズンアウトとなり、デブライネ、グリーリッシュ、オスカー・ボブ、ジェレミー・ドク、カイル・ウォーカーは負傷リタイア。週末のプレミアリーグで、ボーンマスというやっかいなチームと戦わなければならないペップは、このうえハーランドまで失うのは避けたかったといっています。

「この大会は、アカデミーの選手たちを起用するいい機会だ。ニコ(・オライリー)はプレシーズンと同じようにプレイしていた。ジェイコブ(・ライト)はとてもよかった。ジャーマイ(・シンプソン=ピュゼー)はCBとしてプレイした数分は際立っていた。そしてジェームズ・マカティは、どれほど素晴らしいゲームだったか」

主力のコンディションを重視し、細心の注意を払って交代カードを切ったにも関わらず、サヴィーニョが足首を強打して担架に乗せられ、ピッチを去っています。筋肉の違和感を訴えていたアカンジと、試合後に頭部のケアを行っていたといわれるグヴァルディオルは、ボーンマス戦をベストの状態で迎えられるでしょうか。負傷者リストには、9人が名を連ねています。

一方、ホームで2点を先に決めたスパーズは、1点差となった後半は疲労困憊。残り30分からのシュートは、リシャルリソンの1本のみでした。最後のスローインで、ポステコグルー監督の前に立ったアーチー・グレイは、左のアムストリングに手をやって何かを訴えています。タイムアップの笛が鳴ると、ソランケはピッチに座り込んでしまいました

昨季プレミアリーグ王者を倒すという最高の結末の代償は、大きかったといわざるを得ません。サヴィーニョと競り合った際にハムストリングを痛めたファン・デ・フェンは、14分に涙を浮かべてリタイア。52分という中途半端な時間にベン・デイヴィスに後を譲ったロメロは、疲労が溜まっていたようです。

先制ゴールのヴェルナーは、後半の立ち上がりにもオルテガと1対1になるビッグチャンスを創っていたのですが、67分に内転筋を押さえてピッチに転がってしまいました。最終ラインを落ち着かせていたキーマンと、好調のウインガーが不在となれば、日曜日のアストン・ヴィラ戦は劣勢を強いられそうです。

敗戦覚悟で大胆なターンオーバーを決行したペップは、トロフィーをひとつ失っただけでなく、レギュラーのウインガーもロスト。本気の11人で勝ちにいったポステコグルーは、勝利と引き換えに2人の主軸を差し出す格好となりました。勝ち抜いた8人の監督は、スケジュールがタイトになる12月の準々決勝で、頭を悩ますことになります。タイトルか、リスクヘッジか…。


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“ペップはターンオーバー、スパーズはベストメンバー…激痛のカラバオカップ、勝者の代償と敗者のダメージ。” への1件のコメント

  1. グーナーです より:

    1年前、2年前のアーセナルはカップ戦でさっさと敗退したためスミスロウなどの準レギュラー格の出番を失いチームとしてのレベルアップに失敗した面があると思います。なので今シーズンは大会の大小に関わらずある程度勝ち残るべきと考えていました。
    いましたが、アーセナルの今の現状を考えると事情が変わります。
    カップ戦で存在感を増す予定だったヌワネリやルイススケリーはもはやプレミアにも引っ張り出される台所事情で、逆にカップ戦でもレギュラー陣がゆっくり休めるほどのスカッドではなく。
    なかなか難しいところがありますね。。。

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